オープンから約8ヵ月でEC売上が3倍に
2017年にスタートした動画メディア「McGuffin」。Z世代とミレニアル世代をターゲットに、音楽やファッションなど、サブカルチャーに関連した動画をYouTubeに投稿している。
2024年7月10日時点のチャンネル登録者数は38万人だ。タレントやアーティストとコラボレーションした企画が多く、たとえばケンドーコバヤシ氏が格闘家たちに人気のステーキ屋を訪れる動画は、160万回再生を突破している(2024年7月10日時点)。
「『マクガフィン』とは、映画や小説に登場する小物やキャラクターなど、作品のストーリーが進むために必要な要素を指す言葉です。動画を視聴した人の心を動かせる存在になりたいという想いが、メディア名に込められています。“雑誌の動画版”をイメージしてYouTube チャンネルを運営しており、動画は編集部員が自ら取材し撮影したものです。中には、オカルト関連のテーマを扱うなど、一風変わった動画もあります」
YouTube チャンネルを通してファンを増やしてきたMcGuffinは、2023年10月に公式オンラインショップ「McGuffin STORE」をオープンした。メディア名のロゴが入ったアパレル商品を中心に販売している。売上規模は、オープンから約8ヵ月でYouTube チャンネルから得られる広告収益の半分相当にまで成長。2024年6月の売上はオープン初月の3倍だ。
「McGuffinブラントの確立と新たな収益の柱を作りたかった。それが、EC事業を開始した理由の一つです。動画のゲストや編集部員の知人に、アパレル領域に携わっている人が多く、商品開発の協力が得られる環境だったため、Tシャツとバッグから販売を始めました」
公式オンラインショップのオープンに対して、SNS上では「待っていました」と声が上がったという。InstagramでMcGuffinの公式アカウントをタグ付けし、購入した商品の写真を投稿するファンも少なくない。また、既存ファンに加えて海外からの問い合わせもあり、安藤氏は「新鮮な発見だった」と語る。
「独特なタトゥーをモチーフにしたTシャツなど、珍しい商品を取り扱っているため、海外の人が興味をもってくれたのでしょう。元々、公式オンラインショップは海外発送に対応していませんが、今回の問い合わせを受け、今後は海外展開を見据えたオペレーションを構築する予定です。特にイギリスと韓国からの問い合わせが多いため、YouTube チャンネルの動画には英語と韓国語の字幕を付けています」