記事種別

市場ではなく“たったひとり”を観察 「Coyori」が女性に支持された理由

認知度が低めのブランドは、アーリーアダプターを狙え
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • プッシュ通知を受け取る
2017/05/24 08:00

 美容雑誌などでも注目をあびている「Coyori」といえば、通販事業を行うJIMOSの化粧品ブランドだ。自社工場を持たない同社が、なぜ数ある化粧品ブランドに対抗できる商品を開発できたのだろうか。※この記事は、書籍『ECzine 売れるECサイトのすごい仕掛け』に掲載したものです。  

 化粧品や健康食品の通販事業を行うJIMOSには、ふたつのコスメブランドがある。そのうちのひとつが、2010年に販売を開始した、自然派エイジングケアを謳う「Coyori(こより)」。スキンケア、メイク、サプリメントまで扱う商品は幅広い。そのなかでも、最近のオイルブームに先駆けて開発された「美容液オイル」は、美容雑誌「VOCE」のベストコスメにもランクインするなど、シリーズの中核となるヒット商品だ。

3人の“主観”に基づき開発 “たったひとり”にフォーカス

 「当社にはもともと、『マキアレイベル』というコスメブランドがあり、美容液ファンデーションの『クリアエステヴェール』を中心に花開いていました。こちらも無添加※なのですが、どちらかというとサイエンティフィックなアプローチのシリーズです。お客様からは『もっと肌に優しくて、もっと効果が出るものが欲しい』というお声をいただいていましたので、何かできないかと社内で考えていました。経営的な視点からも、マキアレイベルに一極集中するよりも、もうひとつブランドが欲しかったというのもあります」

 こう語るのは、Coyoriシリーズを開発した執行役員の川上智子さん。当時28歳で広告部門のマネージャーとして活躍していた。彼女のほか、同じ広告部門の34歳、商品開発部門の40歳の3人で、新商品開発チームが2009年に作られた。

株式会社JIMOS
執行役員
Coyori事業部事業部長
/メディアクリエイティブ部部長
川上智子さん

 「商品開発、新規獲得の広告、リピート施策まで、事業全般がわかっているメンバーが抜擢され、通常の仕事と並行して、新しいプロジェクトを進めていきました」

 あるメンバーは化粧水を、あるメンバーは石けんを、といった具合に、それぞれ別の商品を担当。理由は、3人で話し合い、意見をまとめていくとエッジが立たない商品になるから。

 「このやりかただと、担当者の主観が入ります。でもこれから先、主観が大事だと思います。当社のような認知度が低めのブランドでは、調査をして売れているマーケットを探すといった方法よりも、アーリーアダプターを狙って、『ないもの』を作っていかなければいけない。調査データ等で目に見えるようになっている時点で、『あるもの』なんですよね。だから、分厚い企画書を作るための根拠は集められないんです」

 アイディアの源泉となったのは、お客様の声だった。

 「たったひとりの人にフォーカスして、こんな行動をしている、こんな悩みを抱えている、だからこういうものが必要だ。このように考えて、商品開発を進めていきました」

 先にヒットしていた『マキアレイベル』も、同様のやりかたで成功したという例もあるが、こうしたプロジェクトの進めかたにGOを出した、組織のありかたも見逃せない。

この続きは、紙の雑誌『季刊ECzine』のご購読者様のみお読みいただけます。
ご購読者様は、ログイン後すぐにウェブ上でこの続きをお読みいただけます。

『季刊ECzine』とは

6月、9月、12月、3月と年に4回お届けする定期購読誌です。 紙の雑誌をお届けするほか、以下の特典があります。

  • プレミアム記事が読み放題
  • 読者限定イベントにご招待
  • ECzine Academy 20%オフ

季刊『ECzine』の詳細をみる  (購読者の方)ログイン


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • プッシュ通知を受け取る

バックナンバー

連載:書籍『売れるECサイトのすごい仕掛け』特集

2014年09月の人気記事ランキング

All contents copyright © 2013-2017 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5