「樹脂だからこそできる体験を」ARAS誕生の背景
菊地(マクアケ) 最初にARAS立ち上げの経緯やブランドに込められた想い、そして水上さんご自身の経歴についてもお聞かせいただけますか?
水上(ARAS) 「食体験をもっと気軽に、豊かに、楽しく」という想いを込めて、樹脂製品メーカーである「石川樹脂工業」が、自社D2Cブランドとして立ち上げたのが「ARAS」です。落としても割れない樹脂の扱いやすさと、これまでにない美しいデザインを両立させ、日常の食卓を豊かにしたいという考えが起点になっています。
元々、私たちは樹脂メーカーとして「Plakira(プラキラ)」というレストラン・ホテルなどのtoB向けの食器をはじめとしたタンブラーブランドなどを手掛けていました。その中で、樹脂だからこそできる、食体験を拡張させるような提案がもっとあるはずだと感じていたんです。

菊地(マクアケ) 当時はまだ「樹脂=安価」といったイメージも一部にはありましたよね。
水上(ARAS) はい。しかし樹脂はリサイクルしやすく、表現の幅も広い新しい素材です。なにより樹脂は「割れにくい」というのも大きな特性です。お客様にもっと気軽に食器を楽しんでほしいという想いがブランドの立ち上げに繋がりました。
菊地(マクアケ) お子さんがいる家庭でも、大人と同じデザインの食器を安心して使えるのは素晴らしい体験ですよね。それがきっかけで食卓の会話が生まれる点も含め、コンセプトが本当に素敵だと改めて感じます。
そんなARASの立ち上げと同時に、2020年に入社された水上さんのご経歴もユニークです。
水上(ARAS) 私は大学3年生の夏から、石川樹脂工業でインターンとして働いていました。当時はまだARASはなく、PlakiraブランドのSNS活用などマーケティングに携わっていました。約1年半のインターンを経て、2020年に入社したのですが、ARASのブランドデビューもまさに同年。ARASと共に社会人として歩んできた形です。
菊地(マクアケ) Makuakeのプロジェクトで1,500万円もの応援購入を集められた際の反響はいかがでしたか?
水上(ARAS) 正直、開始前は「良い反応をいただけるだろうか」と、すごく不安な状況でした。ですが、始まってみると想像以上の支援をいただき、大きな自信になりました。お届けしたサポーターの皆様から「こういう器を待っていました」「本当に使いやすいです」といった温かいコメントをたくさんいただけたのが嬉しかったです。
今でも「Makuakeの時から使っていますよ」と声をかけていただくことがあり、ブランドの原点として非常にありがたい経験だったと感じています。
菊地(マクアケ) ARASのプロジェクトページは、いつ見ても「欲しくなる」お手本のようなページです。構成が本当によくできていると感じますが、これはどのように作られたのですか?
水上(ARAS) ありがとうございます。ARASは社内メンバーだけでなく、ものづくりを行うクリエイター集団の「secca」やブランドディレクター、フリーランスのグラフィックデザイナーなどが集まった「ワンチーム」で運営しています。外部の方というより、ブランドの立ち上げから日々ディスカッションを重ねてきました。
プロジェクトページ制作時も「みんなで一緒に成長していく」というマインドを非常に大事にしました。だからこそ言葉や世界観に一貫性が生まれ、Makuakeのページもチーム全員でブラッシュアップしながら、納得のいくものを作り上げることができました。