「専門店」から「モール」へ。データが示した大きなピボット
━━リリースから数ヵ月が経ちましたが、現時点での反響はいかがでしょうか。
高須:想定以上にナショナルブランド(NB)の商品が選ばれています。正直なところ、他のECモールでも買える商品を私たちが売って、本当にお客様に選んでいただけるのかという不安はありました。
しかし、蓋を開けてみると、コピー用紙や大手文房具メーカーの商品などが飛ぶように売れています。お客様にとって「ラクスルで買う安心感」というものが、一定の価値を持っていることを再確認しました。

━━立ち上げの過程で、大きな戦略の修正などはありましたか?
高須:実は、非常に大きなピボット(方向転換)を行いました。当初は「店舗用品」「事務用品」「美容用品」といった具合に、業種やカテゴリーごとにサイトを切り分けて展開していく予定だったのです。実際、一昨年の6月には「ラクスル 店舗用品・包装資材」という名前で一部サービスをリリースしていました。
━━そこからなぜ「総合モール」へと舵を切ったのでしょうか。
高須:データが答えを教えてくれました。当初はチラシをよく使う「店舗」のお客様をターゲットに絞っていたのですが、実際にリリースしてみると、店舗以外のお客様も大量に利用してくださっていたのです。
お客様は「自分たちの業種に特化したサイト」を求めているのではなく、汎用的に使われる消耗品・備品を「信頼できるサイトで、間口を広く、自由に選びたい」と考えていることがわかりました。そこで、あえて間口を狭めることをやめ、あらゆる期待に応えられる「ビジネスモール」という形へ一気に方向転換して今回のリリースに至りました。
BtoB ECは「価値に真っ直ぐ」。3年で1,500万点を目指す未来
━━高須さんはラクスルに入社する以前、BtoCのECも担当されていたそうですが、BtoB ECを運営する上で大切だと考えていることは何でしょうか。
高須:BtoBは、BtoCに比べてトレンドや「バズり」に左右されにくい。その分、提供する「価値」に対して非常に真っ直ぐな世界だと感じています。価格、納期、品揃え、そして迷わせないUI。これら基本的かつ本質的な要素をどれだけ愚直にやりきれるか。ここにフォーカスすることが、何より重要です。
━━今後の展望について教えてください。
高須:品揃えに関しては、3年で1,500万点まで増やしていく計画です。現在の60万点から20倍以上の規模になりますが、ラクスルに行けばビジネスに必要なものは何でも揃い、発注が楽になる、という世界を実現するためには欠かせないステップです。
━━機能面でのアップデートも予定されていますか。
高須:はい。型番検索の強化はもちろん、今後は「口コミ・レビュー機能」の開発も進めています。法人の購買担当者が、他の利用者の声を参考に安心して買える体制を整えていきたいと考えています。
━━最後に、後発として挑むBtoB EC市場への意気込みをお願いします。
高須:正直に申し上げて、この領域は既に強力なプレイヤーがひしめくレッドオーシャンです。しかし、ECが当たり前になった今だからこそ、過去の慣習に縛られず、データを見ていつでもピボットできる私たちの身軽さが強みになると確信しています。変化を恐れず、お客様が本当に「楽になった」と実感できるプラットフォームへと、ラクスルビジネスモールを育てていきたいです。
