SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

直近開催のイベントはこちら!

【オンライン】ECzine Day 2026 February (2026.02.13)

ECが変えるBtoBビジネスの未来

364万人の基盤をどう動かすか。ラクスルが放つ「消耗品・備品BtoB EC」の勝算

364万人の顧客基盤を集客にフル活用、「再入力不要」で購入までの時間を短縮

━━印刷EC「ラクスル」には既に364万人を超える顧客基盤があります。これら既存チャネルとの役割の違いや、相乗効果をどう描いていますか?

高須:既存の印刷サービスが主に新規顧客の獲得や印刷物の提供を担うのに対し、ビジネスモールは既存顧客に対する「クロスセル」の立ち位置を明確にしています。ラクスルで名刺やチラシを注文してくださるお客様に、その周辺で必要となる事務用品や消耗品も一緒にご提案する。これにより、お客様のラクスル利用頻度を高め、LTV(顧客生涯価値)を最大化していく狙いです。

━━システムやデータの連携についても具体的に伺えますか。既存顧客はスムーズに新サービスを利用できるのでしょうか。

高須:そこには非常にこだわりました。既存のお客様であれば、配送先情報や決済情報を改めて入力することなく、すぐにビジネスモールで買い物を始めることができます。この「シームレスな体験」こそが、私たちが持つ最大の武器です。

 また、裏側のデータ活用についても、お客様の業種や従業員規模などの情報を印刷サービス側から引き継ぎ、それに基づいたレコメンデーションを行っています。

━━印刷には「在庫」という概念がありませんが、既製品の販売では欠かせません。その違いはどう埋めていますか。

高須:おっしゃる通り、印刷はオンデマンド生産なので在庫がありません。一方で既製品の販売は在庫管理が命です。ラクスルはこれまで印刷ビジネスを主軸としてきたので、在庫と縁遠い会社に見えるかもしれません。しかしM&Aを経てグループのアセットは確実に広がっており、グループサービスの「ダンボールワン」などの物流基盤と連携させてリアルタイムで管理しています。

F2転換率を90日で追う。デジタルと「紙」を融合させたグロース戦略

━━成長戦略において、どのようなKPIを設定されていますか。

高須:特に重視しているのは、新規のお客様数とリピート率です。具体的には「F2転換率(初回購入から2回目購入への転換)」を90日というスパンでベンチマークとして追っています。

━━リピート率を高めるために、直近ではどのような戦術を展開されていますか?

高須:一つは、ラクスルの強みを活かしたポイントキャンペーンです。印刷サービスで貯まったポイントをビジネスモールの購入に充てられるようにしています。チラシの印刷などは展示会の時期などに限られますが、コピー用紙などの消耗品は常に必要です。溜まったポイントの出口に日常的な商材を用意することで、お客様がラクスルを使い続ける理由を作っています。

━━Webマーケティング以外に、あえて「紙のカタログ」も作成されていると伺いました。デジタル中心のラクスルとしては珍しい取り組みですね。

高須:実は今、紙製のカタログの開発に注力しています。世の中ではデジタル化が進んでいますが、BtoBの現場では依然として紙のカタログの需要は根強いものがあります。大手EC各社も取り組んでいるこの手法を、私たちも一歩目としてしっかりと行い、早期にお客様の手元に届けることで認知を獲得したいと考えています。

━━サイト内でのコミュニケーションで工夫されている点はありますか。

高須:検索キーワードに基づいたクロスセルの誘発です。例えば、サイト内で「チラシ」と検索した方に対し、チラシを置くためのラックを表示したり、名刺を作成した方には名刺入れや名刺管理ケースをレコメンドしたりしています。単に「関連商品」を出すのではなく、お客様の具体的なユースケースに寄り添った提案を、検索というアクションに合わせて行っています。

━━集客コストについても、印刷事業を持つラクスルならではの強みがあるとか。

高須:はい。私たちはチラシや名刺の同梱物に、新サービスの商品説明を含めたプロモーション物などを入れることができます。印刷事業自体が強固な収益基盤を持っているため、新規の集客コストを極限まで抑えつつ、その分を商品の「価格」に還元できる。これが、後発でありながらレッドオーシャンで戦える理由です。

次のページ
「専門店」から「モール」へ。データが示した大きなピボット

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
ECが変えるBtoBビジネスの未来連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)

ECZine編集部です。ネットショップ運営に役立つ情報をお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/17636 2026/03/31 07:00

Special Contents

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング