Yahoo!ショッピングの4つの特徴
はじめに、Yahoo!ショッピングの主な特徴をわかりやすく4つにまとめました。他のECモールにもあるような在庫管理や分析ツールが豊富なことに加え、コストがかからない点や販促広告が豊富な点も、ECショップを運営する上では扱いやすい特徴と言えるでしょう。何よりも、Yahoo! JAPANが運営しているというのが他のECモールにはない大きな特徴です。
特徴1:Yahoo! JAPANが運営
Yahoo!ショッピングは名前の通り、Yahoo! JAPANが運営しています。日本最大級のポータルサイトといわれるYahoo! JAPANをはじめ、Yahoo!関連のサービスを通じて集客することが可能です。ソフトバンク社やLINE社、PayPay社などグループ企業とのつながりも深いため、様々な方面へのアプローチを可能とし、幅広い層の顧客を獲得できる可能性があります。
またYahoo! JAPANの知名度の高さもあります。Yahoo! JAPANを利用している人は月に約8000万人、総務省の統計によると日本の人口1億2541万人であるため、日本人の約64%が利用しているという計算になります。日本人の半数以上が利用する著名なポータルサイトが運営元という点で、ショップの信用度を高めることにもつながるでしょう。
特徴2:コストがかからない
Yahoo!ショッピングは低コストで出店でき、出店後もコストを抑えることができるのが魅力です。初期費用は無料なので、ある程度の運転資金を集めた状態からでもスタートできます。
また、売り上げロイヤリティや月々の固定費も無料です。ECショップ運営では、季節の流行りものや売れ行きが少ない希少価値の高いものを扱う場合や、売り上げが一定しない場合もあります。通常は売れない月があっても固定費を支払う必要があり、ようやく売れたところで売り上げロイヤリティを支払うことになるため、利益になりにくい可能性があるのです。
しかし、Yahoo!ショッピングでは売り上げロイヤリティや固定費も無料のため、売り上げに波があるような商品でも継続して販売しやすくなっています。
特徴3:販促広告や企画が豊富
Yahoo!ショッピングは、Yahoo!でおこなうキャンペーンなどに参加できるのが特徴です。「母の日」や「バレンタイン」など季節に即した販促企画は、無料で参加できます。また、他の販促企画も多少は出店者の負担が必要ですが、Yahoo! JAPANが大半を負担してくれます。キャンペーンに参加すれば新規顧客の獲得にもつなげやすくなるでしょう。
また、ECサイトユーザーの目を引くデザインが特徴的な販促ツールの活用も可能です。リピーターの獲得につながるニュースレターは、マニュアルもあるので件名や送るタイミングもわかりやすくなっています。同じくリピーターを獲得しやすくなる割引や送料無料などの特典、商品ページの露出が増える季節の販促企画にも無料で参加可能です。
特徴4:在庫管理や分析に便利なツールが使える
Yahoo!ショッピングは、在庫管理のしやすさや分析ツールによる販売促進が可能です。在庫情報はCSVをアップロードするだけで一括登録ができるため、在庫管理もページの更新もしやすいです。
また、統計・分析ツールを使えば、顧客の流入経路や行動履歴、検索に使われたキーワードなどはもちろん、顧客の性別や客単価などを把握することが可能です。分析結果を活用して、販売戦略をたてやすくなっています。
Yahoo!ショッピングに出店するには?
ここからは実際にYahoo!ショッピングに出店するときの手順や、注意事項について解説します。Yahoo!ショッピングへの出店にはどんな情報が必要なのか、実際に出店するまでにはどれくらいの時間がかかるのか、という点についても紹介します。
Yahoo!ショッピングへの出店手順
Yahoo!ショッピングへの出店手順は、次のとおりです。
1.申込者がYahoo!ショッピングのフォームから申し込み情報を入力
(所要時間:15~20分)
2.Yahoo! JAPANが契約審査を進め、審査結果を報告
(所要時間:約2~10営業日)
3.審査を通過したら、申込者は開店準備を進める
(所要時間:約3週間)
4.Yahoo! JAPANによる開店審査
(所要時間:約2~5営業日)
開店審査を通過した後、正式にYahoo!ショッピングでの出店が完了します。Yahoo! JAPAN側の所要時間についてはあくまでも目安なので、商材によってはより時間がかかる可能性もあります。
Yahoo!ショッピングに出店するときに必要な情報
Yahoo!ショッピングに出店する際に、必要になる情報や書類については次のとおりです。
1.Yahoo! JAPAN ID
出店後にストア管理ツールへログインする際に使用するため、持っていない場合は新規で登録する必要があります。
2.クレジットカード情報
有料オプションを利用したとき、支払い差額が発生したときのために登録が必要です。クレジットカード情報は、登録後に変更することもできます。
3.会社情報
法人で出店する場合、「登記簿謄本」の記載内容と「13桁の法人番号」が必要です。個人事業主の場合は、会社名の欄に確定申告書に記載した屋号もしくはストア運営する際に使用する屋号を記載します。
4.代表者情報
本人確認とクレジットカード決済サービスの加盟店審査に利用するため、登記簿謄本に記載されている代表者情報が必要です。
5.銀行口座情報
決済サービスの利用代金やポイント利用料金などの振込先として利用します。
6.提出書類
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書) 発行から3ヵ月以内のもの
- 代表者もしくは、サービス管理者の本人確認書類(運転免許証、運転経歴証明証、在留カード、マイナンバーカードのいずれか1つ)
7.出店予定商材情報
出品する予定の商材情報を提供します。
Yahoo!ショッピングに個人で出店するときはどうする?
個人で出店する場合も、申し込みに必要な情報は基本的に法人と同じですが、「企業形態」「企業形態の位置」「法人番号」にあたる情報の記載は必要ありません。
また、提出書類や口座情報も若干異なるので注意しましょう。例えば提出書類については、法人の場合は本人確認書類に加えて登記簿謄本が必要ですが、個人で出店する場合は本人確認書類のみです。
Yahoo!ショッピングに出店するメリットとデメリット
Yahoo!ショッピングに出店することで得られるメリットとデメリットについてまとめました。メリットがわかれば出店に踏み切るきっかけになり、デメリットがわかればそれを補う対策や出店の方向性を見直す必要があるでしょう。ご自身の運営するECショップにとってYahoo!ショッピングが効果的なモールであるかどうか、判断する材料として役立ててみてください。
Yahoo!ショッピングに出店するメリット
Yahoo!ショッピングに出店するメリットは、主に2つです。
1つ目のメリットとして、出店コストがかからないことが挙げられます。出店料が無料なのでショップ立ち上げ時のコストを抑えることができるでしょう。出店した後も売り上げがない場合は固定費や売り上げ手数料がかかることもないため、初めての出店で売れるかわからないという方や、季節もので売り上げに波があるような商材を扱う方にとって、参入しやすい仕組みです。
2つ目のメリットは、出店したショップ情報を拡散させやすいという点です。ポータルサイトであるYahoo! JAPANが導線となり、新規顧客を誘導しやすくなっています。広告のオプションを利用すれば、Yahoo! JAPANの検索からの流入も期待できるでしょう。
また、Yahoo!ショッピングは外部リンクも許可しているため、Yahoo!ショッピングから自社の企業サイトなどにリンクすることが可能です。SNSや他のモールへ移動することもできるので、結果的に自社やショップの情報を見せられる場所が増え、情報を拡散することができるでしょう。
Yahoo!ショッピングに出店するデメリット
一方、Yahoo!ショッピングに出店するデメリットもあります。
1つ目は、競合が多くなるという点です。低コストで出店できるYahoo!ショッピングは、2019年3月時点での総出店数は87万店舗と発表されました。同じ国内ECモールの楽天市場を大きく上回る数字です。当然競合他社の出店も多く、87万店舗の中から自分のショップを選んで購入してもらうためには、アプローチにも工夫が必要になるでしょう。
2つ目は、広告料がかかることが挙げられます。Yahoo!ショッピングには4つの広告オプションがあり、オプションを活用することで検索結果の上位に表示させる「PRオプション」や、Yahoo! JAPANのトップページに広告を表示させる「バナー・テキスト広告(ディスプレイ広告)」があります。
広告オプションはいずれも有償で、PRオプションは商品に対し1~30%の料率を設定する必要があり、バナー・テキスト広告は最低3万円から利用可能です。
Yahoo!ショッピングで出店するときの審査は厳しい?
Yahoo!ショッピングで出店するときは、出店審査と開店審査という2回の審査を通過する必要があります。1回目が出店を契約するための審査、2回目が実際にショップ運営を始めるための審査です。審査を通過しないことには出店ができないので、審査の基準や通過のコツなどをまとめました。審査に進む前に確認しておきましょう。
Yahoo!ショッピングでは出店審査基準がない
Yahoo!ショッピングの審査は、出店時と開店時の2回あります。肝心の審査基準については、2021年9月時点でも公開されていません。しかし、審査の申請回数に制限はないため、仮に審査で落ちてしまっても何度でも挑戦することはできます。再審査を申し込むときには、申し込み内容に不備がないかどうか、きちんと確認してから進めましょう。
Yahoo!ショッピングの出店審査に通過するコツ
Yahoo!ショッピングの出店審査には基準がありませんが、Yahoo!ショッピングからの本人確認の電話に出なかったり、開店準備の段階で「予約販売あり」を設定していたりすると、審査に通りにくい傾向にあるようです。また、登録したアカウントがYahoo!サービスにおいて規約違反をしていれば当然審査には通りにくくなります。
Yahoo!ショッピングの審査は他社の審査に比べると通りやすい傾向にありますが、規約違反がないかどうか事前に確認しておくといいでしょう。
Yahoo!ショッピングの出店料は本当に無料?
Yahoo!ショッピングの出店料は無料であることが大きな特徴ですが、有償の広告メニューも提供されています。実際にどこまで無料になるのかを確認しておきましょう。他社のモールでは月々かかるのが当たり前の費用が無料になっている一方、売り上げをあげるためには多少のコストをかける必要もありますので、出店する際の参考にしてみてください。
Yahoo!ショッピングの出店で無料になる項目
Yahoo!ショッピングの出店で無料になるのは、初期費用、月額システム利用料、売り上げロイヤリティの3点です。通常初期費用は登録のとき、月額システム利用料と売り上げロイヤリティは毎月支払うことが大半ですが、Yahoo!ショッピングはこれらの固定費を無料とすることで参入障壁を低くしています。
出店時のコストを抑えられる点や、商品が売れない月があった場合も出費を抑えられる点から、ネットショップ初心者でも個人でも出店しやすい仕組みと言えるでしょう。
Yahoo!ショッピングの出店で有料になる項目
Yahoo!ショッピングの出店で有料になるのは、主に広告オプションやポイント原資負担、アフィリエイトパートナー報酬などです。ポイント原資負担は顧客が購入した際にポイントを付与するために、出店側で2.5%~任意で16.5%までを負担します。アフィリエイトパートナー報酬や広告オプションはコストがかかるものの、活用することでショップの認知度を高めることができるでしょう。
実際にどれくらいの費用がかかるか、公式ページで料金のシミュレーションもできます。
Yahoo!ショッピングへの出店は審査に通れば誰でもできる
Yahoo!ショッピングでの出店の特徴や流れ、注意点についてまとめました。Yahoo!ショッピングは出店料や固定費が無料で、必要書類を提出して審査に通過すれば法人でも個人でも出店できます。
競合他社が多い、広告には費用がかかるといったデメリットもありますが、何よりYahoo! JAPANの影響力を借りてショップの宣伝がしやすいこと、信頼できるショップ運営ができることは大きな魅力と言えるでしょう。