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【ハイブリッド開催】ECzine Day 2025 Winter

2025年2月4日(火)13:00~18:45

日本の「買物」はどう変わる?~トレンドから読み解く今までとこれから~

家族の共用品が減っている? 直近10年の個人消費トレンドから効果的な四つのヒントを博報堂買物研が提案

「買物が息抜き」な人々の家族構成・働き方は?

飯島(博報堂買物研究所) ちなみに、生活者意識に目を向けるとどのようなことがいえそうですか?

岩崎(QO) 二人以上の世帯で自分用の買物が一般化している様子は、アンケート調査の結果からも見えてきています。これから紹介するアンケートでは、小さいお子様がいたり、まだ子どもが独立していなかったりする世帯を想定して、30~59歳の男女かつ同居者がいる人=二人以上世帯を対象とし、より深く買物状況を紐解きました。

 すると、対象者の中で家族と共有できるものを、“あえて”自分のために買う人が76%いるという結果が出ました。こうした自分のための買物を日常的にする人は、多く存在しているといえそうです。

 この割合は世帯年収による違いはさほどなく、世帯形態に目を向けると、自分時間が最も少ないと考えられる「子ありの共働き世帯」が最も高い結果となりました。忙しいのに、あえて自分用の買物をする──彼らにとって、買物は息抜きの役割を果たしているのかもしれません。実際、次の図を見ると「あえての自分用の買物経験あり」の人のほうが、していない人よりも普段の買物における満足度が高くなっています。

図2:博報堂買物研究所&QO株式会社「家族のなかのひとり買い調査」より作成
図2:博報堂買物研究所&QO株式会社「家族のなかのひとり買い調査」より作成

飯島(博報堂買物研究所) この結果から、こうした人々の自分のための買物は、「家族がいるのに自分用のものを買ってしまう」といった後ろ向きなものではなく、家族のための買物も含む、普段の買物の満足度自体を上げてくれるポジティブな存在として捉えられそうです。

「自分向けの買物」はリアル・ECどちらと相性が良いのか

飯島(博報堂買物研究所) では次は、EC通販における「自分のための買物」の状況を見ていきましょう。

岩崎(QO) 生活者に、あえて自分だけのために買っているものをどこで購入しているのか聞いたところ、リアル店舗と回答した人は約8割、EC通販と回答した人は約3割という結果でした(複数回答あり)。今のところ、ひとり買いはリアルチャネルを中心に起きているようです。

図3:博報堂買物研究所&QO株式会社「家族のなかのひとり買い調査」より作成
図3:博報堂買物研究所&QO株式会社「家族のなかのひとり買い調査」より作成(※クリックすると拡大します)

 ちなみに、自分用の買物に最も使われているチャネルはドラッグストアとなっていますが、あえて自分用に買物している生活者に何を購入しているのか聞くと、実際に「化粧水・乳液」「洗顔料・メイク落とし」「シャンプー・リンス・コンディショナー」「ビタミン剤・エナジードリンク」など、ドラッグストアで多く購入されている消費財が上位に入りました。

飯島(博報堂買物研究所) リアル店舗のほうが自分用の買物をする場所として選ばれやすい理由は、非計画購買との相性の良さもありそうですね。

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10年で150%成長 自分用購入と相性の良い商材三つを紹介

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この記事の著者

博報堂 買物研究所 飯島拓海(イイジマ タクミ)

市場調査会社を経て、2022年博報堂入社。 EC生活者、パーパス買い、リテールメディア、値上げと節約など幅広いテーマの調査研究および、ショッパーマーケティング領域のソリューション開発を担う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

QO株式会社 マーケティングプランニング本部リサーチプランニングU リサーチプランナー 岩崎快(イワサキ カイ)

2014年にQO株式会社に入社し、2015年よりリサーチャー職として従事。広告代理店とともに、多岐にわたる業界・企業のリサーチやマーケティング活動を支援。2022年~2024年には博報堂買物研究所に常駐し、リサーチやプランニング活動のサポートを行う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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