2016年がECの転換点となる、3つの変化
2016年も残すところ2ヶ月程になってきましたが、当社としてEC市場がさらなる成長に向かう過程で「転換点」だったと言えそうな1年と捉えています。
なぜ転換点と言えるのか。その理由を挙げるとしたら、下記3つの変化があったからだと考えています。
- 多チャネル戦略が加速
- メーカー系企業の新規参入
- 格差が鮮明になり始める
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.多チャネル戦略が加速
EC業界新聞等で毎年発表される「日本のEC売上高ランキング」から読み取ると、ECでは年商10億円でおよそ上位300位に入ります。当社の集計では、その上位企業の多くは自社ECサイトを開設していますが、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon、DeNAショッピング、ポンパレモール、Qoo10といったモール系に1店舗でも出店している企業の割合が、70%を超えてきています。昨年は約65%でしたので、モール活用企業が増えている状況です。
これは、当社が予想していたものとは反対の現象となっています。EC売上上位の企業は自社ECサイトを中心に実店舗連携も目指す「オムニチャネル戦略」の加速で、モール系の活用は減っていくと想定していました。しかし、上位100社に入る年商60億円企業でも、モールに新規出店し、多チャネル化が進行しているのが実情です。
これは何を意味するのでしょうか。日本のECを利用する消費者は、楽天市場、Yahoo!ショッピング、AmazonやZOZOTOWNのように、豊富な商品が集まり、ポイント付与や送料無料といった購入メリットが常時設定されているモール系のプラットフォームで購入する機会が確実に増えています。この状況を企業側も肌で感じ、モール中心に多チャネル化を加速している状況かと思います。
また、EC事業の成長率が10%を切り始めた企業にとっては、DeNAショッピング、ポンパレモール、Qoo10といった、独自の客層を持つ成長モールの新規活用で成長を維持したいという傾向が顕著になったと言えます。