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2024年8月27日(火)10:00~19:15

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アフィリエイトトラブルが多発!消費者庁による規制強化の内容とその対策


 アフィリエイト広告に関するトラブルが相次いだこともあり、消費者庁はアフィリエイト広告の規制強化を始めました。2021年6月に「アフィリエイト広告等に関する検討会」を開催したほか、アフィリエイト広告に関する実態調査も行っています。 そこで今回は、消費者庁が掲げる景品表示法の考え方、実際にトラブルとなった事例を詳しく解説します。アフィリエイトトラブルを未然に防ぐためにも、消費者庁の考えを深く理解し、対策となる行動をすぐに実施しましょう。

消費者庁が問題視しているアフィリエイトとは?

 アフィリエイト広告は、広告主が思いつかないような斬新なアイデアや、販促効果の高い広告が打ち出されています。これは消費者でもあるアフィリエイターが行うことで実現しているのです。また、低資金での効率的な広告配信や需要喚起の効果も見込めます。

 しかしその反面、広告主による表示物の管理がしづらく、アフィリエイターが成果報酬だけを求めた虚偽誇大広告につながる恐れがあるのです。アフィリエイト広告は不当表示につながりやすいと考えられ、広告主の責任意識が薄いという指摘もされています。また、消費者からはアフィリエイト広告であるか否かの判断が難しいところです。

 こうした現状から、消費者庁はアフィリエイト広告について、消費者安全法に基づき「虚偽・誇大なアフィリエイト広告に関する注意喚起」を消費者に行いました。それに伴い、消費者庁はアフィリエイト広告についての注意点をまとめた資料を公開しています。

スマホを見て首をかしげる女性

消費者庁が掲げる景品表示法の考え方3点

 消費者庁は景品表示法についての考え方を、大きく3つに分けて公言しています。消費者庁の意図を理解するためにも、確認しておきましょう。

表示規制の対象となる事業者

 事業者が景品表示法における表示規制の対象となるのは、問題となる商品・サービスを供給し「供給主体性」が認められた上で、該当する事業者が不正表示を行っている「表示主体性」が認められた場合に限ります。これら「供給主体性」と「表示主体性」については、次をご確認ください。

供給主体性

商品等の提供・流通の実態をみて実質的に判断される要件

表示主体性

表示内容の決定に関与した事業者に認められるもの、もしくは自ら・共同して積極的に内容を決定した場合、または他者の表示内容に関する説明に基づき内容を定めた場合や、他者に決定権を委ねた場合

景品類の提供と表示の管理上における措置

 事業者が講ずべき景品類の提供または表示の管理上における措置としては、次の7つの項目があげられます(引用:消費者庁|アフィリエイト広告をめぐる現状と論点)。

  1. 景品表示法の考え方の周知・啓発
  2. 法令遵守の方針等の明確化
  3. 表示等に関する情報の確認
  4. 表示等に関する情報の共有
  5. 表示等を管理するための担当者等を定めること
  6. 表示等の根拠となる情報を事後的に確認するために必要な措置を採ること
  7. 不当な表示等が明らかになった場合における迅速かつ適切な対応

 また、それ以外にも不当表示等の防止策は次の3つが考えられます。

  1. 速やかに景品表示法違反を発見する監視体制の整備、または関係従業員等が報復の恐れなく報告できる報告体制を設ける
  2. 表示等が適正かどうかを検討し、不安な事項については関係行政機関や公正取引協議会へ事前に問い合わせる
  3. 当該業界の自主ルールまたは公正競争規約を参考にする

アフィリエイト広告についての言及

 消費者庁はアフィリエイト広告の「健康食品」について、虚偽誇大表示等を注意喚起しました。広告主が表示内容の決定に関与している場合は、景品表示法および健康増進法上の措置を受けるべきだとされます。一方、アフィリエイターは法上の措置を受けるべき事業者に当てはまらないため、注意が必要です。

 なお、アフィリエイターが掲載する広告主のバナー広告の表示に関しても、記載された商品・サービスの内容が実際のものよりも優良、または有利であると消費者に誤認させた場合、景品表示法上の不当表示として問題になります。つまり、景品表示法上の不当表示はアフィリエイターだけでなく、広告主も気をつけなければならない問題なのです。

残念な顔文字

アフィリエイト広告がトラブルになった2つの事例

 消費者庁の考える景品表示法が理解できたところで、実際にトラブルとなった事例を2つ紹介します。同じようなトラブルを起こさないためにも、事前に把握しておきましょう。

T.Sコーポレーションによる景品表示法の違反

 消費者庁は、株式会社T.Sコーポレーションが供給する「BUBKA ZERO」と称する育毛剤等の表示について、同法第7条第1項の規定に基づき措置命令を下しました。

 本件はアフィリエイトサイト2つで景品表示法に違反する行為が認められました。1つ目のサイトでは「『有名大学がマウス実験で実証』医療関係者も勧める『90%がフサフサになった育毛剤』がヤバイ!」「悩んでいたのがウソのように、たった2ヶ月で髪がフサフサになったんです!!!」などと記載し、あたかも本件の商品を利用すれば、短期間で発毛効果が得られるかのように表示していたのです。

 また、2つ目のアフィリエイトサイトでも、「【新常識!薄毛の原因は●●だった】世界的な科学誌が推奨の毛髪再生法 有名医科大のマウス実験で実証済!試した90%以上がボリューム復活!?」という文言とともにビフォーアフターの画像が記載されており、薄毛が短期間で改善されるかのような広告表示をしました。

Libeiroによる消費者を誤認させる違反行為

 東京都は特定商取引に関する法律に基づき、株式会社Libeiroに対して3ヶ月の業務の一部停止を命じ、違反行為を是正するための措置を指示しました。さらに、事業者の代表取締役に対しては、当該停止を命じた範囲の業務を新たに開始することの禁止を命じています。

 本件は「ネーヴェクレマ」等と称する化粧品について、サンプルやお試しであると強調した広告をウェブサイトに記載し、あたかもお試しセットだけを低額で購入できるかのような表示をさせていました。しかし、実際には複数回の継続購入が条件となっており、消費者は多額な支払いを課せられていたのです。

 また、解約申出の方法も消費者が容易に認識できるように表示していないほか、契約の申込み内容を消費者が容易に確認・修正できるようにしていませんでした。

頭を抱える男性

アフィリエイトトラブルを未然に防ぐための対策

 アフィリエイトトラブルを未然に防ぐためには、商品・サービスを供給している広告主が消費者庁の考え方・景品表示法を深く理解しておくことが重要です。その上で、理解した景品表示法の内容をアフィリエイターへ適切に共有しましょう。

 そうすることで悪質なASPやアフィリエイターが排除され、アフィリエイト広告の不当表示等を防ぐことにつながります。また、広告主自らが消費者に対し、適正なアフィリエイト広告を認識しやすい取り組みや、消費者が有益となる方策を考えることも大切です。

手のひらを出してストップする男性

消費者庁の規制を理解してアフィリエイターに共有しよう

 ここまで、消費者庁が掲げる景品表示法の考え方、実際にトラブルとなった事例を解説しました。

 アフィリエイト広告をアフィリエイターに任せることで、広告主が思いつかない斬新なアイデアが生まれるケースもあります。しかし、アフィリエイターが成果報酬だけを求めて虚偽誇大広告につながる恐れもあるため、広告主が消費者庁の考え方を十分に理解しておかなければなりません。アフィリエイトトラブルを未然に防止するためにも、アフィリエイターに情報共有しておくことも大切です。

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