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長野県「デリシア」のネットスーパーが会員数1万人超えのワケ 地元民から愛される秘訣に迫る

 50年以上にわたって、長野県でスーパーマーケットを展開してきた「デリシア」。多数の実店舗を運営する一方で、ネットスーパーの会員数を増やしている。少子高齢化や人口減少が進む中、どのようにファンを創出しているのか。株式会社デリシア デリバリー・FS事業部 ネットスーパー事業課 担当課長 宮下竜矢氏に、競争を勝ち抜くためのヒントを聞いた。

10年続いたネットスーパーをリニューアルした理由

 デリシアは1968年の創業以来、スーパーマーケット事業を軸に長野県民の生活を支えてきた。2024年6月時点で、県内にスーパーマーケット「デリシア」を計60店舗展開している。全国展開する大手小売店も複数存在する一方で、同社は“地域密着型”の店舗作りを重視。地元の消費者の支持を集めている。

「当社の特徴は、1店舗あたりで設定している商圏が狭い点です。各店舗3~5Km圏内に在住するお客様をターゲットとしています。1店舗の面積は小さく、お客様が店内を回遊しやすい作りです。大規模な総合型スーパーと比較すると、すぐに足を運べて小回りが利く“手の届きやすさ”が強みといえます」

株式会社デリシア デリバリー・FS事業部 ネットスーパー事業課 担当課長 宮下竜矢氏
株式会社デリシア デリバリー・FS事業部 ネットスーパー事業課 担当課長 宮下竜矢氏

 買い物の利便性を向上させるため、同社は宅配事業にも取り組んできた。1984年には、物流拠点から商品を配達するセンター出荷型のホームショッピングサービスを開始。2012年には、実店舗で商品を選んで顧客のもとへ届ける店舗出荷型のネットスーパーへ移行した。さらに、2013年には電話スーパー、2019年には移動スーパー「とくし丸」の運行を開始するなど、多様なサービス形態に挑戦している。これらの取り組みのコンセプトは「長野県のどこに住んでいてもデリシアの商品が届く」だ。

「長野県は他県と比較して面積が大きく、過疎地が多いです。実店舗に加えて、宅配事業の展開は避けられません。元々、ホームショッピングサービスでは、カタログなど紙媒体で注文を受けていましたが、インターネットが普及したことで、本格的なネットスーパーの提供を開始しました」

 デリシアのネットスーパーを利用する顧客層は、子育て世代からシニア世代まで多岐にわたる。10年前は電話スーパーの利用者が通販全体の7割を占めていたが、今では8割超がネットスーパーからの注文だという。宮下氏は「80代のお客様もネットスーパーを利用している」と話す。

 こうした需要の高まりを受け、同社は10年以上続いたネットスーパーを2022年に大きくリニューアルした。特に変わった点が、アプリの導入だ。

「リニューアル以前は、ウェブサイト版しか存在しませんでした。今は、シニア世代も含めて、多くのお客様がスマートフォンを利用しています。スマートフォンの画面でも操作しやすくするため、UI/UXの改善と併せて新たにアプリでも利用できる仕組みにしました」

 また、リニューアル前は利用にあたって会員登録が必須だった。現在、アプリはゲストユーザーとしての利用も可能となっている。

わざわざ専用アカウントの作成が必要となれば、離脱するお客様もいます。まずは、最初のハードルを下げたいと考え、会員登録をしなくても利用できる仕組みにしました。結果的に、2024年6月時点のネットスーパーの会員数は1万人を超え、リニューアル前と比較して1.5倍となっています」

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この記事の著者

ECzine編集部 藤井有生(フジイユウキ)

1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。現在はウェブマガジン「ECzine」で編集を担当している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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