メール配信のエイジア、MAやAI分野にも進出
エイジアは、「WEBCAS」を中心としたCRMアプリケーションシステムの開発、それらのソリューションを用いたマーケティング活動のコンサルティングを行う会社だ。
WEBCASは、大手・中堅のEC事業者を中心に3,000社以上が導入、メール配信システムとしてはよく知られた存在だ。2016年6月からマーケティングオートメーション「WEBCAS Auto Relations」の提供を開始し、LINEビジネスコネクトを活用したパーソナライズ配信、SMS、DM郵送にも対応するなど、メッセージチャネルを拡大している。さらに同社は、人工知能分野にも進出し、新サービスの展開を開始。自然言語解析をベースとしたテキストマイニングシステム「WEBCAS Sense Analyzer」の提供が、こちらも6月から始まった。
これまで、メールが中心だった企業のメッセージ発信が、SNSやLINE、そして人工知能によって変化しようとしている今、メール配信システム分野で地位を確立したエイジアにも、変化の時が訪れているわけだ。
エイジア 経営企画室長の藤田雅志さんは、今後の戦略として大きく3つを掲げる。
「ひとつは、WEBCASをCCCM(クロスチャネル・キャンペーンマネジメント)のプラットフォームにすること。戦略のふたつめは、このCCCMプラットフォームをオープンプラットフォームとして、各分野の専業ベンダーとパートナーシップを組み、広げていくことです。
3つめは、『人工知能によるマーケティング革新』を掲げています。当社としてはまず、デジタルマーケティングで活用しているデータの範囲が現状のものでよいのか、という問題提起をしたい。現状、購買履歴などのCRMデータと、ウェブのログデータを組み合わせて使っている企業がほとんどでしょう。しかし、自分をいち消費者として見直した場合、24時間のうち、それらに接している時間がどれくらいだろうと考えると、それほど大きな割合を占めていない。企業は分析によって、『そのユーザーが本当に求めているものは何か』を導き出したいわけですから、CRMやウェブログ以外のデータも必要になってきます。そのためには、たとえばIoTのようなデータも取り込んでいくべきだと考えます。
そうして集まってきた膨大なデータを、実際にマーケティングで使えるよう分析するのが人工知能の活躍どころ。具体的には、自然言語解析と機械学習のふたつに注目しています。そしてこれらの技術は、CCCMでメッセージチャネルやタイミングの出し分けを自動選択する際のマッチング技術としても使えると考えています」