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緻密な顧客観察が明暗を分ける
1. お客様の属性、ライフスタイル、価値観を観察する
商品開発や品ぞろえ、マーケティングやSNS施策展開時のよりどころとして、ペルソナを設定しているお店も多いでしょう。ペルソナとは、自社商品を購入する象徴的な仮想ユーザーを「個人」レベルにまで落とし込んだもので、前出したすべての販売戦略と関連します。
売上を大きく左右する要素であるため、ペルソナをぼんやり設定するのは当然NGです。既にいるお客様をよく観察し、年齢や居住地、職業などといった属性に加え、家族構成や趣味などのライフスタイル、もっている悩みや好みなどの価値観を言語化していきましょう。その上で設定すれば、間違いのないものになります。
2. 「理想のお客様像」を、お店が勝手に作らない
ペルソナ設定でありがちなミスは、お店側が「理想のお客様像」を勝手に想像して作ってしまうことです。
ペルソナは、「実際に売り場にいる人」でなければ意味がありません。実際に商品を購入してくれているのは45歳前後の人にもかかわらず、「35歳のお客様に買ってもらうのが理想だから、ペルソナは35歳で」と設定してしまうと、ギャップが生じます。理想と現実が乖離した状態では、どんな販売戦略を立てても空回りしてしまいます。
3. 「購入後の未来」について、即答できるようにする
お客様は、未来を今よりも豊かにするために商品を購入します。そのため、自社の商品を購入するとお客様の悩みがどんなふうに解消され、未来がどう変化するのか即答できるようにしておきましょう。
単に商品の特徴や良い点(現在わかっていること)を並べても、それだけでお客様の心は動きません。お客様の変化に着目して、提供できる価値を伝える。「未来」の視点をもつことが大切です。
4. 商品を「購入する人」と「購入しない人」を見極める
どんなに万人受けを目指しても、世の中のすべての人に商品を購入してもらうのは現実的ではありません。むしろ、ターゲットがぼやけることで本来手にとってくれる人に届かなくなる可能性もあります。「購入してくれる人」をしっかりと見定めて、戦略を立てていきましょう。
30代女性向けの商品が50代男性に理解されず、場合によっては批判を受けるなど悩ましいこともあるかもしれません。しかし、ターゲット以外の人の言動に振り回されてはいけません。商品を求めているお客様に感動してもらうには何をどうすべきか考え、行動に移す。外野よりも向き合うべきお客様のほうを向き、真摯な対応を心がけましょう。