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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

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「メッセージの最適化と自動化に尽きる」MA・AI分野に挑むメール配信のエイジア、3つの戦略とは

 大手・中堅のEC事業者を中心に、3,000社以上の導入数を誇るマーケティングコミュニケーションシステム「WEBCAS」シリーズ。なかでもメール配信システム「WEBCAS e-mail」は、総合通販売上高ランキングのトップ5社が導入している。同サービスを提供するエイジアでは、2016年6月から「WEBCAS」のラインナップにマーケティングオートメーションを加えたほか、LINE、DMにも対応するなどメッセージチャネルを増やしている。エイジアが見据える未来とは。同社の経営企画室長 藤田雅志さんにお話をうかがった。

メール配信のエイジア、MAやAI分野にも進出

 エイジアは、「WEBCAS」を中心としたCRMアプリケーションシステムの開発、それらのソリューションを用いたマーケティング活動のコンサルティングを行う会社だ。

 WEBCASは、大手・中堅のEC事業者を中心に3,000社以上が導入、メール配信システムとしてはよく知られた存在だ。2016年6月からマーケティングオートメーション「WEBCAS Auto Relations」の提供を開始し、LINEビジネスコネクトを活用したパーソナライズ配信、SMS、DM郵送にも対応するなど、メッセージチャネルを拡大している。さらに同社は、人工知能分野にも進出し、新サービスの展開を開始。自然言語解析をベースとしたテキストマイニングシステム「WEBCAS Sense Analyzer」の提供が、こちらも6月から始まった。

 これまで、メールが中心だった企業のメッセージ発信が、SNSやLINE、そして人工知能によって変化しようとしている今、メール配信システム分野で地位を確立したエイジアにも、変化の時が訪れているわけだ。

株式会社エイジア 経営企画室長 藤田雅志さん

 エイジア 経営企画室長の藤田雅志さんは、今後の戦略として大きく3つを掲げる。

 「ひとつは、WEBCASをCCCM(クロスチャネル・キャンペーンマネジメント)のプラットフォームにすること。戦略のふたつめは、このCCCMプラットフォームをオープンプラットフォームとして、各分野の専業ベンダーとパートナーシップを組み、広げていくことです。

 3つめは、『人工知能によるマーケティング革新』を掲げています。当社としてはまず、デジタルマーケティングで活用しているデータの範囲が現状のものでよいのか、という問題提起をしたい。現状、購買履歴などのCRMデータと、ウェブのログデータを組み合わせて使っている企業がほとんどでしょう。しかし、自分をいち消費者として見直した場合、24時間のうち、それらに接している時間がどれくらいだろうと考えると、それほど大きな割合を占めていない。企業は分析によって、『そのユーザーが本当に求めているものは何か』を導き出したいわけですから、CRMやウェブログ以外のデータも必要になってきます。そのためには、たとえばIoTのようなデータも取り込んでいくべきだと考えます。

 そうして集まってきた膨大なデータを、実際にマーケティングで使えるよう分析するのが人工知能の活躍どころ。具体的には、自然言語解析と機械学習のふたつに注目しています。そしてこれらの技術は、CCCMでメッセージチャネルやタイミングの出し分けを自動選択する際のマッチング技術としても使えると考えています」

MA、テキストマイニングシステムを立て続けにリリースした狙い

 エイジアがこの3つを掲げたのには、消費者と直接コミュニケーションを行っている、事業者側のマーケティング施策の変化によるところが大きい。

 「レコメンドエンジンとWEBCASを連携してメール配信されていた大手アパレル企業様が、ある時、レコメンドエンジンをDMPに切り替えられました。そして、メッセージチャネルとして、LINEやアプリのプッシュ通知にも対応したいとのご相談をいただくようになりました。同様の変化、ご相談が、別業種のさまざまな企業様からも寄せられるようになってきたのです」

 これを受けてエイジアがリリースしたのが、マーケティングオートメーション「WEBCAS Auto Relations」だ。年商1億円以上の売上規模を対象とするサービスだが、6月に提供開始するやすぐに採用が決定。その後も問い合わせが相次ぎ、順調なペースで契約が進んでいると言う。

 「EC事業者の中ではレアケースですが、最近、メッセージチャネルとして、メールをやめてLINEに絞る事業者様もいらっしゃいます。しかし、メールの効果がまったくないわけではなく、LINEとメールを統合運用する環境構築ハードルの高さや、コスト・リソース不足などの問題で、やむをえず片方を切り捨てたというのが現状ではないでしょうか。

 理想は、『メールを開かなかったお客様にはLINE、それでもダメならDMを送る』など、チャネルをまたいだ効果的な運用を実現することのはずです。今、多くの事業者様が、それぞれのチャネルでばらばらに施策を検討されていますが、今後はデータを統一し、さまざまなメッセージチャネルの中から、自社の顧客に最適なものを選択したり、チャネルを組み合わせたシナリオを運用したりしていくようになるでしょう」

 顧客により、メッセージチャネルとタイミングを自動で最適化する。この実現のためにデータを統合し、分析するわけだが、先に藤田さんが問題提起したとおり、より顧客を深く分析するためには、従来の定量データを用いたRFM、LTV、相関分析以外にも、「定性データ」の活用が必須になると言う。エイジアでは、その分析ツールとして、テキストマイニングシステム「WEBCAS Sense Analyzer」を開発した。

 「EC事業者様であれば、商品レビューやアンケートを積極的に取っていらっしゃると思います。これらの定性データを分析するのが、テキストマイニングシステム WEBCAS Sense Analyzerです。たとえば当社では、営業担当者が商談内容をすべてテキストに起こしているのですが、それを活用して、製品軸や顧客軸でプロットできるようになり、次の活動に活かせるようになっています。

 とはいえ、こうしたコメントを寄せてくださるのは、全顧客のうちの一部でしかありません。それを施策に取り入れてよいのか。その課題を解決するために、広告の世界では当たり前に行われている、オーディエンス拡張を行っていく必要があると考えています。そこでも、人工知能の出番だと考えています」

 あらゆる業界から注目が集まる、人工知能。エイジアでは2015年10月に、元マサチューセッツ工科大・人工知能研究所・客員研究員である野村直之さんが代表をつとめる、メタデータと資本提携を行った。テキストマイニングシステム「WEBCAS Sense Analyzer」も、メタデータから技術供与を受けてできたものだ。

ECはスピード感とチャレンジ精神が重要

 エイジアはこれから数年かけ、掲げた戦略を実現していく。具体的には、マーケティングオートメーション「WEBCAS Auto Relations」の機能強化、メッセージチャネルを増やすことから始める。

 「結局のところ企業のマーケティングは、『ターゲット』『コンテンツ』『タイミング』『チャネル』、この4つの変数をどれだけ最適化し、自動実行するかに尽きると考えています。その最適化の精度が一番高く、確実に自動化できるサービスがナンバーワンとなるでしょう。そのゴールに向かうルートが、サービスにより、異なるだけだと思います」

 マーケティングオートメーションと言えば、「カゴ落ち」対策に特化したツールが注目を集めている。藤田さんは「『まずはカゴ落ち対策から手軽に始めたい』というEC事業者様にとっては、これらのツールは魅力的。ただ、カゴ落ちだけで本当に良いのかという疑問は残る」と言う。

 「当社のマーケティングオートメーション『WEBCAS Auto Relations』は、カゴ落ち対策だけでなく『お気に入り商品の値下げ通知』や『在庫わずか通知』、『欠品商品再入荷通知』など、ユーザーに有益な情報をお知らせするメール施策を複数搭載し、施策ごとの優先順位を決められるようになっています。また、メルマガの一斉配信も同一ツール内で実施可能です。『顧客のさまざまな行動データを活用して売上アップにつなげたい』『どの施策が最も効果的なのかを見極めたい』と考えているEC事業者様にご検討いただきたいサービスです」

 エイジアが掲げた戦略のうち、メッセージチャネルやタイミングを人工知能により選択・実行するというのは、大手外資系企業も取り組んでいるプロジェクトだと言う。なかなか手ごわいライバルだが、その挑戦を藤田さんは、「規模でなく、チャレンジ精神で勝負するため」と表現する。

 「マーケティングオートメーションのように、まだ世に出たばかりのサービスを検討するとなると、『うちはまだ早い』『うちの実力ではできない』と尻込みされる事業者様もいらっしゃるのですが、ECはスピード感とチャレンジ精神ですよね。当社もチャレンジしていきますので、ぜひ事業者様にも、新しいことに挑戦していただきたいと考えています」(了)

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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