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【リアル×オンラインのハイブリッド開催】ECzine Day 2025 October (2025.10.9)

“届ける”をハック EC物流の今を追う

「Tabio」「靴下屋」の“縁の下の力持ち” 物流部門に聞いた、確実に届ける難しさと現場の想い

“多能工化”による効率化の取り組みとは 限られたリソースで成果を追求

──手間がかかる作業が多い一方で、物流は「コストセンター」と位置付けられることもあります。このような状況をどう捉えていますか。

畑岡 人件費はもちろん、今はガムテープや段ボールなどの資材費も年々値上がりしている状況です。その中で、当社はまず、少ない人数でいかに効率よく回すかを考えます。

 2024年から、従業員が複数の業務をこなせるよう育てる“多能工化”を推進しています。これによって作業の属人化を防ぎ、各従業員が様々な部署を兼務できるようにしました。結果的に、繁忙期にもリソースを適切に配分できるようになっています。

──限られたリソースの中で丁寧に、そして確実に商品を届けることは、容易ではありません。お二人は何を大切にされているのでしょうか。

畑岡 私たちEC経由であれば、基本的には昼の12時までの注文は、当日中に発送しています。物流部門としては、1足でも1件でも多く出荷したいのです。

 私たちが目指しているのは、単に商品を届けることではなく“信頼を届けること”です。お客様と直接コミュニケーションをとる機会はありませんが、創業者(越智直正氏)が掲げていた「お客様の欲しいときに欲しいものを届ける」という想いを大切に、お客様の意図を汲んだ本社からの要望はできる限り応えていきたいと思っています。

 また、商品を丁寧に作ってくださるニッター様も大切にしたい。私たち物流部門は、ニッター様とお客様、そして本社をつなぐ最後の砦です。隣で働く仲間も含め、みんなが気持ちよく働ける環境を整えることが、結果としてお客様への信頼につながると思っています。

丸川 物流部門は、本当に縁の下の力持ちだと思っています。それでも存在価値を実感できるのは、本社から「物流部門がこれだけ頑張ってくれたから、これだけ売上につながった」といってもらえたときです。そういう瞬間があると、「この仕事をしていて良かった」と心から思います。

 ただ、今はまだマンパワーに頼っている部分が大きいので、現場の負荷をもう少し軽減したいと考えています。実際に働いている従業員から「もっとこうだったら良いのに」というリクエストが上がってきています。それらを参考に、自動化できるところなどを見つけ、業務改善を続けていきたいです。

畑岡 EC経由では、2025年7月より配送業者の変更があり、納品書レスを実現する新しいオペレーションを構築しました。ほかにも、日々課題を洗い出し、見直しを繰り返しています。

 今後も大きな変化を一度に起こすのは容易ではありませんが、働く人が安心して業務に専念できる環境づくりを続けていきます。効率化と品質確保を両立させながら、お客様に信頼という付加価値を届けることを目指し、日々改善を重ねていきたいです。

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この記事の著者

ECzine編集部 藤井有生(フジイユウキ)

1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。現在はウェブマガジン「ECzine」で編集を担当している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/17236 2025/10/27 07:00

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