SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

最新イベントはこちら!

【ハイブリッド開催】ECzine Day 2025 Winter

2025年2月4日(火)13:00~18:45

ECzine Day 2025 Winter レポート(AD)

メルマガ×SNSで描くLTV向上の道筋 調査で見えた情報発信の注意点とUGC創出のコツを解説

 メルマガを、顧客との重要なコミュニケーションツールと捉えている企業は多いだろう。しかし、情報発信しているものの集客や購買につながらず、解決策を模索しているケースも少なくない。そうした企業を支援しているのがユミルリンク株式会社だ。2025年2月4日開催の「ECzine Day 2025 Winter」で同社のマーケティング本部 五月女翔氏が、書籍『Instagramでビジネスを変える最強の思考法』(技術評論社)の著者・株式会社ROC 代表取締役 坂本翔氏とともに講演。メルマガとSNSの使い分け方やそれぞれを活用した認知拡大・販促のコツを解説した。

見落としがちなSNS→メルマガへの誘導 効果的な使い分け方とは

 メール配信システム「Cuenote FC」やショートメッセージ配信サービス「Cuenote SMS」などを提供するユミルリンク。同社のサービスを通じたメルマガの月間配信数は、2025年2月時点で81億通にのぼる。業種や事業規模を問わず、多様な企業・組織の顧客コミュニケーションを支援してきた。

 同社が得意領域とするメルマガ配信とともに、コミュニケーションツールの一つとして広く活用されているのがSNSだ。五月女氏はセッション冒頭で「メルマガとSNSは使い分けが重要」と話し、チャネル別の役割をマーケティングファネルを用いて紹介した。

ユミルリンク株式会社 マーケティング本部 五月女翔氏
ユミルリンク株式会社 マーケティング本部 五月女翔氏

「『認知』『比較・検討』フェーズでは、InstagramをはじめとするSNSを通じた情報発信が有効です。一方、メルマガは特に『継続』フェーズで効果を発揮します。そして、その先の『紹介・拡散』フェーズで、再びSNSが重要な役割を果たします。今度はお客様がSNSを活用して商品の情報を広めてくれるからです。つまり、メルマガとSNSの特徴を理解し、組み合わせてマーケティングに活用する必要があります」(五月女氏)

クリックすると拡大します

 加えてポイントとなるのが、「どのチャネルで何を発信するか」だ。企業・ブランド、店舗などのメルマガ登録や、SNSアカウントをフォローしている20歳以上の男女約1,300名に対してユミルリンクが実施した調査によると、顧客が情報の収集元を使い分けている様子がうかがえた。

「特に注目すべきなのが、メルマガの登録理由です。クーポンやお得情報などを受け取りたいと考えるお客様が多いとわかりました。メルマガの登録には、メールアドレスなど個人情報を入力しなければなりません。それに見合ったメリットを感じられなければ、お客様は登録に至らないのです」(五月女氏)

クリックすると拡大します

 次にSNSアカウントのフォロー理由では、回答にばらつきが見られた。五月女氏は「Instagram、X、LINEなどSNSの種類によって求められる情報が異なるからではないか」と分析。また、企業のSNS運用支援に携わってきた坂本氏は次のように注意点を補足した。

「そもそもオーガニック投稿は、ブランドに興味・関心をもっているお客様がSNSアカウントをフォローした上で閲覧します。まずはフォローの前段階にいるお客様に広告などでアプローチしなければなりません。さらに、SNSを通じて“入口商品”に誘導するのが肝心です。意外にも、このカスタマージャーニーの流れを見落としている企業は多く存在します。改めて自社の入口商品とは何か、どのような流れでお客様が情報にたどり着いているのか、既存の仕組みを見直してみてください」(坂本氏)

UGC創出には○○が効く 顧客に自発的な投稿を促す方法

 ユミルリンクの調査ではUGCの重要性も見えてきた。「どのような人による投稿が購入のきっかけとなったか」という質問に、49.6%の人が口コミなど「一般の方の投稿」と回答している。これに対して、五月女氏は「『インフルエンサーのオススメ』と回答する人が最も多いと予想していたため、意外な結果だった」と感想を述べた。

クリックすると拡大します

 ここで坂本氏が指摘したのが、「一般の方」の中にフォロワー数の規模が小さいインフルエンサーも含まれている可能性だ。

「インフルエンサーと一言でいっても、現在は細分化されています。SNSアカウントのフォロワー数が1万人前後の『マイクロインフルエンサー』を、『一般の方』と捉えている人は少なくないでしょう。

 私の経験上、トップインフルエンサーに商品のレビューを発信してもらったからといって、必ずしも成果が出るわけではありません。複数のマイクロインフルエンサーに細かく投稿を依頼し、集客や購買につながった事例も多いです。インフルエンサーのフォロワー規模によって、必要な報酬には大きな差があります。費用対効果の面でどちらが適しているのか見極める視点は必要です」(坂本氏)

株式会社ROC 代表取締役 坂本翔氏
株式会社ROC 代表取締役 坂本翔氏

 一般の消費者やインフルエンサーによるUGCは、顧客の購買意欲を刺激する点がメリットだが、投稿数や内容など企業側でのコントロールが難しい側面もある。そこで坂本氏は、UGC創出の具体的なコツを次のように説明した。

「いわゆる『一般の方』に自発的な情報発信を促すには、地道な施策が効果的です。たとえば、届いた段ボールを開封して最初に目につくところに、SNSでの投稿をお願いするメッセージカードやチラシを入れるのも一つの手でしょう」(坂本氏)

 また、SNSがこうした情報の拡散に効果を発揮する一方で、メルマガは直接的な購買につながるケースが多いことも、同調査の結果から明らかになった。クーポンなどの特典とともに配信すれば、顧客に購入のきっかけを与えられるからだという。

 このように購買促進に効果的なメルマガの配信は、企業にとって取り組みやすい施策といえるだろう。それにもかかわらず「十分な工数を割いて取り組んでいる企業は少ない」と五月女氏は話す。

「メルマガでお客様が求める情報を提供する。過去の購入履歴や閲覧履歴を参照しながら、レコメンドやかご落ちメールを地道に配信する。これらを継続できるかどうかで、売上に大きな差が生まれます」(五月女氏)

マイナスイメージを与える可能性も 情報発信の落とし穴

 続いて五月女氏と坂本氏は、具体的な配信および投稿内容に話を進めた。

 ユミルリンクは、同調査で「どのような時にメルマガ・SNSでマイナスな印象を受けるか」についても質問している。その結果「投稿頻度が多い」が36.0%、「投稿がおもしろくない」が37.7%で上位となった。

クリックすると拡大します

 メルマガで自分が求めていない情報ばかりが大量に配信され、煩わしく感じた経験がある人は多いだろう。また、SNSのフィードに毎日同じような投稿だけが流れると、顧客が新鮮味を感じず興味を失うと予測できる。

「たとえば、ショート動画は長さやテンポ感が丁度良くなければ『つまらない』と判断される可能性があります。投稿の質を上げるには、フォロワーがどの程度反応しているのかなど、データによる分析が不可欠です。そのフローをないがしろにすると、マイナスイメージを自ら与えることになりかねません」(坂本氏)

 では、顧客に満足してもらえる、かつUGC創出を促すコミュニケーションとはどのようなものなのか。五月女氏と坂本氏が調査結果を基に考察した。

 同調査では、企業が開催するSNSの「投稿企画」に40%以上もの顧客が参加しているとわかっている。その理由として多く挙げられていたのが「参加者特典があったから」だ。つまり、魅力的な特典を用意するのが有効だと考えられる。

クリックすると拡大します
クリックすると拡大します

「UGCをゼロから生み出すには、やはりキャンペーンなどの企画が必要です。数十投稿でもUGCが集まれば、日々の投稿や同梱チラシで周知していきます。すると、他のお客様がレビューなどを投稿するハードルが下がり、自然とUGCが生まれやすくなるでしょう。

 投稿の代わりにお客様に特典を付与する場合は、自社商品やサービスの体験などをプレゼントします。たとえば、私が支援している食品メーカーは、SNS上で応募した人に自社のチーズを贈るキャンペーン企画を実施しました。自社商品を訴求できる上に、チーズが嫌いな人は応募しないため、今後も購入してくれる可能性が高いお客様が集まりやすいです」(坂本氏)

「単に物が欲しい人ではなく、自社商品に興味を示している人にアプローチする企画作りが重要だといえます」(五月女氏)

 ここまで五月女氏と坂本氏が解説してきたように、メルマガとSNSで集客や購買を実現するには、各チャネルの特性を生かした施策が必要となる。発信内容や企画を磨き込めば、リピート購入するファンの創出にもつながるだろう。五月女氏は最後に改めてこうしたコミュニケーションの重要性を強調し、セッションを終えた。

「メルマガとSNSは、掛け合わせることでLTV向上に大きく貢献します。地道な作業ですが、PDCAを回していけばEC売上の向上が期待できるでしょう。まだ、SNSを活用した新規顧客へのアプローチやかご落ちメールといったフォローアップ施策を行っていない場合は、ぜひ挑戦してみてください」(五月女氏)

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note

提供:ユミルリンク株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/16305 2025/03/06 11:00

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2025年2月4日(火)13:00~18:45

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング