KARTEのノウハウを詰め込んだEC向けエントリープラン登場
プレイドでは2015年より、サイトやアプリの訪問者の行動や感情をリアルタイムに解析し、1人ひとりに合わせた体験の提供を可能にするCXプラットフォーム「KARTE」を提供している。そのKARTEのラインナップに、2021年9月、EC向けのエントリープラン「Entry Series for EC」が加わった。
リソースやノウハウ不足からサイト改善に着手できずにいたEC事業者向けに、手軽に導入・運用を始められ、成功体験につながる成果を得やすいことを目指して設計・開発された。月額1万円〜と、価格面でもハードルを下げている。
カゴ落ち対策「カートパッケージ」、販促施策が充実した「キャンペーンブースト」、商品を見つけやすくする「サーチアシスト」など全6種類以上の魅力的なパッケージが用意され、EC事業者ごと、最優先で改善に取り組みたい課題から着手できるような仕組みになっている。
「KARTE Entry Series for EC」について、サービスの責任者であるプレイドのふたりに詳しい話を聞いた。
ECサイト改善の鉄板施策を手軽に導入、素早い成功体験へ
“サイト体験をおまかせ改善。小さくはじめられて、すぐに結果が出る”をコンセプトにリリースされた「Entry Series for EC」。サービスの責任者である清水さんは、開発背景をこう語る。
「ECサイトは少人数で運営されており、サイト改善について、取り組みたいけれどなかなか着手できていない事業者様も多いのではないでしょうか。リソースやノウハウ不足であっても、最初の一歩を踏み出していただくお手伝いができればと、『Entry Series for EC』を立ち上げました」
プレイドでは、ウェブ接客を皮切りに2015年から「KARTE」を提供。CX(顧客体験)向上のための機能アップデートを重ね、数百プロジェクト・数万シナリオを実装し、ユーザー企業とともにノウハウを蓄積してきた。その経験から、実績のある“鉄板”シナリオや必要な機能を選り抜き、「明確な成果を素早く得ること」を目的として作られたのが「Entry Series for EC」である。
カゴ落ち対策「カートパッケージ」、販促施策が充実した「キャンペーンブースト」、商品を見つけやすくする「サーチアシスト」など全6種類以上のパッケージが提供されており、EC事業者は最優先で解決したいものから順に導入していけば良い。その際、システムやシナリオの初期設定をプレイドに任せることができるのも特徴だ。
「従来、サイト改善にリソースを割けずにいたのであれば、ノウハウも足りていない。システム周りを外部に委託しているのであれば、さらにハードルは上がります。その状態で新しいことに挑戦するのは、とても難しいことですよね。『Entry Series for EC』では、セットアップや運用をプレイドにお任せできるマネージドサービスを取り入れており、専門的な知識やツールのスキルをお持ちでなくとも始めることができます。いずれ体制を整えてインハウス化するにしても、最初の数歩はプレイドにお任せいただいたほうが軌道に乗りやすいのではと考えました」
料金体系は、最安のパッケージであれば月額1万円に加え、ECサイトの売上に応じた従量課金制度となっており、導入を検討しやすい。
「企業様によっては『ECサイトは安く、簡単に運営できるもの』と認識され、サイト改善に対し、リソースや予算をサイト改善に割くことが難しいため、KARTEのご利用を断念されていたEC担当者様もいらっしゃいます。そのような場合にも『Entry Series for EC』はおすすめです」
カゴ落ちメールだけでなくカート周りの体験向上、売上アップへ
「Entry Series for EC」の最初のパッケージとしてリリースされ、すでに導入実績のあるカゴ落ち対策「カートパッケージ」を紹介する。
ユーザーがECサイトのカートに商品を投入しながら、購入前にサイトを離脱してしまうことを「カゴ落ち」と言う。プレイドの調査では、カゴ落ちは約70%の割合で発生しており、月商1,000万円のECサイトでは月の損失額が2,300万円と見積もることもできる。EC事業者にとって、カート周りの改善は優先度の高い施策なのだ。
カート周りの改善について、KARTEで実践し成果につながった鉄板施策を汎用化し、機能として提供するのが「カートパッケージ」である。月額1万円、施策を通じた売上に対し3%のマージンが発生する料金体系(※詳細は「カートパッケージ公式サイト」を参照)で、プレイドにシナリオ設計や運用改善も依頼できる。
数年前にカゴ落ちメール配信ツールやMAが流行したが、カートリマインドメールだけではなくカゴ落ちを防ぐウェブ接客と組み合わせることで顧客体験は向上すると、サービスの責任者である高山晋さんは言う。「カゴ落ちがなぜ起きているのか、原因を知り、それを解決していくことがカート周りの体験改善には重要です」
ユーザーはさまざまな理由でカゴ落ちする。決済前のログインエラー、お気に入り機能代わりの利用、そもそもカートから決済までの導線が複雑でわからない、といった理由でのカゴ落ちもあり、「お買い忘れはありませんか?」とリマインドメールを送付することが必ずしも最適なコミュニケーションとは言えない。KARTEにはこうしたノウハウが蓄積されており、その都度最適なチャネルやシナリオでコミュニケーションを行うことができるのだ。
D2Cやコロナ禍でECを始めたばかりの企業にとってありがたいサービスだが、EC売上高200億円を超えるアパレル企業のパルが昨年「カートパッケージ」をテスト導入して成果を上げている。
「パル様には、すでにKARTEをご導入いただいており、カートリマインドメールは実施されていましたが、他のカート周りの施策には未着手でした。カゴ落ちによる機会損失を数値化し明確になったことで、プライオリティが高い施策であるとのご判断から『カートパッケージ』を利用していただきました。成果にもつながっており、評価いただいております」
「Entry Series for EC」は初期設定をプレイドに委託できるのが特徴だが、「カートパッケージ」では、導入後の運用改善や効果測定まで委託し、伴走してもらえる。
「運用を委託するマネージドサービスでは、A/Bテストを行い効果の悪い施策を改善したり、新規施策の追加をするなど適切な運用を行うことで、施策配信数が増え、コンバージョンレートも改善し、右肩上がりの状況を継続することができます(図参照)。PDCAを回し、サイト改善の成功体験を作るお手伝いをしていきたいですね」
なお、導入にはKARTEのタグ設置が必要となるが、対象プラットフォームであればタグ設置も簡単だ。たとえば、カナダ発のEC構築サービス「Shopify」については、特別に専用タグを発行している。通常版、Plusともに、管理画面に専用タグをコピー&ペーストするだけで始めることができる。
目の前の小さな改善がCX基盤を築き、OMOにも活かされる
ここで改めて、元のサービスであるKARTEについて確認しておきたい。KARTEは、ウェブサイトやアプリに専用のコードを設置することで、個客の行動をリアルタイムに解析する機能を持っている。解析するだけでなく、個客1人ひとりの状態に合わせ、メールはもちろんポップアップを出したり、サイトを書き換えたり、チャットで話したりとさまざまな組み合わせでアクションにつなげることができるCXプラットフォームだ。
ウェブ接客サービスが登場した当初、「ECでも実店舗のような接客を行いたい」との事業者の言葉がよく聞かれた。実店舗の対面接客においては、販売員は多くの情報を読み取り、そのユーザーに適した接客を行うことができていた。一方ECでは、1人ひとりのユーザーを理解するデータが不足し、初めて訪れたユーザーにもリピーターにも同じコンテンツを表示するといったことが起きていた。
「KARTEを通してユーザーを知り、その人に合わせた接客を行う。ECにおける一連の体験でそうあるべきです。その積み重ねが、EC全体のCXを向上させていくのではないでしょうか」(高山さん)
「ユーザーの気持ちは刻一刻と変わっていくものです。サイトを訪れ、何かの行動を行うと気持ちが変わり、行動が変わる。解像度の高い解析を行うことができれば、『この方は前回とはまったく違う目的でお買い物をしていらっしゃるな』とわかり、接客に活かすことができます。CX向上につなげる接客のためには、1人ひとりのユーザーを軸にしたデータが必要です。プレイドでは、解像度の高い個客理解を行うため、ファーストパーティデータを多面的に貯めていくことが重要だと考えています」(清水さん)
「カートパッケージ」に続き、「キャンペーンブースト」「サーチアシスト」「サイトガイド」「ピックアップアイテム」「アイテムページパッケージ」が提供される。それぞれの詳細は「Entry Series for EC公式サイト」で確認できる。
これから続々とリリースされるパッケージから、最優先で解決したいものを選択することで、リソースをかけずに確実に改善施策を実施していけるわけだ。それらが、プレイド1社による「Entry Series for EC」に統括されていることも、実は大きい。
「これまで多くのEC事業者様が、目の前の課題を解決するべくできるだけ安価なツールを選んで導入し、次の課題が見えてきたら別のツールを導入するということを繰り返してこられました。そのため、さまざまなツールがそれぞれに『点』で体験を提供することになり、ECサイト全体で『線』の体験が提供できていません。『Entry Series for EC』では、それぞれに特化したパッケージをひとつのプラットフォームに集約してご提供していきます」(高山さん)
「DX推進とはいえ、予算を投じてひとつのプラットフォームを導入するのではなく、目の前の課題を1つひとつ解決する姿勢で臨む事業者様がほとんどでしょう。ツールが分散すれば、データも分散します。目の前の課題改善をしながら、全体的なCX基盤を並行して作っていくことができるのが、KARTEを提供してきたプレイドの強みです。データが統合されたCX基盤は、OMOの段階に入っても生きてくるはずです。『Entry Series for EC』は手軽に簡単に小さな入り口から始めながら、先々に向けた道を作っていくサービスになると思います」(清水さん)
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