ハンドメイド販売の2大人気サイト「Creema」「minnne」
「Creema(クリーマ)」と「minnne(ミンネ)」は、どちらもハンドメイド作品を販売できるマーケットです。どちらも高い人気を誇っていますが、どのような違いがあるのか気になる人も多いのではないでしょうか。
まずは、それぞれどのようなサービスなのか見ていきましょう。
Creema(クリーマ)とは
「Creema」は「クリエイターズ・ニューマーケット(創作者たちの新しい場所)」を語源として生まれ、クリエイターとユーザー作品を売買できるオンラインマーケットプレイスです。2010年からサービスを開始して以降、数多くの作品が売買されています。
どんな会社?
Creemaを運営しているのは、2009年3月に設立された株式会社クリーマ。概要は以下の通りです。
運営会社 | 株式会社クリーマ |
---|---|
設立 | 2009年3月 |
サイト開設 | 2010年5月 |
従業員 | 90名(2024年8月末時点) |
ハンドメイド事業の流通総額 | 160億円 |
事業内容 |
|
運営会社の特徴 |
2020年11月27日 東証グロース市場上場 |
特徴は?
Creemaの特徴は、簡単な流れで作品の売買ができる点です。パソコンやスマホで最短5分で出品でき、取引ナビを介してユーザーと手軽にコミュニケーションができます。
クーポンや期間限定キャンペーンなどの設定もできるため、新規顧客獲得やリピーター獲得につながるでしょう。
Creema(クリーマ)出品のメリット
Creemaに出品すると、以下のようなメリットがあります。
- 初期費用・月額費用・出店料・出品料が無料で販売できる
- 多彩なプロモーションで販売促進できる
- 特集やメルマガで取り上げられるチャンスがある
Creema(クリーマ)出品のデメリット
Creemaに出品する際には、デメリットと考えられる注意すべき点もあります。
- 出品されている作品数が多いためユーザーの目に留まりにくい
- ハンドメイド作品の販売手数料は「送料を含まない商品金額」にかかるため、計算して作品の価格を決める必要がある
minne(ミンネ)とは
「minne」は、GMOグループのGMOペパボ株式会社が運営するマーケットプレイスです。2012年にリリースし、洋服やアクセサリー、家具、日用品などさまざまな作品が売買されています。
どんな会社?
minneを運営するGMOペパボ株式会社は、以下のような会社です。
運営会社 | GMOペパボ株式会社 |
---|---|
設立 | 2003年1月 |
サイト開設 | 2012年1月 |
従業員 | 442名(正社員 359名 / 臨時従業員 83名)(2023年12月末時点) |
事業内容 |
|
運営会社の特徴 | 2008年12月19日 東京証券取引所スタンダード市場上場 |
特徴は?
minneの特徴は、初心者からプロまで多彩な作家さんが登録している点。趣味でハンドメイド作品を作っている人や、プロの作家として活躍している人までさまざまな人が登録しているため、始めやすいと言えるでしょう。
また、ハンドメイド作品だけでなく、ダウンロードコンテンツやヴィンテージ品など、出品できるジャンルが幅広いのも特徴です。
minne(ミンネ)出品のメリット
minneに出品するメリットは、以下のようなものがあります。
- 無料で作品を出品できる
- 特別な販促機能や特典などがあるサブスクリプション会員サービスがある
- minneカレッジやminne LABなどのサポートが充実している
minne(ミンネ)出品のデメリット
minneの利用にはメリットが多い一方で、デメリットともなるポイントもあるため注意が必要です。
- 登録している作家が多いため競争が激しい
- クーポンなどの販促機能は無料で利用できない
Creemaとminnne以外の注目のハンドメイドマーケット
Creemaとminnneはハンドメイドマーケットとして高い人気がありますが、他にもハンドメイド作品を売買できるマーケットプレイスがあります。
- BASE(ベイス)
- iichi(イイチ)
- マルシェル by goo
- Etsy(エッツィー)
- メルカリShops
それぞれ手数料や取り扱うジャンル、ユーザー層などが異なるため、しっかりと調べてから選定しましょう。
Creemaとminneのハンドメイド販売サイト比較26点

ここでCreemaとminneというハンドメイド作品の販売サイトを、改めてさまざまな点から比較してみましょう。Creemaは2022年10月14日、minneは2022年11月7日に発表された決算資料に、それぞれ基づいています。
名称 | Creema(クリーマ) | minne(ミンネ) |
---|---|---|
運営会社 | 株式会社クリーマ | GMOペパボ株式会社 |
設立 | 2009年3月 | 2003年1月 |
サイト開設 | 2010年5月 | 2012年1月 |
従業員 | 99名 | 462名 |
ハンドメイド事業の流通総額 | 160億円 | 112億円 |
アプリダウンロード数 | 1315万DL | 1392万DL |
ユーザー層 | 20~40代の女性が中心 | - |
事業内容 | ハンドメイド、イベント、クラウドファンディング、セレクトショップ、アライアンス事業 | ハンドメイド、ホスティング、EC支援、金融支援事業 |
運営会社の特徴 |
2020年11月27日 東証グロース市場上場企業 |
2008年12月19日 東証スタンダード市場上場 |
Creemaとminneは、どちらも国内最大級のハンドメイドマーケットです。流通規模に約50億円の開きがあるものの、いずれも3桁億円台で、アプリDL数の実績も近い値を示しています。かつてtetote(テトテ)というハンドメイドマーケットがありましたが、GMOペパボが2015年6月に買収し、minneに統合しています。
次に、出店や運営に必要な費用を見ていきましょう。購入者がどのような方法で作品を購入できるのか、またその配送方法も重要なポイントだといえます。
名称 | Creema | minne |
---|---|---|
初期費用・出店料 | 無料 | 無料 |
出品料・月額利用料金 | 無料 | 無料 |
販売手数料 |
11%(税込) フード・お酒15.4%(税込) いずれも送料を除く |
10.56%(税込) 作品・オプション・送料の合計に対して |
売上金振込サイクル | 申請月の翌月末払い | 毎月月末締め翌月末支払い |
売上金受取方法 | 銀行振込 | 銀行振込 |
売上金振込手数料 |
30,000円未満:176円 30,000円以上:275円 PayPay銀行の場合、金額にかかわらず一律55円 |
振込手数料220円 金額にかかわらず一律 |
購入者の決済方法(手数料) |
クレジットカード(無料) 銀行振込(無料) コンビニ払い(191円) auかんたん決済(150円) d払い(150円) ソフトバンク・ワイモバイル(150円) Google pay(無料) |
クレジットカード(無料) 銀行振込(購入者負担) ゆうちょ振替(無料) コンビニ払い(220円) d払い(165円) auかんたん決済(165円) Apple Pay(無料) Amazon Pay(無料) LINE Pay(ショップによる) |
配送方法 |
郵送または宅配便 指定サイズから選ぶ |
郵送または宅配便 指定サイズから選ぶ |
海外発送 | 可能 | 可能 |
サイトの機能についても、もう少し詳しく見てみましょう。SNS連携や定期的に作家をピックアップして紹介する企画があるかどうかも、作品や作風を知ってもらうためには欠かせません。また、販売サイトに加えて、リアル店舗の有無やリアルイベントを行うかどうかも併せて示しておきました。
名称 | Creema | minne |
---|---|---|
SNS連携 | 可能 | 可能 |
購入者レビュー | あり | あり |
作家ピックアップ掲載 | あり | あり |
作家一覧 | あり | あり |
売上ランキング | あり | あり |
作家(ショップ)カバー画像 | 設定可能 | あり |
常設リアルショップ |
札幌 2023年1月末閉店 |
なし 期間限定のみ(不定期) |
リアルイベント | あり | あり(不定期) |
Creemaとminneの作家や作品・作風の違い4点を比較

次に、Creemaとminneの作家や作品、作風の違いなどを見ていきます。ハンドメイド作家によっては、数字では表せない、このような違いのほうが重要かもしれません。
作家数と作品数、平均取引単価
Creema | minne | |
---|---|---|
作家数 | 24万人 | 84万人 |
作品数 | 1452万点 | 1568万点 |
平均取引単価 | 5339円(日本) | 3743円 |
取引件数 | - | 317万件 |
minneのほうがCreemaよりも作家数も作品数も多いことがわかります。しかし、取引単価が高いのはCreemaという結果になりました。Creemaは、決算資料内で作家レベルを「プロやセミプロ中心」と表しており、かつ「ただのECにとどまらない」サイトを目指すともしています。原則として誰でも出店できますが、生き残れるかどうかはまた別の話ということでしょう。つまり、単価も高いがレベルも高いのがCreemaの特徴といえます。
もう少し幅広く作家を受け入れているのがminneです。間口が広く、趣味の延長線上から販売を始めているであろう駆け出しのような作家も少なからず見受けられるのが特徴です。作り手も買い手も初心者に優しく、作品と価格のバランスが良ければ売れるマーケットだといえるでしょう。
最後に、両者のカテゴリー一覧と、どのカテゴリーに出品が多いのかを見ていきます。
Creema |
出展作品数 |
minne |
出展作品数 |
---|---|---|---|
アクセサリー・ジュエリー | 1,140,000 | アクセサリー・ジュエリー |
100,000以上 |
ハンドメイド素材 | 397,000 | 素材・道具 | 100,000以上 |
メンズ | 338,000 | - | - |
ファッション | 300,000 | ファッション | 100,000以上 |
インテリア雑貨・生活道具 | 230,000 | 家具・生活雑貨 | 100,000以上 |
財布・ケース・小物入れ | 176,000 | バッグ・財布・小物 | 100,000以上 |
ベビー・キッズ | 174,000 | ベビー・キッズ | 100,000以上 |
雑貨・ステーショナリー | 155,000 | 文房具・ステーショナリー | 100,000以上 |
iPhoneケース・スマホ・PC | 140,000 | スマホケース・モバイルグッズ | 100,000以上 |
バッグ・カバン | 126,000 | (バッグ・財布・小物) | - |
アート | 110,000 | アート | 100,000以上 |
食器・キッチン | 90,000 | 食器・キッチン | 100,000以上 |
ぬいぐるみ・置物 | 50,000 | ぬいぐるみ・人形 | 100,000以上 |
ペットグッズ | 45,000 | ペットグッズ | 100,000以上 |
ウェディング | 44,000 | - | - |
家具 | 28,000 | (家具・生活雑貨) | - |
フード・お酒・ドリンク | 20,000 | 食べ物 | 18,500 |
- | - | マスク | 100,000以上 |
- | - | フラワー・ガーデン | 100,000以上 |
- | - | ニット・編み物 | 66,000 |
- | - | おもちゃ | 40,000 |
- | - | アロマ・キャンドル | 30,000 |
- | - | 手作りキット | 17,000 |
カテゴリーの並びは、Creemaの出店作品点数順です。筆者が実際にウェブサイトで確認しました(2022年11月)。minneについては表示機能の関係で、10万点以上の場合はすべて表示できない仕様となっているようでした。競合調査は販売戦略を考える上で重要なポイントのため、正確な数字がわからないのは残念だが、今後改善されることを期待したいところです。
アプリダウンロード数・利用者(客層)の比較
最後に、アプリのダウンロード数や利用者層について比較しましょう。
名称 | Creema | minne |
---|---|---|
アプリダウンロード数 | 1,460万件以上 | 1,500万件以上 |
利用者層 | 20~40代 |
20~40代 |
アプリのダウンロード数も利用者層も、両者に大きな違いはないようです。「Creemaのほうが年齢層が高く、minneのほうが年齢層が低い」と感じている作家さんもいるようなので、作品の特徴やカテゴリーによって、購入する利用者層が変わってくる可能性もあります。
「Creema」「minnne」特徴や違いを知ってハンドメイド販売を
ハンドメイド作品の作家さんで「店舗での販売が難しい」「自身のECサイトではなかなか売れない」と感じている人は、ハンドメイドマーケットプレイスのCreemaやminneを活用してみましょう。Creemaもminneも使いやすく、簡単な操作で出品・取引ができるため、初めて使う人にとっても安心です。
ただし、手数料や機能などが異なるため、それぞれの特徴や違いを理解したうえで「どちらか一方から始める」「どちらにも出品してみる」など、自分に合った使い方を検討してみるとよいでしょう。ぜひ楽しくハンドメイド販売を始めてみてください。