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2024年3月14日(木)10:00~16:20(予定)

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日本の産業に“応援する”文化を生んだMakuake 売り手と買い手の距離感を変える次の10年

 ものづくりに挑戦する作り手を資金面から応援し、商品を買いたい人とつなぐ「応援購入文化」を根付かせた株式会社マクアケ。今回は、2013年にサイバーエージェント内の新規事業として生まれた同社の代表取締役社長 中山亮太郎氏に取材した。同じく2013年にオープンしたウェブメディア「ECzine」の編集部と意見を交わし、10年を振り返りながら今後のeコマースの可能性を探る。

閉塞感をばねに、駆け抜けた激動の10年

木原(ECzine編集部) 「Makuake」は2013年5月に誕生し、ECzineも同じく2013年の11月に立ち上がりました。お互い10年にわたるEC業界の移り変わりを見てきましたが、Makuakeにとってはどのような10年だったのでしょうか。

中山(Makuake) 思えば、創業から10年のうち約4年はコロナ禍にあり、激動の10年でした。コロナ禍でEC業界が飛躍したことも後押しし、現在は3ヵ月ごとに2,000件前後の新商品や新サービスが誕生しています。2024年には、累積流通額が1,000億円を超える見込みです。

株式会社Makuake 代表取締役社長 中山亮太郎氏
株式会社Makuake 代表取締役社長 中山亮太郎氏

木原(ECzine編集部) Makuakeはサイバーエージェントの新規事業から歴史が始まりましたが、クラウドファンディングに目を付けた理由を教えてください。

中山(Makuake) 国内メディアでもクラウドファンディングが取り上げられるようになったのが、2013年頃だったと思います。当時のサイバーエージェントの経営陣は、「見逃し三振をなくしていく」方針を掲げていました。そこで、「クラウドファンディングもSNSのように大きな可能性を秘めている」と経営陣の時流を捉える直感が働き、子会社設立が決定されました。

 その頃、私は同社の事業でベトナムに赴任していたのですが、以前から新規事業を手掛けたいと訴えていたため、声が掛かるとすぐ日本に帰国しました。

 当時の私は、日本企業のチャレンジに対する姿勢にもどかしさを感じていました。「なぜiPhoneは日本で生まれなかったのだろう。日本にもきっと独創性のあるものづくりをする人は山ほどいるはずなのに」 と考えていたのです。こうした閉塞感をなくしたいと強く思っていました。そんなときに舞い込んできたチャンスでした。

木原(ECzine編集部) チャレンジできる場を作っていくために、新規事業ではまず何にフォーカスしたのですか。

中山(Makuake) フォーカスしたのは、日本国内の“優れたものやサービスを作れる人”です。そのため、私が最初に営業をかけたのは、高い技術と豊富なアイデアをもつ国内の老舗メーカーでした。しかし、当時はまだ「クラウドファンディング=募金」と認識されており、「自社が利用するプラットフォームではない」と捉えられました。その企業以外にも400社ほどへ営業しましたが、新しいアイデアを生み出す仕組みとしてはまったく受け入れられませんでした。

応援購入は流通の革命になると気づいた

木原(ECzine編集部) Makuakeが誕生した当時は、まだ日本でクラウドファンディングの文化が定着していませんでした。そのような状況の中で、何を手応えに「いける」と感じたのですか。

中山(Makuake) 最初は手応えがなく、沼の中を歩いているような感覚でした。クラウドファンディング=募金の認識のままでは、「いけない」が結論でした。

木原(ECzine編集部) 何が変わるきっかけになったのでしょうか。

中山(Makuake) クライアントからの声です。「オンラインで販売する仕組みは、“無在庫”の状態で先に顧客を獲得できるということ。この効果を軽く見ないほうが良い」と教えてもらったのです。これは、カスタマイズウォッチブランド「Knot」を運営する、株式会社Knot 代表取締役 遠藤弘満氏からいただいた言葉ですが、同時期に複数のブランドから同じことを言われました。こうした意見から、Makuakeの考えるクラウドファンディングは「募金」よりも「eコマース」に近いと気づいたのが、2014年のことです。

カスタマイズウォッチブランド「Knot」
カスタマイズウォッチブランド「Knot」

木原(ECzine編集部) クラウドファンディングの概念をMakuakeなりにチューニングしていったのですね。既に同様の事業を始めている企業も存在していましたが、競合他社は意識していましたか。

中山(Makuake) 最初は意識していました。しかし、Makuakeの枠組みは、ストーリーや強い想いをもつ実行者を応援し、その挑戦を後押しするサポーターをつなぐもの。これは「新しいeコマースであり、流通の革命になり得る」と捉え直したときから、横は見なくなりました。その後は、既存のECサイトやリアルな流通、それに関する情報メディアをベンチマークに、サービスを磨き込んでいきました。

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この記事の著者

清家直子(セイケ ナオコ)

フリーライター。地方新聞社で報道記者として、行政や事件報道に従事。現在は、企業オウンドメディアやビジネス系、法律関連サイトなどでインタビューを含めた情報発信を行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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