アリババグループのデジタルテクノロジーとインテリジェンスの中枢であるアリババクラウドは、アリババグループが開催した「天猫ダブルイレブンショッピングフェスティバル(通称:『独身の日』、ダブルイレブン、W11/中国語『双11』)」向けに投入した最先端の技術を公開した。
11月1日~3日と11月11日の2回の販売期間に延長し開催した今年の同イベントの流通総額(GMV)は、4,982億元(約7兆7,200億円)と過去最高額を記録。アップグレードしたアリババクラウドのインフラが大規模なセールイベントを支えたという。
11月11日は、開始からわずか26秒後に注文数が毎秒58.3万件とピークに達し、2009年11月11日に初めてフェスティバルを開催した際のピーク時の1,400倍に増大した。
Apache Flinkを使用したアリババのリアルタイム・コンピューティング・プラットフォームは、ピーク時に1秒間に約40億件のデータストリームを処理。昨年の25億件から大幅に増加している。アリババ独自のデータウェアハウス・プラットフォームであるMaxComputeは、今年の同イベント期間中に、1日に最大1.7エクサバイト(エクサバイトは10億ギガバイトに相当)のデータを処理した。これは、世界の70億人分の高解像度写真230枚を処理するデータ量に相当。期間が長くなった今年のイベント開催期間中、極めて高い拡張性と処理性能が問われるにもかかわらず、ダウンタイムは一度も報告されなかったとのこと。
アリババクラウドは、PolarDB、AnalyticDB、Lindormなどのクラウドネイティブなデータベースを活用することで、ピーク時でも同イベントを円滑に運用することが可能となった。PolarDBは、同イベントのピーク時に1億4,000万件/秒のクエリ(昨年比60%増加)を記録。また、アリババクラウドが自社開発したデータウェアハウスAnalyticDBは、最大7.7兆行のリアルタイム・データを処理している。さらに、PolarDB-XとAnalyticDBにより、中国郵政は「独身の日」の期間中に1億件以上の注文に対応することができ、約10万人の中国郵政の利用者がオンラインで配達状況をリアルタイムで確認できるようになっていた。