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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

おさえておきたいEC・通販先進企業

グローバルな販路とワンストップ対応が強みのQVCジャパンが展開するネット活用


 通販事業大手のQVCジャパンは、テレビ通販最盛期に大きな成長を遂げ、グローバルネットワークを活かした豊富な品ぞろえで顧客満足に応えてきました。QVCジャパンが展開するEC時代の独自戦略について、最新の取り組みとともに解説します。

 通販事業会社としてのブランドを確立しているQVCジャパンは、テレビ通販だけでなくネット通販事業においても存在感を発揮しており、さまざまな媒体を通して消費者とのタッチポイントを獲得しているのが特徴です。

 この記事では、そんな株式会社QVCジャパンがどのように通販事業を今日まで育んできたのか、そして高い顧客満足度の実現にはどのような強みを活かしているのかについて解説します。

株式会社QVCジャパンの企業情報・事業内容の概要

QVCジャパンで購入した商品をスマホで撮影する女性のイメージ

 まずは、株式会社QVCジャパンの企業情報や事業の概要について解説します。

株式会社QVCジャパンの企業情報

 次の表では、基本的な株式会社QVCジャパンの企業情報をまとめています。

社名 株式会社QVCジャパン
本社所在地 千葉県千葉市美浜区ひび野2丁目1番1
設立年月 2000年6月
代表者名 代表取締役社長 石原收
株式公開 非上場
資本金 115億円
おもな子会社 株式会社QVCサテライト

株式会社QVCジャパンの事業内容

 株式会社QVCジャパンはテレビショッピング事業を主軸とする企業で、1986年創業の米テレビ通販企業QVCが三井物産株式会社と合弁で運営しています。

  同社はおもにテレビを中心とした通販事業を展開しており、カテゴリを問わず国内外のブランドを幅広く取りそろえるなど、充実のラインナップを強みとしています。ケーブル局やBSデジタルでの放送を主軸としており、千葉県のスタジオから生放送で配信を続けています。

  また、最近ではテレビだけでなく、インターネット上での通販事業の展開にも取り組んでいます。自社Webサイトやアプリでの配信はもちろん、YouTubeでの視聴にも対応しており、ネット利用者とテレビ視聴者の両方に接点を有し、積極的なアプローチを実現しています。

株式会社QVCジャパンの沿革

レトロなテレビショッピングのイメージ

  続いて、株式会社QVCジャパンの成り立ちについて確認しましょう。次の表は、同社の沿革をまとめたものです。

年月 沿革
2000年6月 米QVC, Inc.と三井物産株式会社の出資により設立
2001年4月 15時間生放送、9時間再放送で放送開始
2003年11月 インターネット販売開始
2004年5月 24時間生放送開始。2011年の東日本大震災で放送を中止するまで約7年にわたり生放送を継続
2009年11月 日本初、携帯電話生放送映像配信サービス「モバイル Q! LIVE」配信スタート
2011年1月 スマートフォン用アプリケーション導入
2013年4月 千葉県のQVC スクエアから放送開始
2014年10月 YouTubeでテレビ通販番組ライブ配信開始
2018年3月 世界最大級ビデオコマースリテーラーとなりキュレート・リテール・グループ (QRG) に社名変更
2018年12月 全額出資子会社である株式会社 QVCサテライトを通じ、ピュア4KHDR24時間365日連続放送開始

 2001年4月より放送を開始したQVCジャパンには、放送開始当初より15時間生放送を行うなどして、あらゆる時間帯の視聴者に訴求してきた歴史があります。2003年にはインターネット通販もスタートさせ、電話以外の購入経路を早期から開拓し、ユーザビリティ向上に取り組んできました。

  また、2004年には24時間の生放送を開始し、東日本大震災の発生まで7年間にわたって放送を続けました。2010年頃よりモバイルユーザー向けのサービス拡充も進め、2009年に携帯電話での生放送映像配信サービス、2011年にはスマホアプリの提供を開始し、いつでも通販番組を視聴できる環境づくりを推進しました。

  2013年には千葉県にQVC スクエアを設立し、あらゆる放送をこのスタジオから配信する形式を採用することで、業務の効率化や品質の向上に努めています。2014年にはYouTubeライブ配信を開始するなど、ライブコマースの先駆けとしても評価できる企業です。

  さらに、2018年にはピュア4Kによる24時間放送を開始し、リアリティのある映像を伴った商品の魅力の発信に努めています。

株式会社QVCジャパンの強みや特徴

テレビショッピングする人のイメージ

 続いて、株式会社QVCジャパンのビジネスモデルや事業としての強みについて解説します。

株式会社QVCジャパンのビジネスモデル

 株式会社QVCジャパンの特徴は、あらゆる工程をワンストップで手がけるビジネスモデルにあります。

 商品調達から番組編成、放送、受注、配送、Web・モバイル運用まで一貫して対応しており、ブランドイメージの構築と高い顧客満足度を実現しています。

 同社では年間で実に約1,800万件もの注文を受け付けていますが、24時間365日対応のカスタマー・コンタクトセンターで、高品質で満足度の高い対応に取り組んでいます。

 また、電話での口頭対応だけでなくWebを使った顧客獲得や情報の提供に努めている点も特徴です。QVCのWebサイトは、年間約9,600万件のアクセス数を生み出す充実のコンテンツを有し、注文のためのツールとしてはもちろん、特定商品の先行販売やコーディネート特集で、消費者の興味関心を創出しています。

株式会社QVCジャパンの事業の強み

 株式会社QVCジャパンの事業の大きな強みは、豊富な商品点数です。年間約2万3,000点の商品を、グローバルな流通網を通じて消費者に紹介・提供しており、日本ではあまり流通していない希少な商品も、気軽に通販で購入できます。

 そのほか、サービスを通じた顧客へのストーリー提供も同社の強みです。

 日本では通販番組の競合が多く、その差別化が各社の課題となっています。そこで同社では、機能や価格といった商品情報をただ顧客に伝えるだけでなく、開発者のストーリーも含めて商品を紹介することで、視聴者の共感を呼び込むことに取り組んでいます。

 質の高い製品に慣れ、商品を見る目が肥えている日本の顧客に訴求するための施策であり、世界有数のメーカーも多い立場を最大限活かした工夫といえるでしょう。

株式会社QVCジャパンの最近の取り組み

通販商品を開封する女性

 続いて、株式会社QVCジャパンの最近の取り組みについて解説します。

3DCG技術を活用したデジタルプロモーションを実施

 2022年10月、株式会社QVCジャパンはアパレル業界向けテクノロジーサービスを提供する株式会社FMBと共同で、「3DCG(コンピューターグラフィックスを活用した3D技術)」を使ったデジタルプロモーションを開始することを発表しました。

 これまで通販のおもな課題は、消費者が実際に商品を手に取ることができない点にありました。そこで高度な3Dモデリング技術を活用し、実際のサンプルを作ることなく、パターン、スワッチデータ、仕様書データなどから、本物に近い商品のモデリングを実現する取り組みを開始したのです。

 3DCG技術の活用によって、通信販売での買い物における顧客の不安を取り除き、自宅でリアルにショッピングをしているような体験の提供を目指すとしています。

テレビショッピングとECサイトを通じて国際女性デーを普及

 株式会社QVCジャパンは、SDGsの5番目のゴール「ジェンダー平等の実現」に貢献すべく、2021年にトークイベントやオンライン座談会を開催しています。

 SDGsの達成に向けた活動をアピールすることで、ブランド認知の拡大はもちろん、テレビ通販会社が苦手とする若年層の集客を狙った取り組みといえます。

株式会社QVCジャパンの気になるトピックス

 そのほか、株式会社QVCジャパンのトピックスについてまとめて紹介します。

 続いて、株式会社QVCジャパンの最近の取り組みについて解説します。

3DCG技術を活用したデジタルプロモーションを実施

 2022年10月、株式会社QVCジャパンはアパレル業界向けテクノロジーサービスを提供する株式会社FMBと共同で、「3DCG(コンピューターグラフィックスを活用した3D技術)」を使ったデジタルプロモーションを開始することを発表しました。

 これまで通販のおもな課題は、消費者が実際に商品を手に取ることができない点にありました。そこで高度な3Dモデリング技術を活用し、実際のサンプルを作ることなく、パターン、スワッチデータ、仕様書データなどから、本物に近い商品のモデリングを実現する取り組みを開始したのです。

 3DCG技術の活用によって、通信販売での買い物における顧客の不安を取り除き、自宅でリアルにショッピングをしているような体験の提供を目指すとしています。

テレビショッピングとECサイトを通じて国際女性デーを普及

 株式会社QVCジャパンは、SDGsの5番目のゴール「ジェンダー平等の実現」に貢献すべく、2021年にトークイベントやオンライン座談会を開催しています。

 SDGsの達成に向けた活動をアピールすることで、ブランド認知の拡大はもちろん、テレビ通販会社が苦手とする若年層の集客を狙った取り組みといえます。

株式会社QVCジャパンの気になるトピックス

スマホテレビショッピングのイメージ

 そのほか、株式会社QVCジャパンのトピックスについてまとめて紹介します。

2023年12月15日:QVC、NTTドコモ、Relicは、最新技術の導入で新しい顧客体験を創造する「メタバースQVCお買い物PLAZA」をMetaMe上で期間限定公開へ

 テレビショッピングを中⼼としたマルチプラットフォーム通販企業のQVCジャパンは、NTTドコモが超多人数接続技術などを活用し開発したバーチャルショッピング空間を利用し、Relicが運営するメタコミュニケーションサービス「MetaMe(メタミー)」上で、最新技術を導入した新たなショッピング空間となる「メタバースQVCお買い物PLAZA」を2023年12月15日(金)より2024年4月14日(日)までの期間限定で公開した。

2023年12月1日:QVCがBS4K右旋の認定基幹放送事業者に、さらにAI字幕自動付与システム運用を24時間化へ

 テレビショッピングを中⼼としたマルチプラットフォーム通販企業のQVCジャパンは、同社の全額出資子会社でBS4Kチャンネルを運営する認定基幹放送事業者であるQVCサテライトが、総務省より2023年11月24日付でBS右旋帯域での超高精細度テレビジョン放送(4K放送)を行う基幹放送事業者として認定をされたことを発表。また、昨年12月15日より運用を開始したAI字幕自動付与システムの24時間化を実施した。

2023年3月13日:QVC、Microsoft Shoppingでのライブストリーミング配信を3/13より開始へ

 テレビショッピングを中⼼としたマルチプラットフォーム通販企業のQVCジャパンはMicrosoft Shopping内で24時間年中無休のライブストリーミングショッピングサービスを開始した。

2023年3月6日:QVC、非対面発送サービス「SMARI(スマリ)」を商品返品時に導入 お近くのローソン店舗等から簡単・便利に返品可能に

テレビショッピングを中心としたマルチプラットフォーム通販企業のQVCジャパンは、三菱商事が手掛ける非対面発送サービス「SMARI(スマリ)」を導入し、関東・中部・関西にある約3,000ヵ所のローソン店舗などでQVCでの買い物商品の返品受付を開始した。

2022年12月22日:QVCがAIリアルタイム字幕放送を開始へ -AI(人工知能)のテクノロジーを使った字幕付与システムの導入-

テレビショッピングを中⼼としたマルチプラットフォーム通販企業のQVCジャパンは、生放送のテレビショッピングと連動するAI自動字幕付与システムをユニゾンシステムズと共同開発し、2022年12月15日(木)より本格的な運用を開始した。

2022年12月15日:QVCで楽しむ初めてのメタバース体験「未来空間 QVCプラネット」

テレビショッピングを中⼼としたマルチプラットフォーム通販企業のQVCジャパンは、IMAGICA EEXの運営・提供によるQVCにとって初めてのメタバース空間「未来空間 QVCプラネット」を12月16日(金)から12月22日(木)の期間限定で公開する。

2022年8月22日:QVCジャパンが新テレビCMの音楽に合わせたTikTokダンス動画を募集する「QVCダンスコンテスト」を開催!

 QVCジャパンは、8月19日より2022年新たに放送開始した地上波テレビCMの音楽に合わせたダンス動画をTikTokで募集する「QVCダンスコンテスト」を開催。

2022年7月15日:QVCジャパン、ウクライナ避難民に衣服500点寄付

テレビ通販のQVCジャパン(千葉市)は、市内在住のウクライナ避難民に衣服や雑貨など約500点を寄付した。(日本経済新聞 2022年7月15日)

2021年11月15日:年間10トン排出されるストレッチフィルムごみを再資源化する循環リサイクルを開始

 QVCジャパンは、2021年10月27日より物流拠点であるQVC佐倉フルフィルメントセンター(千葉県佐倉市)から年間10トン排出されるストレッチフィルムごみをデリバリーパックとして再資源化する循環リサイクルを開始した。

2021年11月1日:Android テレビ対応の東芝レグザ向けテレビアプリをリリース 「T-Commerce」市場を拡大

 QVCジャパンは、Android TV対応の東芝レグザにおいて、自社開発のテレビアプリの提供を開始。

2021年8月2日:テレビ通販のプロによる売らないYouTubeチャンネル始動! 大人女性と「キレイ」を一緒に楽しむトータルビューティ専門の公式YouTubeチャンネルを2021年8月2日に開設

 QVCジャパンは、YouTubeチャンネル「QVC Beauty Channel」を2021年8月2日に開設。

2021年07月07日:QVC/ラルフ ローレンコンセプトストアから生中継

QVCジャパン(QVC)は7月7日、自社テレビショッピングと公式サイト「QVC.jp」で、ラルフ ローレンが7月2日に銀座中央通りにオープンした1年間限定のコンセプトストアから生中継を行い、ポロ ラルフ ローレン ウィンブルドンコレクションの新商品をプレゼンターの道端カレンさんからQVC先行販売商品として紹介する。(流通ニュース 2021年07月07日)

まとめ

 株式会社QVCジャパンは、大手通販業界のなかでは比較的後発の通販事業者といえますが、生放送にこだわった通販番組の展開、グローバルネットワークを活かした流通や豊富な商品点数、商品のストーリーを伝えることにこだわったアプローチで、顧客満足度向上に努めています。

 また同社は発信の場をテレビに限定せず、インターネットユーザー向けの通販コンテンツやスマートフォンアプリなどの展開にも力を入れていることから、今後も多様なユーザーの獲得が進むことが期待されます。

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この記事の著者

EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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