シーズナル特集に合わせ、楽天市場の売上を伸ばそう
楽天市場で売上アップを図るには、前回紹介したセール戦略に加え、ギフト戦略も欠かせません。今回は、楽天市場のシーズナル特集やそれらを踏まえた商品設計、オペレーション面での注意点などについてご紹介します。
楽天市場では、毎月その月の祝日や行事ごと、季節を踏まえた「シーズナル特集」が組まれています。これらは広告枠として販売され、トップページにバナー掲載されていますが、この時期は関連キーワードの検索ボリュームも増えるため、広告出稿していない事業者にも工夫して売上を生み出す余地があるといえるでしょう。
特に流通規模が大きいのは、5月の母の日です。その次は、12月のクリスマス、6月の父の日、7月のお中元、12月のお歳暮と続きます。流通規模でいうと少し小さくなりますが、商材によっては2月のバレンタインデー、3月のホワイトデーも盛り上がりを見せることで有名です。
セール戦略の場合、「どの商品をどのように打ち出すか」といった工夫を継続的に施す必要があるため、頭を悩ませるケースも多いですが、シーズナルギフトは既に時期とコンセプトが決められています。また、楽天市場も流通総額を増やすために力を入れているポイントなので、一緒に頑張りやすいのも心強い点です。
eコマースにおけるギフト需要は、コロナ禍を契機に大きく伸長しました。これは楽天市場でも例外ではなく、あらゆるカテゴリーで2019年から2022年にかけての売上高が1.5倍から2倍程度に増えています。
母の日ギフトはまず小さく試してみよう
ここからは、母の日のギフト戦略を考える上で念頭に置くべき点について解説します。
まずギフトは送る日程があらかじめ決まっており、その日に向けて商品を用意する必要があります。しかし、販売数が不明確なまま生花を大量に育てても在庫リスクになってしまうため、「事前に受注し、どれだけの花を満開にさせなければならないのか把握する」ことが大切です。
こうした事業者の考えから生まれたのが、「早割」だと考えられています。実店舗の場合、シーズナルギフトを買い求める顧客は該当するイベント・記念日の1週間前から当日までの間に多く訪れます。しかし、eコマースの場合は事前に注文を受け付けることで、「品切れで贈りたい商品が手に入らないかも」といった顧客の不安を払拭できます。また、こうすることで事業者はある程度の需要予測や花の生育計画を練ることが可能です。
ここまでは生花の話を中心にしましたが、母の日は今や様々な商材にアプローチの余地があるイベントです。感謝の気持ちを伝える手段として、生花以外のものをあげたいというニーズも多く存在します。生活用品やキッチン用品などのアイテムは、ラッピングを施すだけでもギフト感を出せます。
自社で扱う商材を見渡し、母といわれる年齢層に喜ばれそうなものはないか。ものによっては、商品名や商品詳細ページに「母の日ギフトにもおすすめ」といった一文を加えるだけでも、売上が伸びる可能性があります。このように、そこまで労力を要しないアプローチからアクセス数や購入数の増加率を見てみるのも良いでしょう。
初挑戦で売れるかどうかわからない中で専用ラッピングや広告出稿をしても、うまくいかなかった時の痛手が大きくなってしまいます。まずは小さく試してみて、需要があるとわかってから大きく出る。こうした様子見も大切です。