わかりやすく解約方法を示すことは信頼につながる
そもそも3、4月はライフイベントが多いため、定期通販の解約率は高い傾向にあることをSmashでは把握している。エリカ健康道場でも解約ページへのアクセスが増加したが、7月には当時の解約抑止率の最高数値である19.00%まで戻すことに成功した。
その理由は、ECサイト上で解約方法をわかりやすく示すことをやめなかったからだと鍋島さんは言う。解約方法をわかりにくくすることで解約を抑止するのは業界の慣例となってしまっているが、エリカ健康道場ではそれに倣わなかったのである。
「解約されることを懸念し、解約方法をわかりにくくする施策にはふたつのデメリットがあります。ひとつめは新規のお客様が不安に思い、定期購入の申し込みを行わないこと。ふたつめは、苦労して解約方法にたどり着いたことで溜まっていたフラストレーションから、一気に解約へと進むことです。このふたつのデメリットをエリカ健康道場様にご説明し、3、4月も解約方法はわかりやすく掲示したままとなりました。不安やフラストレーションのない状態で解約ページにたどりついたお客様に対し、『Smash』で真摯な接客を行ったことで解約抑止率の数値が回復したと考えています」(Smash・鍋島さん)
サイトリニューアルでも「解約」を目立つ場所に設置
エリカ健康道場では、2021年9月30日にECサイトをリニューアル。従来はスクラッチで構築していたが運営において不都合が多くなってきたため、ECシステムの変更を決め、ユーザビリティ向上のため全面的にリニューアルすることとなった。
それに伴い、ユーザーとのコミュニケーションの仕方を変更。キャンペーン情報など、常に最新情報を掲載することでユーザーの疑問解消に貢献、閲覧数が増加したほか、同社のキャラクターで「Smash」にもアイコンとして登場している「なちゅまる君」の情報も細かく設定して娯楽性を高めた。
「リニューアル後の流入を見ると、マイページをブックマークされているお客様が多いことがわかっています。マイページへの『Smash』導入により、お客様に見ていただきたい情報をより見せやすくなりました。たとえばあるセール商品を『Smash』でご提案することで、販売に1ヵ月ほどかかると予想していたものが、2、3日でソールドアウトになったこともあります」(エリカ健康道場・森永さん)
「リニューアル後、定期購入への加入のほか、時間別に『Smash』でご案内する内容を変える施策も行っています。たとえば15時には『またお腹空いてきちゃった…おやつの時間ですね。優光泉のアレンジレシピはご存知ですか?』といった切り口で商品を訴求するといった具合です」(エリカ健康道場・永岡さん)
システムの制約上、従来のような解約ページの設置が叶わなくなり、顧客はマイページの「定期購入情報ページ」で自らのステイタスを確認する仕組みとなった。その「定期購入情報ページ」にリテンションボットのを設置し、最初の選択肢に「定期購入解約」の選択肢を設定している。これは解約時に不安やフラストレーションを与えないためである。なお、従来解約ページに設置されていた「Smash」は、マイページへと移動することになった。
「『定期購入解約』がわかりやすい位置にあることに対し、不安を覚える事業者様のお気持ちは理解できます。しかしながら、エリカ健康道場様の場合、10月のサイトリニューアル後も解約抑止率は43.17%と良い過去最高の数値が出ました。『解約』の選択肢がわかりやすい場所にあるからといって、解約されるやすくなるわけではないことがわかります」(Smash・鍋島さん)
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