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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

今からでも間に合う?メーカーECの楽天市場攻略

2023年、楽天市場進出・売上拡大を目指すメーカー担当者へ 注目アップデートと方針策定のコツを紹介

 「これから楽天市場に出店したい」「出店はしているが、もっと売上を伸ばしたい」。こうした方々の疑問に、コマースメディアの小林さんと平田さんがお答えします。連載第1回のテーマは、「EC売り場作りのトレンドと楽天市場のポテンシャルを活かす商品設計・多チャネル展開」についてです。

 こんにちは、コマースメディアの小林と平田です。当連載では、これから楽天市場に出店しようとしている、もしくはすでに出店しているけれど、よりチャネル強化を図りたいと考えるメーカーの方々に向け、楽天市場の基礎知識や売上・顧客拡大につながる攻略法をお伝えいたします。連載初回の本記事のテーマは、「EC売り場作りのトレンドと楽天市場のポテンシャルを活かす商品設計・多チャネル展開」についてです。

(左)コマースメディア株式会社 小林俊也さん
(右)コマースメディア株式会社 平田奈々絵さん

EC化率上昇を支えてきたモール 商材・ポジションに合わせた活用を

 まずは、現在のEC業界の全体像を簡単にご説明できればと思います。経済産業省「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」にもあるように、EC業界全体の売上は2013年以降右肩上がりとなっています。2021年の物販系分野のBtoC-ECの市場規模は、13兆2,865億円。その約7割を、大手ECモール(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング)が占めていると推定されています。つまり、自社ECでの売上はまだ全体の3割程度であるということです。

 メーカーにとっては、自社ECで売上を最大限に伸ばすことも重要課題でしょう。しかし、今の日本において「EC市場を開拓する」という命題を達成するには、モールの活用は欠かせません。プレイヤーも多いですが、市場の大きさや影響力の強さで言えばAmazonや楽天市場、アパレルの場合はZOZOTOWNやSHOPLIST、化粧品であればQoo10といったように、選択肢はさまざまです。自社の扱う商材や狙いたいポジションを踏まえて選ぶと良いでしょう。

2023年の楽天市場 注目したい「SKUプロジェクト」とは

 楽天市場攻略にフォーカスした本連載。ここからは2023年、楽天市場で注目したいアップデートと今後の展望についてお伝えいたします。まずは2022年8月の「楽天EXPO2022」で発表され、2023年4月より順次移行予定の「SKUプロジェクト」です。

 従来の楽天市場は、価格を軸に商品ページを分ける必要があり、1品番にひとつの価格しか付与できない状況でした。「レトルトカレーA」という商品を例に挙げて説明すると、これまでは同一価格で展開している「辛さ」を軸にバリエーション登録を行い、「単品」「3点セット」「5点セット」といったように価格が変わる場合は、それぞれ別のページを用意する必要があったということです。

 SKUプロジェクトがリリースされると、新たに「価格」にもバリエーションを付与できるようになります。つまり、価格を軸に複数の商品ページを用意する必要がなくなり、レトルトカレーAであれば辛さや個数、金額を問わず、すべて同一商品ページ内で販売できるようになるのです。商品ページのありかたが大きく変わるため、すでに楽天市場に出店している方にとっても、見逃せないアップデートと言えるでしょう。

 すでに近しい形での商品ページ運用を実現しているのが、Amazonです。EC上に商品が溢れる現代は、求める商品の探しやすさも重要となります。楽天市場も、こうしたトレンドを踏まえ商品ページ構成を見直すタイミングに来ていると考えられます。

 楽天市場でSEO攻略を目指す場合、商品ページ単位(URLごと)の売上を上げることは必須です。まだ機能の詳細が明らかになっていないため断言はできませんが、SKUプロジェクトが実施されると恐らく売上の一極集中が容易となるでしょう。複数購入すると割安になる価格設定をするなどして売れ筋商品の売上を積み上げれば、検索結果一覧ページでの上位表示も夢ではありません。すると、より多くの顧客に商品や自店の存在を知ってもらうきっかけを生むことができるはずです。

 SKUプロジェクトは2023年4月以降、店舗ごとに決定したタイミングで移行される予定です(移行タイミングの変更申請は、すでに締め切られています)。移行後に各店舗が積極的に活用し、楽天市場全体に波及するまでは時間がかかると見られていますが、作業の手間や積み上げで成果が出るSEOのことを踏まえると、移行次第すぐに活用するのが望ましいでしょう。店舗運営の観点からも、管理する商品ページ数が減るため、効率化につながります。これまで分散していた集客施策を取りまとめることもできるため、早めに触れて慣れておくことをお勧めします。

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

ECに関する情報を、さまざまな切り口からお届けできればと思います。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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