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“届ける”をハック EC物流の今を追う

「Tabio」「靴下屋」の“縁の下の力持ち” 物流部門に聞いた、確実に届ける難しさと現場の想い

 「Tabio」「靴下屋」などの靴下ブランドで知られるタビオ株式会社。その商品を世界中に届けているのが、物流部門を担うタビオ奈良株式会社だ。物流は、一見すると目立たない存在かもしれない。しかし、どんなに良い商品も顧客の元に届かなければ、その価値は伝わらないだろう。そこで今回は、長年物流に携わってきたタビオ奈良の畑岡華世氏と丸川善子氏に、丁寧に商品を届けるための取り組みや想いを聞いた。

地域に根ざした物流ネットワーク タビオブランドを支える現場力

──まずは、お二人の自己紹介と、タビオの物流部門であるタビオ奈良の役割について教えてください。

畑岡 私は、タビオ奈良に勤めて21年目になります。現在は、物流全体のマネジメントを担当しています。

 入社して初めて、靴下がこんなにも大切に扱われていることを知りました。毎日何気なく履く靴下ですが、多くの人の手で丁寧に仕立てられている。その想いに触れてからは、物流の仕事も単なる運搬ではなく、“想いをつなぐ役割”だと考えるようになりました。

 私たちが取り扱う商品は、当社グループの“顔”です。その商品を一足一足大切に、確実にお客様の元へ届ける──その使命に、大きなやりがいを感じています。

タビオ奈良株式会社 マネージャー 畑岡華世氏
タビオ奈良株式会社 マネージャー 畑岡華世氏

丸川 私も入社して19年目と、長くタビオの物流領域を担当してきました。その中でも、私は海外事業と通販事業の物流を担っています。私たちは、お客様と直接顔を合わせる機会はありませんが、目の前にお客様がいるという想いで商品を取り扱い、業務にあたっています。

畑岡 タビオ奈良の大きな強みは、物流部門に加えて、検査・研究部門を別棟で有している点です。工場から納品された商品は、まずこの部門でタビオ独自の厳格な基準に基づく検査を受けます。生地のほつれや縫製の状態だけでなく、洗濯機で繰り返し洗っても縮まないかといった耐久性まで確認されます。こうした検査をクリアした商品だけが、物流部門を通じて確実に顧客へ届けられます。

──物流の拠点が、タビオ本社のある大阪ではなく奈良にあるのはなぜですか。

畑岡 当社の周辺には、ニッター様と呼ばれる協力工場が数十社存在しています。すぐに連携できる距離に工場があることで、品質管理や生産調整が迅速に行える体制です。

 足りない商品をすぐに補充できる体制を整えるため、本社が企画開発などを担う一方で、物流部門はニッター様と密接に関われる奈良に拠点を構えられました。毎日ニッター様が直接納品に来てくださり、フレンドリーな関係が築けています。

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梱包やタグの表示など国別の細かい違い 手作業で対応する理由とは

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この記事の著者

ECzine編集部 藤井有生(フジイユウキ)

1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。現在はウェブマガジン「ECzine」で編集を担当している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/17236 2025/10/27 07:00

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