小手先のノウハウよりも「日々の習慣」が勝敗を左右する
7. まずは、自分の頭で考える習慣をつける
オンラインショップ再生コンサルタントとして仕事をしていると、「この商品、売れると思いますか?」とよく聞かれます。この質問をする方は何を考えているのか分析したところ、大きく2パターンに分けられると感じました。
- 自分なりに売り方を考えたうえで質問している(仮説とのすり合わせをしたい)
- とりあえず聞いてみて、その通りにやればいいと思っている(自分で分析や検討はしていない)
前者であれば問題ありませんが、後者のスタイルを続けると売上はすぐに伸び悩んでしまいます。そのため、まずは自分の目で売り場を見て、仮説を立てる癖をつけましょう。
もちろん、様々なオンラインショップを見てきた中で私なりの見解はあります。しかし、商品を売るのも施策を打つのも私ではなくみなさん自身です。自分の頭で考え、試行錯誤する習慣をつけないと、ずっとコンサルタントをつけなければならないですし、自分の中でアイデアが枯渇したり、うまくいかなかった際に他人のせいにしたりする癖が付いてしまいます。
また、人は自分の腑に落ちたことでなければ、なかなか行動に移せない生き物です。自分の考えを最も理解しているのは自分なので、コンサルティングを依頼する場合も自分の知見をアップデートする付き合い方ができると良いでしょう。仮説の立て方がわからない場合は、第4回の「マーケティング&分析を行う10のコツ」を参考にしてみてください。
8. 時間とお金の管理をしてから、マーケティングやブランディングをする
オンラインショップやブランドそのものを成長させるには、マーケティングやブランディングが必要不可欠です。しかし、それ以前にもっと大切で、絶対に怠ってはならないことがあるのはご存じでしょうか?
それは、「お金と時間の管理」です。私はこの二つが安定しないままでは、どんな理論を試してもうまくいかないと考えています。
物販ビジネスを手がける場合、先に商品を生産・調達しなければならないため、お金の管理をしっかりしなければ資金がショートしてしまいます。そうすると、ビジネスは続けられません。同時に、スケジュール管理をしっかりしなければ自分のキャパシティーをオーバーして、お客様と約束したお届け日に間に合わせられなかったり、予定していた施策ができなくなったりと、運営自体が破綻してしまいます。
お金と時間の管理は、本当は運営を始める初期段階で教えるべきですが、ここまで伝えるコンサルタントはあまりいないように思います。アクセル全開で走りだす前に、ぜひこの二つを見える化して円滑に管理できる体制を整えましょう。
9. 奇をてらった施策ではなく、「基本」を何度も繰り返す
インターネット上には、バズって売れた成功事例やユニークな戦略・施策がたくさんシェアされています。こうした輝かしい功績を見ると、つい心引かれるかもしれませんが、特に運営初期は奇をてらった施策ではなく「基本」をしっかりと押さえ、それらを繰り返していくことを忘れないようにしてください。
当連載でもこまめに伝えてきましたが、オンラインショップの基本は「アクセス数」「購入率」「客単価」をそれぞれ上げていくことです。この掛け合わせで売上はアップします。第1回、第2回、第3回のコツを踏まえ、これらの数字の変化を常に観察しながら土台の構築を進めましょう。基本をおろそかにすると、オンラインショップは長続きしません。
10. 絶対に途中でやめない
オンラインショップを軌道に乗せる最大のポイントは、「絶対にやめない」ことです。「成功するまで続ける」と言い換えても良いでしょう。
オンラインショップ運営は、想像以上に大変です。予期せぬことが起きて、対処しながら前に進んでいく。この連続です。そんな中でも諦めずに正しい努力をし続けたオンラインショップが、たとえ遅咲きでも繁栄店となっていきます。
時には「一休みしたい」と思うこともあるでしょう。しかし、一度中断するとこれまで出会ってきたお客様との縁も途切れてしまいますし、再開するのにものすごいエネルギーが必要になります。
人間であれば、常にフルパワーで駆け抜けるのは限界があります。ですから、歩みがゆっくりになる時期があっても問題ありません。それでも、絶対にやめることはなく続けていきましょう。
連載のまとめ
「オンラインショップを伸ばす魔法の法則100選」として、毎回10個のコツをお伝えしてきた当連載、執筆しているうちに伝えたい要素が増え、番外編も含めて全12回、120個のコツをご紹介しました。オンラインショップを始める幅広い層の方に読んでいただけるよう、なるべく普遍的かつ基本的な法則に落とし込んでみたのですが、いかがだったでしょうか?
これからオンラインショップを運営する方、今ちょっと行き詰まっている方など、少しでも多くの方にヒントを与えられるような連載になっていれば幸いです! これからも頑張っていきましょう!