驚異的なレビュー投稿数 ユーザーの投稿を促す工夫とは?
━━「and ST」を見ると、多くの商品でレビューが投稿されていますが、どのような運用をされているのでしょうか。
飯塚 基本的には購入後にレビューを投稿していただくと、ポイントを付与するロイヤルティ施策を行っています。傾向として、ヘビーユーザーの方ほど積極的に投稿してくださっています。
段 実はアンドエスティ様の特長は、付与しているポイント数ではなくレビューを「打診する回数」の多さにあります。アンドエスティ様は購入直後のみでなく、「ポイント残高のお知らせ」や「購入した商品のコーディネート紹介」といった、ユーザーの関心を得やすいコンテンツの中に、さりげなくレビュー打診を差し込んでいます。
段 レビューのお願いは、一歩間違えるとユーザーにとって「おせっかい」や「重荷」に感じられてしまいます。しかし、ユーザーにメリットのある情報とともに依頼することで、結果としてレビュー打診数が増え、投稿数の増加につなげているのだと思います。こうした運用は、他サイトにとっても参考になる方法だと考えます。
━━集めたレビューは、社内でどのように活用されていますか。
飯塚 社内では商品開発へのフィードバックに活用しています。現在、投稿の約95%はポジティブな評価ですが、残りの5%に含まれる「改善点」にこそ、次の商品開発へのヒントが隠れています。
また、最近では店舗での「試着体験」の声をAIで分析し、商品開発に活かす取り組みも始めています。将来的には、ECのレビューとリアル店舗の声を統合し、一つの強力な「メディア」として育てていく構想も視野に入れています。
生成AIによる「レビュー要約」が支持される理由
━━今回、新たに導入された「レビュー要約機能」について詳しく教えてください。
飯塚 大手ECプラットフォームを中心にレビューの要約活用が進んでおり、弊社でも1商品に対して1,000件以上のレビューが寄せられることもあり、要約機能の導入が不可欠だと考えました。特に「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する世代にとっても、膨大な情報から要点を即座に把握できる要約機能は非常にニーズの高いものです。また、社内においても要約で商品評価の傾向を把握できるため、業務効率の観点からも好評を得ています。
出張 「ZETA VOICE」は自由度の高いレビュー設計が特長で、多様なユーザーの声をデータとして蓄積できる点に強みがあります。こうしたレビューの蓄積が、AIによる要約においてもユーザーにとって有用な情報の抽出につながっています。
━━AIによる要約にあたって、技術的な苦労などはありましたか。
梶村 ネガティブなコメントの扱いには悩みました。実際には10人中2人しか不満を抱いていなくても、ネガティブなコメントはポジティブな評価と比べて文章量が多く、要約結果がネガティブに偏ってしまうことがありました。
出張 言葉の強さや文章量にAIが左右されないよう調整し、バランスの良い要約を実現させるにはかなり試行錯誤が必要でした。
飯塚 最初は紆余曲折ありましたが、現在は「良い点」を抽出して表示する形に落ち着いています。ただ、将来的には「良い評価の要約」と「悪い評価の要約」をあえて分けて表示するのも、ユーザーの正しい判断を助けるためには有効ではないかと議論しています。


