プチ改修を優先すべきボトルネックを見つけよう
当記事では、GMOペイメントゲートウェイ株式会社 イノベーション・パートナーズ本部 イノベーション戦略部 集客支援グループに所属する菅原が、当社が携わってきたECサイト成長支援プロジェクトの一部をお見せしながら、「プチ改修」の重要性をご紹介いたします。
前回は、ECサイトの売上安定化に重要なユーザーの「ロイヤリティ」向上についてお伝えしました。さまざまな観点からプチ改修の事例をご紹介してきた当連載ですが、最終回となる今回は、プチ改修実施の優先順位付けに役立つボトルネックの発見方法と実行手順についてお伝えします。
ECサイト運営を担当されている皆様の中で、改善の優先順位付けがわからないという方は多いのではないでしょうか。そんな皆様におすすめしたいのが、ECサイト導線図の作成です。
ECサイト導線図を使って、ユーザーが購入完了に至るまでのチェックポイントごとの到達数をGoogleアナリティクス(GA)等で計測。それぞれの区間の遷移率からボトルネックを突き止めることで、最優先で対応すべきポイントを発見できます。最適なチェックポイントの区切りかたはECサイトごとに異なりますが、GAを使用している場合は「商品詳細」「カート」「購入手続」の3つの画面は必ず加えておくとよいでしょう。基本になるイメージを図にしてみます。
補足として、「カート」から「購入完了」の間に存在する「購入手続」の画面が複数ある場合は、そのすべてをチェックポイントとすることで、フォーム最適化(EFO:Entry Form Optimization)などの施策が打ちやすくなります。
一般的に、ECサイトにおける購入CVR(Conversion Rate:コンバージョンレート)は1%が目安とされますが、この数値を各チェックポイント間に因数分解すると、おおむね前出の図のような傾向になっているかと思います。個人向けであれば、「商品詳細」画面から「カート」画面の区間でもっともCVRの数値が小さくなるECサイトが大半です。基本的には、ECサイト全体の中で遷移率がもっとも低い区間を優先的にプチ改修の対象とすべきです。
一方で、施策を打った際に成果が表れやすいのは、「購入完了」画面に近い「カート」画面以降の区間、すなわち「購入導線」である点にもご注意ください。「購入導線」において売上金額に数%以上の影響がありそうな「準ボトルネック区間」が存在する場合は、より短い期間で売上向上が実現できる可能性が高いため、こちらを最優先でプチ改修していきましょう。