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[対談]アパレル企業最後の砦、「スタッフのオムニチャネル化」に挑んだビームス矢嶋さんと語る

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 アパレルEC関連のさまざまなゲストをお招きし、メガネスーパーでECを統括する川添隆さんと対談していただくこのコーナー。第12回は、2016年9月にECとコーポレートサイトを統合したビームスのEC統括、矢嶋さんが登場です。後編では、「スタッフのオムニチャネル化」をメインにお話しいただきました。

将来を見据え、大きなシステム投資 売上倍でも耐えられる

メガネスーパー川添さん(左)とビームス矢嶋さん(右)

川添(メガネスーパー、以下M) 前回、自社ECのリニューアルに際し、すべての倉庫在庫をECで販売可能にして、「自社EC=全社の倉庫」にしたというお話をうかがってきました。それに至った背景と、詳細をもう少しお聞きしたいです。

矢嶋(ビームス、以下B) 要は自社ECサイトを、社内インフラのひとつにしたかったんです。ECサイト単体での売上のミッションももちろんあるのですが、実店舗のストック在庫と共有化させることのほうが、本当の命題でした。さらに、インフラ化したそれを、経費面でも効率的に運用できるようにしたいとの思いがありました。特徴的なのは、「RFID」(商品等につけるタグで、無線で情報をやりとりする)と「自動梱包」です。

川添(M) RFIDを導入されたのは、いつ頃でしたっけ。

矢嶋(B) 2012年のパイロット店舗から始まり、2017年3月で全店舗への導入が終わる予定です。ハンカチやソックス、ボールペンの一点一点までシールを貼るのでコストがかかりますが、物流も含めた自社ECの統合、リニューアルともあわせて、たまたまですが、このタイミングとなりました。

川添(M) もうひとつの自動梱包ですが、自社倉庫にその仕組みを導入されているんですか?

矢嶋(B) はい。内製化に際し、会社からコストをおさえるミッションも与えられていましたので、なるべく人の手を介さないような仕組みが必要でした。また、セールなど大きな波が年に何度かありますので、そういったときにも対応できるオペレーションを事前に想定して作りました。これまでも数十億円あった自社ECの売上が、倍の規模になっても運営できるくらいのビジョンを持って取り組みました。この部分は、物流部門が積極的に推進してくれました。

川添(M) 数十億円規模のECサイト単体をリニューアルするだけでもかなりたいへんなのに、そこに向けて着々と、RFIDや物流の革新まで行って、最終的に自社EC運営の内製化につなげたと。普通、こわくてできないですよね。売上落ちたらどうする、オペレーション回らなかったらどうすると、リスクを挙げたらキリがない。僕だったら、リスクを分散したいと思っちゃうんでフェーズを切ってリリースしちゃいます(笑)。

株式会社ビームス EC統括部 矢嶋正明さん

矢嶋(B) 2年以上前から取り組んでいましたが、自分ひとりで言い始めた頃は本当に心細かったです。「物流もシステムも外注していたほうが楽だし、売上も上がっている。なぜ、わざわざ変えるのか」と。でもそこは腹をくくって、「売上は落としません、むしろ伸ばします、経費率を下げて利益率を上げるので、投資させてください」と、役員会に提案し、社内の各部署にも協力を求めました。そこまでできたのは、自社ECを内製化する理由が、私の中で完全に明確になっていたからです。

川添(M) その理由とは?

矢嶋(B) やはり、リアル店舗との共存です。リアル店舗の売上を前年より伸ばすのは、難しい時代になってきていますが、個性豊かな人材が多いことは貴重な資産であり、ここをあきらめてはいけない。自社ECの役目は、リアル店舗をしっかりつなぐことだと考えました。それを実現するには、在庫のオムニチャネル化と、もうひとつはスタッフのオムニチャネル化でした。そのために、コーポレートサイトとの統合を行ったんです。

川添(M) ビームスさんの場合、スタッフの色が濃いですよね。今回の統合でも意識されていると思いますが、そこに踏み切って、コーポレートとECを統合してプラットフォーム作るというのは、ちょっと想像を絶する覚悟です。少なくとも、他のセレクトショップではそこまで踏み込めていません。

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