日本の動画は“日常感”が独特? 見えた市場の特徴
──まずはお二人の自己紹介をお願いします。
Jerry 私は「Firework」の共同創業者の一人です。米国・シリコンバレーに本社を置くLoop Now Technologies, Incから、2018年に立ち上げました。
Fireworkは、私にとって2番目のキャリアです。以前はビジネスに特化したSNSを提供する「LinkedIn」の運営メンバーでした。iPhoneがリリースされた時期、私はLinkedInのモバイルアプリを開発しました。一つのアプリを通じて、世界中の人々とつながれる。その衝撃を今でも覚えています。

田島 私は2022年10月にFirework Japanに入社しました。現在はカントリーマネージャーとして、日本市場における営業全体を統括しています。これまで、国内外の広告代理店を経験し、その後Amazonに約12年在籍していました。12年目に改めてキャリアパスを検討した際、出会ったのがFireworkです。「目の前にあるプロダクトを拡大するのではなく、新しいものを作ろう」と誘われ、チャレンジを決めました。
Jerry 動画はSNSとの相性が非常に良いです。一方で、私がFireworkを立ち上げた当時はSNSの外、たとえば自社ECサイトなどで動画が使われるケースは、あまりありませんでした。しかし、私は動画の力を信じています。SNSとSNS外での動画活用のギャップを埋めていきたいです。
──2021年4月に本格的な日本進出を果たしました。日本市場をどのように見ていますか。
Jerry 日本市場は非常にユニークです。まず、モバイルユーザーがとても多い。また、ビジュアルを重視する文化がある。つまり、動画との相性は良いといえます。
日本と米国では、特徴が大きく異なります。日本人は特に信頼性を求める印象です。そのため、動画によってストーリーをどう伝えるかがポイントとなります。
米国の場合は、SNSのみならず、自社ECサイトなどにも人気なインフルエンサーを起用する傾向があります。一方の日本では、自社チャネルには日常の雰囲気が伝わるコンテンツが採用されるケースが多いです。
たとえば、資生堂が例として挙げられます。自社のSNSアカウントのライブ配信に美容部員が登場し、商品の使い方などを発信しています。そのほうが、顧客との信頼関係を構築できるからでしょう。