UGC創出には○○が効く 顧客に自発的な投稿を促す方法
ユミルリンクの調査ではUGCの重要性も見えてきた。「どのような人による投稿が購入のきっかけとなったか」という質問に、49.6%の人が口コミなど「一般の方の投稿」と回答している。これに対して、五月女氏は「『インフルエンサーのオススメ』と回答する人が最も多いと予想していたため、意外な結果だった」と感想を述べた。

ここで坂本氏が指摘したのが、「一般の方」の中にフォロワー数の規模が小さいインフルエンサーも含まれている可能性だ。
「インフルエンサーと一言でいっても、現在は細分化されています。SNSアカウントのフォロワー数が1万人前後の『マイクロインフルエンサー』を、『一般の方』と捉えている人は少なくないでしょう。
私の経験上、トップインフルエンサーに商品のレビューを発信してもらったからといって、必ずしも成果が出るわけではありません。複数のマイクロインフルエンサーに細かく投稿を依頼し、集客や購買につながった事例も多いです。インフルエンサーのフォロワー規模によって、必要な報酬には大きな差があります。費用対効果の面でどちらが適しているのか見極める視点は必要です」(坂本氏)

一般の消費者やインフルエンサーによるUGCは、顧客の購買意欲を刺激する点がメリットだが、投稿数や内容など企業側でのコントロールが難しい側面もある。そこで坂本氏は、UGC創出の具体的なコツを次のように説明した。
「いわゆる『一般の方』に自発的な情報発信を促すには、地道な施策が効果的です。たとえば、届いた段ボールを開封して最初に目につくところに、SNSでの投稿をお願いするメッセージカードやチラシを入れるのも一つの手でしょう」(坂本氏)
また、SNSがこうした情報の拡散に効果を発揮する一方で、メルマガは直接的な購買につながるケースが多いことも、同調査の結果から明らかになった。クーポンなどの特典とともに配信すれば、顧客に購入のきっかけを与えられるからだという。
このように購買促進に効果的なメルマガの配信は、企業にとって取り組みやすい施策といえるだろう。それにもかかわらず「十分な工数を割いて取り組んでいる企業は少ない」と五月女氏は話す。
「メルマガでお客様が求める情報を提供する。過去の購入履歴や閲覧履歴を参照しながら、レコメンドやかご落ちメールを地道に配信する。これらを継続できるかどうかで、売上に大きな差が生まれます」(五月女氏)