「航空便」活用で注意すべき点 事前の情報把握が重要に
──この新モーダルシフトともいえる配送方法を利用するために、運用上で必要な工夫はありますか。
梶井 旅客機で輸送できない商品を把握して、システム上に情報登録・管理していく必要があります。航空危険物と判断される一部の化粧品類、香水、バッテリーなどは、航空便では運べない商品として把握しておかなければなりません。また、大型サイズの商品の発送は、旅客機の貨物室という限られたスペースに対してコストメリットが出づらいため、ロジレスや倉庫と積み合わせに関して試行錯誤を繰り返しています。
航空危険物の管理において特に気をつけているのが、商品名で内容が判断できないケースです。当社が取り扱うものだと、キャラクターなどの愛称や作品に登場するアイテムの名前がそのまま商品名になる場合があります。作品を知らない人からすると、現物を見るまで商品の中身がわかりません。そのため、クライアントからの事前情報の取得や、倉庫側・社内での情報共有には気を配っています。
──航空便ならではのポイントを押さえて活用することで、より良い物流体制を築けるのですね。これから、航空便によって届けられる範囲が広がるのではないかと思います。最後に、お二人は事業を通じてどんな価値を届けていきたいと考えていらっしゃいますか。
梶田 今後は海外展開にも力を入れていきたいです。日本発のエンタメは世界中で高い評価を得ており、十分に通用する競争力があります。だからこそ、海外の市場にしっかり届けられる仕組みを構築し、日本のクリエイターやエンタメ事業者に還元できる体制を作っていきたいです。
梶井 具体的には、日本のエンタメを海外の方にもっとシームレスに届けたいと考えています。注文してから何週間も待つのではなく、来週には手元に届く。しかも、日本ならではのサービスクオリティで。これができてはじめて、日本のエンタメの感動を味わっていただけるのではないでしょうか。世界のどこにいてもワクワクできる体験を、届けていきたいです。
