AIを育て、AIに教わる日々
結論を先に申し上げると、AIによるオンライン接客には大きな可能性があります。大前提として、私はEC運営をする中で「効率化」を第一には考えていません。その意味で「AIで効率化をしよう」という発想は元々ありませんでした。
そもそも、当社は店舗からビジネスをスタートさせて、店舗での接客を大切にしていますので、オンラインでもその接客を再現して、お客様にご満足をいただきたいと四苦八苦しています。その私がAIでの接客にトライしているのは、自分でも少し意外だと思っているほどです。
チャット接客は数年前から取り入れていますが、ここでも店舗での接客に近いリアル感を提供したいと努力を重ねています。しかし、まだまだリアルには勝てません。クオリティーを高め、チャットでのコミュニケーションでもご満足いただけるようにするには、まずコミュニケーションの絶対数を増やす必要があると考えています。
そのため、現段階ではオンラインにおけるコミュニケーションの最終目標として「必ず回答する」を設定しています。オンラインでは一人でも多くの方に回答をお届けすることで、満足度を高めていきたいと考え、取り組みを進めている状況です。
オンラインと店舗の違いは「絶対数」と「時間の概念」
有人で対応をするのは、基本的に営業時間内です。そのため、時間内に一人でも多くのお客様とコミュニケーションを取ろうとしていますし、よくいただくご質問については、営業時間外でも早急に回答をお届けできるようにbotでの対応も取り入れるなど、日々小さな改善を積み重ねています。
botで対応できない営業時間外にいただいたご質問は、翌日朝から順次お答えしているの
ですが、ご質問をいただく時間帯の分析を見ていて、私は「はっ」としました。次の二つのグラフは、青色がお問い合わせのスタート時間、緑色が回答した時間を記したものです。
お問い合わせのスタート時間のピークは昼間ですが、色が付いているところを見ればわかるように、お問い合わせ自体はあらゆる時間帯にいただいています。しかし、回答時間のグラフを見ると、当然ながら営業時間内が基本です。いち早く回答を差し上げたいと思っても、営業時間外にいただいたご質問に対しては、人力での対応だけだとどうしてもお待たせしてしまっていたのが課題でした。
私は、ブランドECサイトの役割の一つに「答えを見つけて差し上げること」があると思っています。かつ、「お待たせしないこと」も大事です。その考えをどう具現化できるか考えた結果、「24時間対応」というキーワードが思い浮かびました。