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【リアル×オンラインのハイブリッド開催】ECzine Day 2025 October (2025.10.9)

徹底解説!自社に最適な「Amazon Ads パートナー」選定ガイド(AD)

指名検索376%増、目標売上も達成!ウブンが手がけるオルビスのAmazon Ads フルファネル戦略

 本記事では、Amazon Ads パートナーアワードのFull Funnel Advertising APACアワードを受賞した、オルビス様のフルファネル活用事例を紹介します。オルビス様は、新たに低価格帯のスキンケア商品「ORBIS SHOT PLUS(オルビス ショットプラス) 」をローンチし、一部ドラッグストア、およびECではAmazon一社で販路を限定し先行販売しました。Amazon.co.jpのホームページ上部に表示できるホームページヒーロー広告、Fire TVを含む広範な認知広告と、Amazon Marketing Cloud(AMC)を活用した緻密なオーディエンス分析、リマーケティングを組み合わせた結果、指名検索数は前年比+376%を達成し、売上目標も大幅に突破。本事例は、Amazonを単なる「売り場」ではなく、「メディア」として活用し、新規のお客様の開拓に繋げる最新の戦略を示しています。

新規開拓を目的に、Amazon発でフルファネル施策を実施

━━まず、今回2025年度のAmazon Ads パートナーアワードにて、Full Funnel Advertising APACアワード(※)を受賞されたオルビス様との取り組みについて、概要をお聞かせいただけますでしょうか。

Amazon Ads パートナーアワードは、デジタル広告における革新的な取り組みやイノベーションを推進したパートナーを称える表彰プログラムです。Full Funnel Advertising部門は、フルファネルマーケティングにおける新たな基準を確立したパートナーを表彰するもので、カスタマージャーニーの複数段階にわたる高度な広告戦略を実践した優れた事例として、オルビスにおける事例が評価され、ウブンは同部門のAPACアワードを受賞しました。

藤田 オルビス様は以前より新しいお客様との接点として、Amazonでの販売もしており、元々自社ECサイトで取り扱っていた商品をAmazonにも展開することで、より多くのお客様との接点の拡大を図っていました。

株式会社ウブン アカウントコンサル部 部長 藤田 由来氏
株式会社ウブン アカウントコンサル部 部長 藤田 由来氏

 今回、オルビス様は新たな低価格帯のエイジングスキンケアシリーズとして「ORBIS SHOT PLUS」を企画開発し、販売をスタートしました。これまでの化粧品開発研究から得た技術と想いを結集し、使い続けやすいコストパフォーマンスに優れた高品質な低価格帯スキンケアとして、ブランド初のオルビス直販以外の販売チャネル戦略商品になります。

 そこで我々ウブンは、この新商品の立ち上げとAmazonでの売上増加を目的としたフルファネル戦略の実行支援を担当させていただき、結果として今回のアワード受賞につながりました。

横田 オルビス様がこれまでのブランド戦略から一歩踏み出し、新しいお客様との接点としてAmazonを戦略的に活用しようとされた点が、この取り組みの最も大きな特徴です。

 我々のAMCによるシグナル分析と運用技術で、その挑戦を成功へと導けたことを大変嬉しく思っています。この成功は、EC担当者の方々にとっても非常に参考になる事例だと確信しています。

認知拡大と新規購買を起点としたKPI設計で売上を生み出す

━━新たな販路向けに新商品を開発された背景と、それに対するウブン様からの提案はどのようなものだったのでしょうか。

藤田 オルビス様は従来、自社ECと直営店での販売を目的とした中価格帯のスキンケアシリーズが中心でしたが、新たな低価格帯のエイジングスキンケアシリーズで、さらに多くのお客様にオルビスの価値を届けたいと考えました。

 そこで、新しいお客様、特に既存のお客様層とは異なる、ドラッグストアやAmazonなどでスキンケア商品を購入するお客様とも接点が持てるように、「ORBIS SHOT PLUS」を開発されたのです。

横田 我々ウブンは、この新商品に対して「Amazonでの新規商品の認知拡大」と「新規のお客様の購買を中心にしたKPI設計」を軸とする提案を行いました。

 この新商品は、既存のエイジングケア商品と比べると990円からと手に取りやすい価格帯となっており、新規のお客様がオルビスというブランドを体験しやすいよう、差別化が図られていたことも戦略上大きなポイントでした。

 お客様にリーチするためのAmazon Adsのソリューションを最大限に活用し、これまでオルビスのブランドに触れたことのないお客様をAmazon上で発掘し、購買に結びつけることが我々のミッションでした。

 単にROASを追求するだけでなく、長期的なLTV(顧客生涯価値)を見据え、新規のお客様をどれだけ開拓できるかを重視した戦略プランが、本施策の成功に不可欠だったと考えています。

Amazonでの新規ブランド立ち上げに必要なフルファネル設計とAMC活用

━━新規のお客様の開拓というミッションのもと、具体的なフルファネルの施策設計や、Amazon Marketing Cloud(以下、AMC※)の活用について詳しく教えていただけますでしょうか。

※Amazon Marketing Cloud(AMC)とは

 Amazonが提供する、クラウドベースのクリーンルーム。プライバシーを守りながら、Amazon Adsのファーストパーティーシグナルや広告主の持つシグナルを突合し、自社にあったオーディエンスを発見する、カスタムオーディエンスとして拡張配信に使うといったサポートをするソリューション。

藤田 オルビス様との取り組みでは、認知から購買までを一気通貫させるフルファネルで施策を設計しました。アッパーファネルの認知段階では、「ホームページヒーロー広告」というAmazon.co.jpのファーストビューに広告を掲載できる広告プロダクトや、Fire TV広告を活用して、広範なオーディエンスにアプローチしました。

 これらの認知広告に接触したオーディエンスをAMCで抽出し、比較・検討のミドルファネルから購買のローワーファネルに向け、Amazon DSPで広告接触者に対してリーチし、高い関心を示したオーディエンスを購買へつなげていく流れを構築しました。

ORBIS SHOT PLUSのホームページヒーロー広告
ORBIS SHOT PLUSのホームページヒーロー広告

横田 クリエイティブ面では、キービジュアルを中心とした統一感のあるものを配信しました。また、F2転換(2回目購入)やクロスセルを意識した広告も展開し、一度購入されたお客様のロイヤリティを高める施策も同時に実行しました。

 そして、運用の核となったのがAMCによる分析です。ROASを常にチェックしつつも、「新規のお客様」にできるだけ多くリーチできる配信面に予算をアロケーションできるよう、コントロールすることを徹底しました。

 AMCを使うことで、認知施策と開拓施策の間でシグナルが分断することなく、どの施策が新規のお客様開拓に貢献したのか、その効果が明確に分かったため、迷いなく施策を推進することができました。

株式会社ウブン アカウントコンサル部 アカウントコンサルチーム 横田 春樹氏
株式会社ウブン アカウントコンサル部 アカウントコンサルチーム 横田 春樹氏

指名検索が376%増、目標売上も大きく達成

━━具体的な施策の結果、どのような定量的な成果が得られたのでしょうか。

藤田 最も驚くべき定量的な成果は、認知広告の実施後、指名検索数が前年対比で+376%も上昇したことです。これは、実施した認知施策が広範なオーディエンスに届き、オルビスというブランドと新商品「ORBIS SHOT PLUS」への強い関心を醸成できたことを明確に示しています。

 もちろん、「ORBIS SHOT PLUS」に関しても、当初の目標を大きく突破する売上を達成し、一定の新規顧客を開拓できました。特にAmazonの定期便をインセンティブにしたことで、リピーター率も高い数字を維持できています。

━━今回の取り組みを通じて得られた気づきはありますか。

横田 今回の取り組みで得られた知見は、「認知の重要性」です。指名検索数の増加からも分かるように、ブランドを認知してもらうことが、結果として商品の購買に直結しやすいということを改めて証明できました。

 そして、このAmazonでの認知施策も奏功し、Amazonと同時に販売開始したドラッグストアの売上も非常に好調に推移し、翌年春には、販路拡大というブランド全体のビジネス成長にも貢献した点は非常に大きな成果です。

 Amazonでの成功が、他のチャネルでの営業活動を後押しする「メディア」としての役割を果たしたと言えるでしょう。

今回の成功を支えたウブンならではの強みとは?

━━オルビス様の成功を支えたウブン様の強み、特にAmazon Ads運用における特徴的なサービスについてお聞かせください。

藤田 弊社の最大の強みは、独自開発したAmazonレポートの自動化ツール「Ubun BASE(ウブンベース)」です。これは我々のAmazon Ads運用業務を簡略化するために作られたツールですが、広告主様や代理店の担当者にも無償で提供し、Amazon Adsの運用業務を効率化することをサポートしています。

 「Ubun BASE」には、商品マスターの整理からカテゴリ分類、分析レポート作成、そしてAMCオーディエンス作成まで、一連の業務を実行できる機能が搭載されています。これにより、新しく運用に携わるメンバーでも、サービスの品質を均一に保つことができます。

横田 また、Ubun BASEはAMCの活用においても強みがあります。AMCの分析には特殊なSQLクエリの知識が必要とされるケースがありますが、「Ubun BASE」は標準で分析機能が搭載されており、誰もが自由に分析できるようになっています。

 我々は数多くのオーディエンスを作成した実績があり、AMCの認定制度(サービスプロバイダー)も取得するなど、テクノロジーとプランニングの両面で深い専門性を持っています。ツールだけでなく、ウブン独自のプランニングフレームワークも成功の鍵です。

Amazonは売り場としてでなく、メディアとしても高いポテンシャルがある

──今回の成功事例を踏まえて、今後のAmazon Adsへの取り組みや展望についてお聞かせください。

藤田 Amazon Ads自体がフルファネルのマーケティングに非常に力を入れていますので、我々もその流れを加速させたいと考えています。究極的には、Amazon発信で売れるブランドをウブンのフルファネルマーケティング戦略で作り上げていきたいです。

 Amazonの「売り場」としての機能だけでなく、様々なシグナルやインサイトを駆使できる「メディア」としての側面を最大限に活用していきます。

横田 Amazon Marketing Cloud(AMC)には、ECの購買シグナルだけでなく、様々なシグナルを投入できます。今後はこの特徴を活かし、多様なシグナルを駆使したCDP(カスタマーデータプラットフォーム)構築にチャレンジしていきたいと考えています。

 これにより、より高度なオーディエンスインサイトの抽出が可能になり、さらにきめ細やかな施策提案ができるようになります。

 我々は、Amazonを単なる販路として捉えるのではなく、ブランドの認知から育成、そして購買までを担う統合的なメディアとして活用し、お客様の目標に合わせた最適な施策を提案し続けていきたいと思っています。

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提供:アマゾンジャパン合同会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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