使いやすさの最適解を探すためのアクセス解析ツール活用
今回は、GMOペイメントゲートウェイ株式会社 イノベーション・パートナーズ本部 イノベーション戦略部 集客支援課(旧 マーケティング支援部 サイト改善チーム)に所属する高畑が、当社が携わってきたECサイト成長支援プロジェクトの一部をお見せしながら、「プチ改修」の重要性をご紹介いたします。
前回までは、「商品一覧」ページ、「商品詳細」ページといったECサイトのページごとにある課題とその改善手法について解説してきました。個別の課題を解決することでECサイト全体のCVR(Conversion Rate:購入率)は向上していきますが、一方で、「基礎的な改善はやり切ったので、CVRをより伸ばしていくための方法が知りたい」と考えている方々も少なくないのではないでしょうか。
基礎的な改善とは、言い換えると「使い勝手が悪い部分の解消」です。ここで「取っ手のついていないバケツ」をイメージしてみてください。あなたはそのバケツに水を入れ、今いる部屋から隣の部屋に運ばなければなりません。水自体を入れることに問題はありませんが、バケツの底を工夫して持たなければ水はこぼれ、運べなくなってしまいます。取っ手があったほうが便利なことは間違いありません。「使い勝手の悪い部分の解消」とは、このように「バケツに取っ手をつける」ようなことを指します。
ここで出てきた「取っ手」を機能と置き換えると、「うちのECサイトには、もう十分に機能が備わっている。もっと良くする方法は?」と疑問を覚える方もいるでしょう。そこで考えなければならないことは、「ただ単に機能を付与しても、全員にとって使いやすいECサイトになるわけではない」ということです。
「メニューがタップしづらい」「レコメンドが使いづらい」など、さまざまな課題は存在し、それぞれに解決策があります。しかし、その解決策のすべてがサービスを使う全員に対して有効かというとそうではありません。誰かにとっての「使いやすい」は、別の誰かにとっての「使いづらい」かもしれません。
たとえば、手の大きな人はバケツのグリップがしっかりしているほうが使いやすいですが、手の小さい人や子どもはグリップが大きすぎるとうまく握ることができず、結局バケツの底を持ってしまうかもしれません。使う人が目の前にいれば、その人に合わせて改良をすれば良いですが、ECサイトの場合、直接姿を見ることはできません。そこでアクセス解析ツールを使い、どんな人がECサイトを訪問していて、どのような動きをして成果になっているかを確認する必要があります。