集客段階:リマーケティング広告
リマーケティング広告とは、一度サイトに訪れた、またはキーワード検索したユーザーなどに向け、最適な広告を表示させる仕組みです。いつも同じ広告が出るため、「ストーカー広告」などと呼ぶ人もいますが、興味関心が高いユーザーに適切に広告を表示する手法は、現在では主流となっています。Googleアドワーズでは2010年から、Yahoo!ディスプレイアドネットワークでは2013年から、このソリューションの提供が開始されました。
その上で、「顧客の興味関心に応じた広告を自動生成」する「ダイナミックリターゲティング」という技術を保有しているのが、フランスの企業Criteo。ディスプレイ広告の中に商品が複数掲出された、以下のような広告をご覧になった方も多いかと思います。
国内ではヤフージャパンとの独占契約を果たし、アドテク業界では、世界的に見ても最も業績を伸ばしている企業のひとつといっていいかと思われます。
サイト訪問段階:離脱防止施策
顧客が広告をクリックし、サイトを訪問しました。第一段階はクリアですね。しかしここで帰してしまっては、出稿料のムダ。何とかサイトに留まってもらわなくてはなりません。そのためのソリューションもいくつか存在しています。
ヘルプデスク(チャットによるコミュニケーション)
サイト上に、テキストでコミュニケーションできる「チャットウィンドウ」を表示させ、購入に際しての質問を入力してもらう仕組みです。わからないことがあってもヘルプを見るのは面倒だし、誰かに聞くのが一番速かった、という経験はどなたにもあることでしょう。
メッセージウィンドウは閲覧者の注意も引くため、顧客の引き留めに効果を発揮します。余談ながら、中国のショッピングサイトでこの機能は必須といわれ、24時間体制のカスタマーサポートが常駐しているサービスもあります。
この機能を提供している代表格がZopim。アジアナンバーワンの天才たちが集まることで有名な、シンガポール国立大学の学生たちがはじめたサービスです。SalesforceなどのCRMとも連携可能で、よりきめ細かなカスタマーサポートが実現できます。
割引クーポン、お知らせ機能
サイトを離れようとしたり、購入を渋ったりしている顧客に「今なら10%オフです!」などのおトクな情報を表示する、またはLINEのようなUIで「ついクリックしてしまう」ことを狙ったお知らせ機能などがこれにあたります。
どちらも、ページ遷移、またはブラウザを閉じるなどの離脱行為を思い留まらせるもので、購買意欲の高い顧客に再考を促すには効果的な施策と言えます。 この機能を提供しているのがZenClerkとflipdesk。ZenClerkは元々チャット機能を提供していましたが、途中からクーポンに特化。DeNAを築いた川田尚吾さんが投資していることでも注目を集めています。
そしてflipdeskは、昨年前mixiCEO朝倉氏を顧問に迎え、サービス開始1年で240社を超える企業への導入を果たしました。チャット機能を含め、離脱防止、リマーケティング面で豊富な機能を取り揃えており、国内企業の中では一歩リードしている状況と言えるかと思います。