アリババグループは、新たな製造モデルである「ニューマニュファクチャリング」を採用したデジタル工場、「迅犀(シュンシー)デジタル工場」(Xunxi Digital Factory、以下Xunxi)を発表した。同社のクラウドコンピューティング基盤とIoTを活用した杭州市の工場で、中小企業にデジタル化したエンドツーエンドの製造サプライチェーンを提供し、カスタマイズされた需要に基づく製造を実現する。これにより、特に零細企業は顧客の変化するニーズにより迅速に対応が可能となり、中国の製造市場のDXの恩恵を得ることができる。
ニューマニュファクチャリングの導入は、2016年に創業者ジャック・マーが発表したアリババの「Five News戦略(ニューリテール、ニューマニュファクチャリング、ニューファイナンス、ニューテクノロジー、ニューエネルギー)」の新たなマイルストーンとなるとのこと。
Xunxiの取り組みとして、製造サイクルが長く在庫量が多いことが事業規模の大小を問わず企業の課題となっているアパレル業界から開始。リアルタイムのリソーシング、プロセスとコストのプランニング、自動化された構内物流、Xunxiの製造運用システムなどの新技術を活用し、同工場は小バッチ生産の注文に合理的なコストと短い納期で対応し生産効率引き上げを目指すという。
Xunxiのトレンド・販売予測モデルと、独自の人工知能支援型の統合生産設計基盤により、製造業者は顧客の嗜好を把握することが可能。情報の流れを改善することで、研究開発費を削減し、急速に変化する消費者が求めるパーソナライゼーションに対応することができるとのこと。