SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

直近開催のイベントはこちら!

【オンライン】ECzine Day 2026 February (2026.02.13)

ECホットトピックス(AD)

圧倒的レビュー数をどう活かす?生成AI時代のEC戦略を「and ST」が語る

 流通総額462億円(2026年2月末時点)を誇るECプラットフォーム「and ST」を展開するアンドエスティ。同社はレビューをECの「大前提」と位置づけ、レビュー・口コミ・Q&Aエンジンの「ZETA VOICE」を通じて膨大なユーザーの声を収集しています。ポイント付与施策に加えて、レビュー打診回数の最大化や、生成AIによるレビュー要約など、最先端の取り組みを推進。顧客満足度とLTV向上を両立させる同社の戦略について、株式会社アンドエスティとZETA株式会社の担当者にインタビューしました。

「and ST」が仕掛ける、プラットフォーム戦略

━━アンドエスティが展開する「and ST」の現状と戦略についてお聞かせください。

飯塚 「and ST」は、中期経営計画2030においてGMV(流通総額)1,000億円を目指しています。直近のGMVは462億円(2026年2月末時点)に達し、会社全体の中でも大きな比率を占めていますが、現状に満足しているわけではありません。

 日本の少子高齢化や実店舗の出店余地の限界といった市場環境の変化を見据え、私たちはさらなるEC強化を進めています。その一環として「グループ外ブランドも出店するプラットフォーム事業」への転換を推進しています。

株式会社アンドエスティHD DX本部 部長 兼 株式会社アンドエスティ プラットフォーム開発部長 飯塚 将司氏
株式会社アンドエスティHD DX本部 部長 兼 株式会社アンドエスティ プラットフォーム開発部長 飯塚 将司氏

 「and ST」を多様なブランドが集まるオープンプラットフォーム化することで、グループ外収益の創出を加速させています。本事業を成長させるためには、単なるシステムの構築にとどまらず、膨大なデータを効率よく分析し、「どのお客さまに、どのようなタイミングでアプローチするか」といったUI/UXの緻密な設計が求められます。

━━プラットフォーム化において、レビューやQ&Aといったユーザーコンテンツ(UGC)はどのような役割を担っているのでしょうか。

飯塚 レビューをはじめとしたUGCは、「ユーザーの商品購入における重要な判断軸であり、ECの成長を支える基盤」であると考えています。プラットフォームとして多種多様な商品を扱う中で、お客さまが何を信頼して購入の意思決定を行うのか。その答えをもたず、お客さまに「チャレンジ(不安を抱えたままの購入)」で物を買わせてしまうようなサイトは、もはや成り立たないと考えています。

 特にアパレルは、サイズ感や素材感、透け感など、画像だけでは判断しきれない不安が多い商材です。だからこそ、他者の実体験であるレビューが、不安を解消するための最良の判断材料となります。

レビューはユーザーだけでなくAIの情報源としても機能する

━━ZETA様は、多くの企業にレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」を提供されていますが、レビューの持つ情報価値や役割についてどうお考えですか。

出張 レビューは商品の「透明性」を上げるための有効な手段の一つです。実物の商品が目の前にないECにおいて、レビューがあることで商品情報の解像度は劇的に上がります。

 また、こうしたレビュー収集は単なる一方的な情報発信ではありません。ユーザー同士のコミュニケーションの場としての役割もあり、多くのユーザーが参加しながら商品情報を育てていくプロセスそのものだと言えるでしょう。

ZETA株式会社 取締役上級副社長CTO 博士 (情報科学) 出張 純也氏
ZETA株式会社 取締役上級副社長CTO 博士 (情報科学) 出張 純也氏

梶村 レビューの信頼性の面では、ポジティブな評価に加えて多少のネガティブな意見が含まれていても「正直な感想」として他のユーザーに受け入れられやすい傾向があります。忖度のない意見が混ざっているからこそ、商品情報としての価値が担保されると考えています。

段 さらに、昨今の生成AIの浸透により、レビューはユーザーだけでなくAIにとっても重要な情報源となり、新たなフェーズを迎えました。ユーザーがAIに質問した際、レビューは回答を生成するための信頼性の高い「元データ」として機能します。そういった情報源が豊富であればあるほど、AIはより精度の高い回答をユーザーに返せるようになります。

━━アパレル業界では「商品のサイクルが早いため、レビューは蓄積しにくい」という声も聞きます。

出張 かつてはそうした考え方もありましたが、現在はレビューがあるのが当たり前、というフェーズに到達しています。アンドエスティ様の場合、ユーザーがレビューを見ることを前提としたページ構造を設計されており、訴求の最大化を図った上でユーザーが最も知りたい情報へスムースに辿り着けるよう工夫されています。

驚異的なレビュー投稿数 ユーザーの投稿を促す工夫とは?

━━「and ST」を見ると、多くの商品でレビューが投稿されていますが、どのような運用をされているのでしょうか。

飯塚 基本的には購入後にレビューを投稿していただくと、ポイントを付与するロイヤルティ施策を行っています。傾向として、ヘビーユーザーの方ほど積極的に投稿してくださっています。

段 実はアンドエスティ様の特長は、付与しているポイント数ではなくレビューを「打診する回数」の多さにあります。アンドエスティ様は購入直後のみでなく、「ポイント残高のお知らせ」や「購入した商品のコーディネート紹介」といった、ユーザーの関心を得やすいコンテンツの中に、さりげなくレビュー打診を差し込んでいます。

ZETA株式会社 シニアセールス 段 涼馬氏
ZETA株式会社 シニアセールス 段 涼馬氏

段 レビューのお願いは、一歩間違えるとユーザーにとって「おせっかい」や「重荷」に感じられてしまいます。しかし、ユーザーにメリットのある情報とともに依頼することで、結果としてレビュー打診数が増え、投稿数の増加につなげているのだと思います。こうした運用は、他サイトにとっても参考になる方法だと考えます。

━━集めたレビューは、社内でどのように活用されていますか。

飯塚 社内では商品開発へのフィードバックに活用しています。現在、投稿の約95%はポジティブな評価ですが、残りの5%に含まれる「改善点」にこそ、次の商品開発へのヒントが隠れています。

 また、最近では店舗での「試着体験」の声をAIで分析し、商品開発に活かす取り組みも始めています。将来的には、ECのレビューとリアル店舗の声を統合し、一つの強力な「メディア」として育てていく構想も視野に入れています。

生成AIによる「レビュー要約」が支持される理由

━━今回、新たに導入された「レビュー要約機能」について詳しく教えてください。

飯塚 大手ECプラットフォームを中心にレビューの要約活用が進んでおり、弊社でも1商品に対して1,000件以上のレビューが寄せられることもあり、要約機能の導入が不可欠だと考えました。特に「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する世代にとっても、膨大な情報から要点を即座に把握できる要約機能は非常にニーズの高いものです。また、社内においても要約で商品評価の傾向を把握できるため、業務効率の観点からも好評を得ています。

レビュー要約機能のイメージ
レビュー要約機能のイメージ

出張 「ZETA VOICE」は自由度の高いレビュー設計が特長で、多様なユーザーの声をデータとして蓄積できる点に強みがあります。こうしたレビューの蓄積が、AIによる要約においてもユーザーにとって有用な情報の抽出につながっています。

━━AIによる要約にあたって、技術的な苦労などはありましたか。

梶村 ネガティブなコメントの扱いには悩みました。実際には10人中2人しか不満を抱いていなくても、ネガティブなコメントはポジティブな評価と比べて文章量が多く、要約結果がネガティブに偏ってしまうことがありました。

ZETA株式会社 エンジニア 梶村 昴史氏
ZETA株式会社 エンジニア 梶村 昴史氏

出張 言葉の強さや文章量にAIが左右されないよう調整し、バランスの良い要約を実現させるにはかなり試行錯誤が必要でした。

飯塚 最初は紆余曲折ありましたが、現在は「良い点」を抽出して表示する形に落ち着いています。ただ、将来的には「良い評価の要約」と「悪い評価の要約」をあえて分けて表示するのも、ユーザーの正しい判断を助けるためには有効ではないかと議論しています。

レビューの「客観性」とトレンド情報の融合

━━アンドエスティ様といえば、店舗スタッフによる投稿が集まる「STAFF BOARD」も非常に有名です。レビューとの役割分担はどう考えていますか。

飯塚 「STAFF BOARD」は、いわば“憧れ”や“お手本”であり、身長や体型に基づいた着こなしの提案です。対してレビューは、実際に購入し、日常生活で使ってみた「生の声」です。

 例えば、スタッフが投稿した綺麗な写真を見て「素敵だな」と感じても、レビューで「意外と素材が薄かった」「少し丈が長めだった」といったリアルな情報を見ることで、ユーザーは納得感を持って購入を決断できます。この「憧れ」と「現実」の両輪があるからこそ、購入直前の不安が解消されるのです。

━━情報の鮮度という点ではいかがでしょうか。

飯塚 スタッフの投稿はトレンドを捉えた「瞬発力」がありますが、レビューは蓄積されるほど「商品情報の解像度」を高めてくれます。特に定番商品においては、過去数年にわたる膨大なレビューが大きな資産となります。

求められるエージェンティックコマースへの対応

━━最後に、今後の展望についてお聞かせください。

飯塚 「and ST」を単なる”買い場”ではなく、「毎日訪れるのが楽しいエンターテインメントの場」へと進化させていきたいと考えています。例えば、ユーザー同士がレビューを通じて相互コミュニケーションが取れるような「コミュニティ化」。そしてAIが個々のユーザーの好みや商品情報を深く理解し、最適な提案をしてくれる「エージェンティックコマース」の実現を目指しています。

出張 ZETAとしても、AIとECサイトが直接やり取りする未来に備え、検索の枠を超えたソリューションを展開していきます。AIに在庫データ、商品データ、そして「ユーザーの声」というバックグラウンドデータを連携し、AI時代に選ばれる最先端のECサイトの構築を、これからもアンドエスティ様と共に推進していきたいと考えています。

段 ユーザーが気にしているポイントに沿った回答となるよう、AIがレビューデータを分析し質問に対して最適な「レビューの一節」を返してあげるような、さらに進化した顧客体験を提案していきたいです。

 レビュー・Q&A活用やサイト内検索に興味のある方におすすめ!

 ZETAが提供するECマーケティング・リテールDXを支援するCX向上生成AIソリューション「ZETA CXシリーズ」の資料は、【ZETA 資料ダウンロードページ】よりダウンロードいただけます。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note

提供:ZETA株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/17678 2026/04/21 07:00

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング