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2025年2月4日(火)13:00~18:45

勝つD2C 注目ブランド大研究

クラシコムとfoufouの“ギャップ”に興味がある マール・コウサカ氏が見るブランドの未来

 2016年の立ち上げ以降、アパレル業界で注目を集めてきた「foufou(フーフー)」。2023年8月1日に、株式会社クラシコムの子会社となった。foufouの創業者であり、デザイナーであるマール・コウサカ氏が考える、foufouの「これから」とは。

8月1日から「株式会社foufou」の経営者に

 「foufou」は、2016年にマール・コウサカ氏が立ち上げたアパレルブランドだ。立ち上げ当初はハンドメイドで商品を製作し、Instagramを通じて販売していた。今では、従業員数8名で年間約4億円を売り上げるまでに成長している。

 2023年8月1日、foufouは「株式会社foufou」への法人化とともに、クラシコムの子会社となった。代表取締役を務めるマール・コウサカ氏は、「最近発行された会社の保険証に『株式会社foufou』と書かれているのが不思議な感覚」と笑う。

 独自路線を突き進むようにも見えたfoufouだが、なぜ、クラシコムのグループに入ることを決めたのだろうか。

 foufouは今年、立ち上げから7周年を迎えた。10年目も目前に迫っている。そんな中、マール・コウサカ氏には、10年目の先にある20年目を迎えるイメージが湧いていなかったという。

「個人事業の延長線上でブランドを運営してきました。10年という区切りが近づく中でその先のさらに10年後がどうなるか考えたとき、より良い20年目が具体的に見えてはいませんでした。そのために仕組みから大きく変えたいと思っていました」

株式会社foufou 代表取締役 マール・コウサカ氏
株式会社foufou 代表取締役 マール・コウサカ氏

 ちょうどそのタイミングで、クラシコムの代表取締役 社長 青木耕平氏が、「コウサカさんが代表となるfoufouという会社をつくるフェーズではないか」と声を掛けた。クラシコムが持つ「ライフカルチャープラットフォーム」がfoufouの醸し出す空気感と合致したことも、子会社化を後押しした。

「foufouと同じく、SNSやeコマースで成長してきたクラシコムが生み出す世界は、第一にfoufouのお客様にとっても親和性があります。価値観が多様化したSNS時代において、カルチャーを基盤としたプラットフォームになるのは、難しいことです。その点でクラシコムの持つプラットフォームの形は珍しく、既存の機能を基盤としたものとは性質が異なります」

 多くのアパレルブランドに焦点を当てると、パリ・コレクションや東京コレクション、百貨店、ECモールなど、既に様々な接点が存在している。こうした「プラットフォーム」といえる場に身をおくことで、ブランドは新たな機会を得ることができる。

 しかし、foufouはこれまで、百貨店やECモールなどからの出店依頼をほとんど断ってきた。マール・コウサカ氏は、「foufouのこれまでの仕組みでは、既存のプラットフォームにとってもメリットが出しにくい」と話す。一方、クラシコムとの世界観の調和が、新たなfoufouとなるきっかけを与えた。

 foufouがクラシコムの子会社となって1ヵ月以上が過ぎたが、マール・コウサカ氏はブランド運営のスキル面でも、良い影響を受けている。クラシコムがこれまで行ってきたeコマースにおける施策を、1つずつたどっていけるからだ。

「これまでのブランド運営では、データ分析や在庫管理などにはあまり注力できていませんでした。煩雑になっている部分も正直多かったです。クラシコムが当たり前にやってきたことを実践していくだけでも、foufouにとっては大きな学びですよ」

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この記事の著者

ECzine編集部 藤井有生(フジイユウキ)

1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。現在はウェブマガジン「ECzine」で編集を担当している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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