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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECzine Day 2024 June レポート

[ユナイテッドアローズ×シップス対談]リリースから2ヵ月で成果が見えた 会員プログラム刷新秘話を大解剖

 顧客との関係構築に有効な会員プログラム施策。近年は、様々なブランドが変化するチャネルや顧客動向を踏まえて、創意工夫を凝らした刷新を進めるケースが増えている。2024年6月6日開催の「ECzine Day 2024 June」では、直近1年以内にリニューアルプロジェクトを実施した2社の取り組みを紹介。株式会社ユナイテッドアローズの池田沙貴子氏、株式会社シップスの三瀬崇弘氏が、リニューアルで苦労したことや顧客との関係の変化について語った。

購入金額ではなく、つながりを可視化するための「UAクラブ」

 「UNITED ARROWS」「BEAUTY&YOUTH」「green label relaxing」など、アパレルのセレクトショップを展開するユナイテッドアローズは、2023年8月に新会員プログラム「UAクラブ」を開始。セレクトショップ「SHIPS」を展開するシップスも、2024年4月に「SHIPS Member's Club」をリニューアルしている。

 池田氏と三瀬氏はまず、それぞれのリニューアルのポイントから説明。池田氏は「『お客様ともっとつながる会員プログラム』が改定のテーマ」とし、「お客様と深くつながることで、持続的な売上成長とLTVの最大化を目指している」と語った。

株式会社ユナイテッドアローズ OMO本部 デジタルマーケティング部 CRM課 課長 池田沙貴子氏
株式会社ユナイテッドアローズ OMO本部 デジタルマーケティング部 CRM課 課長 池田沙貴子氏

 同社はつながりを可視化するため、リニューアルを機に「ポイント」から「マイル」へ制度を変更。アンケート回答やレビュー投稿など、購入以外のアクションにもインセンティブを付与している。

「こうすることで、年間の会員ステージの判定基準が単なる『購入金額』ではなく『どれだけユナイテッドアローズとつながっていただいたか』に変化します」(池田氏)

 また、UAクラブでは旧会員プログラムで実装できていなかった、店舗とECサイトの共通基盤を実装。共通クーポンの発行により、店舗スタッフの手動対応をなくしたほか、キャンペーンや誕生月クーポンをデフォルトの特典として提供できるようになったという。池田氏は「マーケ担当の臨機応変なクーポン発行・管理を可能にするなど、販促面でのOMOが実現できるようにしたのもポイント」と補足する。

アクションとLTVの相関性から評価軸を決めたSHIPS Member's Club

 シップスは今回、2008年に開始した会員プログラムを初めてリニューアル。購入以外のアクションも評価する点はユナイテッドアローズと同様だが、会員ステージの判定基準を生涯購入金額から年間購入金額に変更し、「よりわかりやすい制度に変更した」と語る三瀬氏。ステージ判定後も、確定したステージ以上の条件を満たした場合は翌日以降に新ステージに変更されるなど、迅速な評価反映がなされる点も新たな特徴といえる。

「アンケート回答やショッピングバッグ辞退によるポイント付与など、ユナイテッドアローズさんとの共通点も見られますが、インセンティブ付与の条件はアクションとLTVの相関性を事前に分析した上で設定しています」(三瀬氏)

 シップスは、ポイント還元率にも手を加えている。従来は通常会員3%、上位会員5%とステージごとに還元率が異なっていたが、リニューアルを機に1%に統一。これはクーポン発行による値引き施策の増加やポイント利用者数の減少などを鑑みて、「やみくもに還元するのは合理的ではないと判断した」そうだ。

「還元率を一律1%にした代わりに、付与率を上げるキャンペーンを期間限定で開催することにしました。キャンペーン時には上位ステージのお客様の還元率を上げるなど、施策にメリハリをつけられるようにしています

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この記事の著者

加納由希絵(カノウ ユキエ)

 フリーランスのライター、校正者。地方紙の経済記者、ビジネス系ニュースサイトの記者・編集者を経て独立。主な領域はビジネス系。特に関心があるのは地域ビジネス、まちづくりなど。著書に『奇跡は段ボールの中に ~岐阜・柳ケ瀬で生まれたゆるキャラ「やなな」の物語~』(中部経済新聞社×ZENSHIN)がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/14984 2024/07/11 07:00

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