実店舗の食材ロス解決策がオンラインストア開設のヒントに
高松(フロアスタンダード) まずは、「F&P」というブランドについて教えてください。
田中(F&Pジャパン) 「F&P」は、スムージーを通して健康的な新しい食文化をつくっていくことを目指しているスムージーブランドです。東京・青山にある直営店と、全国にある約30店舗の加盟店、オンラインストアの3つのチャネルで日本全国に展開しています。
高松 「F&P」は多くの実店舗を構えているなかで、なぜオンラインストアを始めようと思われたのでしょうか。
田中 「F&P」は実店舗からスタートしましたが、当初食材のロスの課題が多く、1食分のスムージーの材料をパックとしてつくり冷凍することにしました。この運用を始める際に「その形態であれば全国各地のお客様に提供できるのでは?」と考え、オンラインストアを始めました。今では、実店舗で築き上げたスムージーの知識やノウハウが詰まった商品を全国のお客様に提供できています。
きっかけはアメリカ西海岸でのスムージー体験から
高松 そもそも、「F&P」のビジネスやスムージーの販売を始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
田中 代表取締役の西野(照明氏)が、90年代にアメリカの西海岸に行った際に「毎朝栄養価が高く、自分の好きな食材を自宅でスムージーにする」という現地に根付く文化を体験し、「日本でもこうしたお手軽でヘルシーな食生活を根付かせたい」と考えたところから、2013年にスムージーの実店舗が始まりました。
高松 日本でも既にスムージーは知名度を高めつつあり、粉末を水や牛乳で割って飲むような商品などが既に販売されていますよね。「F&P」の商品はそれらとどう違うのでしょうか。
田中 前出した粉末タイプやコンビニで販売されているRTD(Ready-to-Drink:すぐに飲める)商品と区別して、当社ではNon-RTD(飲む直前に仕上げ、つくりたてを楽しむもの)を「本格スムージー」と定義し、こだわりをもった商品を販売しています。直営店、加盟店、オンラインストアとすべてのチャネルで「つくりたてのスムージー」にこだわっているのが他社との違いです。
RTDのスムージーは製造工程で本来必要ない添加物や、スムージー特有の「もったり感」を出すために増粘剤などといった食品添加物を用いていますが、「F&P」のスムージーは余計な添加物を入れず、自然のままの食材を使っています。そのため、体に良い栄養素をそのままチャージできるのが特徴です。また、つくりたてでなければ出せないリッチで濃厚なおいしさを感じていただける点も、その他のスムージーとの違いだと思っています。
高松 オンラインショップの運営には様々な業務がありますが、現在、田中氏はどのような業務に携わっているのか教えてください。
田中 オンラインショップの更新作業など、日々発生するこまごまとした作業はもちろんですが、マーケティング施策の立案や実行・改善、集客、システム運営、お客様のアフターフォローなどCRMも含めたオンラインショップ運営の全工程に責任者として携わっています。
たとえば、広告のクリエイティブを含めた訴求軸や方向性の決定や、お客様が商品を買いやすくなるようなセット販売などのキャンペーン施策検討と実行も私の仕事です。様々な角度から検討を重ね、行動に起こしています。