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今からでも間に合う?メーカーECの楽天市場攻略

SKUプロジェクト進む楽天市場でのCVR改善 負のスパイラルに陥らない施策実践時の思考術とは

 「これから楽天市場に出店したい」「出店はしているが、もっと売上を伸ばしたい」。こうした方々の疑問に、コマースメディアの小林さんと平田さんがお答えします。連載第3回のテーマは、「楽天市場でCVR向上を実現するコツ」についてです。

CVR向上は選択と集中が必要 段階を追って着手しよう

 当連載では、これまで楽天市場における商品設計・チャネル展開の考え方売上アップの秘訣をお伝えしてきました。今回のテーマは、CVR向上です。

 まず、前提条件として理解していただきたいのが、「CVR向上は容易ではない」ということです。最初からこうお伝えするとやる気を失ってしまうかもしれませんが、CVR改善は躍起になるほど、どつぼにはまる可能性が高い施策であるといえます。ただし、商品ページにまともに情報がなかったり基本的なことができていない場合は、その限りではありません。顧客の購入に必要な情報は漏れずに記載する必要があります。

 前回の記事で、「売上=アクセス数×CVR×客単価」という指標を紹介しました。このうちアクセス数と客単価は、広告施策やSEO対策を講じて目に触れる努力をしたり、アップセル・クロスセルの施策で少なからず成果が見えてくる傾向にあります。

 ところが、CVRは施策を行った結果、数値が下がることもあるのです。割引額やポイント倍率を上げれば一定ラインまで容易に改善できますが、商品ページのクリエイティブの変更といった明らかなメリットの訴求でないものに関しては、一生懸命に取り組んでも数値が下がってしまう。こうしたことも、起こり得るのです。

 また、商品数が多い店舗では全ての商品ページを作りこむと大量の人手が必要になります。そのため、まずは売れ筋商品のみに絞るなど取捨選択が必要になります。

 さらに言うと、ある程度CVRが高い場合、CVRを上げる労力よりも新商品の開発やリピーターへのアプローチなど別の打ち手を施したほうが効率良く売り上げ創出ができることも多くあります。現状のリソースや目標によって柔軟な判断をしていきましょう。

(左)コマースメディア株式会社 小林俊也さん
(右)コマースメディア株式会社 平田奈々絵さん

CVR向上は「顧客の買わない理由」をなくす作業

 これまでの連載でもお伝えしていますが、楽天市場は多数のショップが出店しているため、売れる売り場作りをするには「自社の立ち位置」や「売れている競合ショップとの乖離」を把握する必要があります。担当の楽天ECコンサルタント(ECC)の力も借りながら、次の視点を意識して理解を進めていきましょう。

  • 競合ショップ(同一カテゴリーの売上上位、売上高や順位の伸び率が高いショップ)はどこなのか
  • 該当するカテゴリーで売れ筋の商品は何なのか(品目、価格帯、数量など)
  • 該当するカテゴリーの平均CVR(概算値)はいくつか
  • 競合ショップのCVR(概算値)はいくつか

 こうした情報を集めたら、競合と比較して自社に何が足りていないのか、それは価格設定によるものなのか、商品設計の問題なのか、原因を洗い出していきます。

 たとえばギフトに注力しているショップで、自社では1万円台のギフトを中心としているが、上位に位置する商品の価格帯が2,000円~3,000円であったとします。すると、楽天市場にいる顧客に合った商品設計ができていないことが自社の課題だと見えてきます。ECCは常日頃様々なショップを見ているため、良きパートナー・チームメンバーとして意見を聞いてみても良いでしょう。

検索結果やランキング上位の商品を確認して、売れ筋の価格帯や商品構成などを研究していきます(※クリックすると拡大します)。

 また、楽天市場の顧客に選ばれるショップになるには、「価格」だけでなくラインアップする商品や商品詳細ページに登録する写真・テキストなどの情報拡充も大切です。CVR向上施策は、いわば「顧客が買わない理由を一つひとつ潰していく作業」であるといえます。アパレルであれば「サイズ感がわからないから買わない」と言われないように、商品の寸法やサイズ感がわかる着用画像をアップする、返品条件をきちんと明記して「失敗したくない」と考える顧客のためらいポイントをなくす、といったように、顧客目線で情報・サービスを補完していくと、数値も改善されていくはずです。

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

ECに関する情報を、さまざまな切り口からお届けできればと思います。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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