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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

全方位から顧客のお気に入りに ECに必要なコンテンツ力

なぜ自社商品はリピート購入されないのか 実践でわかった何度も買いたくなるECのコンテンツとは


 ECサイトのテキスト、メルマガ、同梱物……。顧客がブランドのファンになるきっかけは、様々です。本連載では、株式会社土屋鞄製造所をはじめ、長年にわたってEC事業に携わってきた株式会社Piece to Peace/キャリーミー 代表 大澤亮氏が、全方位から顧客の“お気に入り”になるためのコンテンツづくりを解説。第1回は、同氏が実際の経験から学んだ効果的な伝え方を5つ紹介します。

リピート購入にブランディングが不可欠な理由

 私は新卒で三菱商事株式会社に入社後、3年で退職し1999年に起業しました。1つ目の事業として証券会社の比較サイトを制作し米国企業に売却。2つ目の事業でEC業界に足を踏み入れました。中国や台湾から仕入れた高級茶葉を販売するEC事業を開始し、4年後に通期で黒字化。その後、2事業目もサイバーエージェントに売却しています。

 2007年~2009年の間には、ランドセルや革製品のEC販売で急成長した株式会社土屋鞄製造所の取締役 兼 COOを務めました。2年で売上は約2倍に増加。当時は数十名規模だった従業員数は、現在700名以上に拡大しているようです(同社HPより)。

 そして、2016年からは1.5万人の「プロ人材」で法人の課題を解決する「キャリーミー」を自社で手掛けています。業務委託で稼働できる優秀な個人事業主(プロ人材)を法人に紹介し、様々な経営者の目標を具現化するサービスです。

 同サービスで最も問い合わせの多い分野がマーケティングです。中でも、EC関連の相談が後を絶ちません。「eコマース」と一言でいっても、課題は多岐にわたります。「売上を上げたい」という企業がほとんどですが、深掘りすると

  • リピーターを増やしたい
  • 新規顧客を増やしたい。そのためにECモール対策を強化したい
  • これからEC事業を立ち上げたいが何から手を付けて良いかわからない
  • 自社ECサイトでコンテンツマーケティングを実行したいが、ノウハウもリソースもない

などに細分化できます。

 私もEC事業に携わっている時期に、こうした課題に一通り直面してきました。そこで連載初回は、主に「EC創業」「土屋鞄製造所での経験」「現在のEC支援」から、ブランディングに有効な施策を厳選してお伝えします。

 経営においてブランディングが軸となることはいわずもがなですが、eコマースでは特に重要です。EC事業のKSF(重要成功要因)はリピートであり、その最大化に最も貢献し、時には障壁にもなるのがブランディングだからです。

 新規獲得が重要とばかりに広告訴求を優先する企業が多くある一方で、なかなか成功しづらいのが実状です。ほとんどの場合、1人の顧客による1回の購入では、CPAを賄えるだけの粗利を得られません。どのEC事業でも新規獲得には注力しますが、LTV(顧客生涯価値:1人の顧客が生涯の中で自社にもたらす利益)とCPA(顧客獲得単価)が合わず、赤字になるでしょう。つまり、「いかに複数回購入いただくか」が鍵といえます。そのリピートに有効なのがブランディングです。

 特定の店舗やサービスでつい何回も購入してしまう。DMが届くたびに反応してしまう。企業からのDMやメールマガジンが楽しみになる。これが「顧客がその店舗やサービスのファンになっている」状態、つまりブランディング=信頼が構築できている状態です。

 今回は、その実現に不可欠な次の2つの視点について深掘りします。

  • 事業者・経営者が顧客に心の底から伝えたい想い(コンセプト)
  • それを伝える具体的な施策

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この記事の著者

株式会社Piece to Peace/キャリーミー 代表 大澤亮(オオサワ リョウ)

株式会社Piece to Peace 代表取締役 CEO、キャリーミー 代表/著書『プロに外注−売上最大化、リスク最小化の新常識−』(クロスメディア・パブリッシング)5度の事業立ち上げ・2度の事業売却を経験したシリアルアントレプレナー。1996年に新卒で三菱商事株式会社に入社、ODA担当を経て、退職...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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