新春企画!ECzine Day Fukuoka プレ座談会
2016年1月27日、福岡で開催するイベント「ECzine Day」。基調セッションは「通販企業のデジタルシフト、先進企業に聞く最優先施策とポイント」と題し、warmth 西井さん、ガシー・レンカー・ジャパン 藤原さん、JIMOS 川上さんの御三方にディスカッションいただきます。
「最優先施策とポイント」は、当日イベントでお聴きいただくとして、この記事では、デジタルシフトの本質がうかがえるトークの模様をお届けしたいと思います。
デジタルシフトが成功する企業、失敗する企業
西井(warmth) 今回、福岡のイベントで「通販企業のデジタルシフト」をテーマにお話しするわけですが、多くの通販企業様は、通販のノウハウは持っていても、ネット通販のノウハウは意外にご存じない。オフのやりかたそのままでウェブに取り組んで、あまりデジタルシフトがうまくいっていない企業様が多いんじゃないかなと感じたからです。
そこで、デジタルシフトがうまくいっている先進的な企業さんとして、パッと頭に浮かんだのが、ガシー・レンカーさんとJIMOSさんでした。ガシー・レンカーさんがすごいのは、デジタルシフトして売上を「維持」したのではなく、右肩上がりで伸び続けていること。本当に理想的ですよね。JIMOSさんも売上はずっと順調に伸びていて、それでもデジタルシフトに踏み切ろうとしている。
川上(JIMOS) はい、今でも、オフラインに従来の広告予算をかけようと思ったら、それができる余裕はあります。でも、早め早めでデジタルシフトしていこうと。とはいえ、2013年に大号令を出したものの、実際に体制が整いはじめたのは2015年です。昨年が激動でした。理想を言えば、2010年くらいから、オフにもっと重きをおいて人材を育てていればよかったなと思うのですが、昨年、オンのABテストを300本くらい回して、巻き返せる手応えは感じています。
藤原(ガシー・レンカー) デジタルシフトがうまくいかない理由のひとつに、社内でデジタルマーケティングのそれぞれの施策について、わかる人材がいないというのがあると思います。SEOの使いかた、LINEの使いかた、そういったものがわからないから、専門家に来ていただいて、「他社ではこんな事例があります、御社もこの中からいかがですか?」と提案されても、選べないんでしょう。他社で成功したからといって、自社でも同じ結果が出るかはわからないし。
川上(JIMOS) 商品やビジネスモデルについて、あまりご存じない、もしくは理解を深めようとされない専門家の方のアドバイスは、あまり意味がないと思っています。その商品にあわせて、お試ししやすくするには、手に取りやすくするには、といったことを考えたうえで、売りかたを決めたり、キーワードを決めたりしないと意味がないですよね。
西井(warmth) 事業主側の担当者は、SEO、ソーシャルなどそれぞれのウェブ施策について、専門家にならなくていいから、大枠を理解したうえで、トータルで自社のビジネスにフィットさせられる能力が必要ですよね。
藤原(ガシー・レンカー) 専門家というところでいくと、代理店さんとのお付き合いは、どこか1社に限定せずオープンにしています。意外と、大きいところ1社に全部お任せしちゃうとか、聞くんですよ。社内的に話を通しやすかったり、「去年のデータ出して」ってお願いするとすぐ出してもらえるとかで、担当者が依存してしまう。すると、自分のマーケティングからズレていることに気づかないんですよね。
川上(JIMOS) 1社に絞るという発想があるんですね、それを今知りました。
西井(warmth) いや、あるんですよ。藤原さんのおっしゃること、よくわかります。それってよくないですよね。
藤原(ガシー・レンカー) よくないです。だからといって、社内に専門家のチームを作るとなると、コスト的にも厳しい。西井さん、川上さんがおっしゃったように、自社のビジネス、商品を理解したうえで、ある程度のマーケティングがわかる人さえ中にいれば、専門分野については外部の力を借りて、チームを作ったらうまくいくと思います。逆に言うと、デジタルシフトがうまくいかないのは、それができていないから。大きな代理店さんにまるごとお願いしても、そこに強み・弱みはありますから。
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