凸版印刷は、地域における決済サービスをまとめてデジタル化し、1枚のカードやスマートフォンアプリだけで、複数の決済サービスが利用可能となり、地域のキャッシュレス化を実現する決済プラットフォーム「地域Pay(チイキペイ)」を2019年5月より提供している。
今回、同プラットフォームが、長野県岡谷商工会議所の発行・運営するプリペイド機能付きポイントカード「Okaya Pay」に採用され、2020年4月より提供を開始した。加盟店向けのキャッシュレス決済だけでなく、ボランティアポイントの付与など行政と連携した住民サービスとしての機能も提供している。2020年9月から開始されたマイナポイントにも対応し、加盟店で同プラットフォームを利用したキャッシュレス決済によりマイナポイントが付与される。今後は行政とも連携して、ボランティアや医療機関の受診などを対象としたポイントを付与し公民一体となったキャッシュレス推進・地域活性化を進めていく予定とのこと。
また、武蔵小山商店街振興組合が運営するプリペイド機能付きポイントカード「PALM POINT&MONEY CARD」にも採用、2020年4月より提供を開始した。商店街単位での採用となり、東京都品川区武蔵小山商店街振興組合の小売店や飲食店でキャッシュレス決済を利用することができる。
同プラットフォームは、さまざまな決済端末と接続できる特徴があり、地域の各店舗によって異なるクレジット決済端末・タブレット端末からも決済業務が可能。導入により、自治体や商店街などは地域のキャッシュレス化を通じた地域の消費活性化や観光客誘致などを目指すという。
「地域Pay」では「サーバ管理型プリペイドASPサービス」のシステムを活用。利用者は1枚のカードやスマートフォンのアプリだけで地域のキャッシュレス化を推進するさまざまなサービスを利用することができる。
商店街ポイントのデジタル化
カードまたはスマートフォンのアプリに表示した QR コードで地域のお店で買い物をした際のポイント付与および利用を実現する。
地域限定の電子マネー「地域マネー」
地域内の商店のみで使えるプリペイド式の電子マネー。地域内での消費を促すとともに、住民の買い物に関する決済手数料流出を削減する。
プレミアム商品券や給付金のデジタル化
地域住民への紙商品券や給付金などをデジタル化することにより、利用時の回収業務や集計・精算業務を低減するなど運用コストを削減や域内消費の活性化を実現。また利用状況をデータ化することで発行後の効果も検証も可能となっている。
プレミアム付観光商品券のデジタル化や観光カード
ふるさと納税やクーポンなどのかたちで地域外にデジタル商品券として販売・配布したり、地域のさまざまな観光施設の入場パスなどとセットになったお得なプリペイド機能付きの観光カードを提供。地域外からの誘客を支援する。
自治体ポイントのデジタル化
自治体における健康関連やボランティアイベントへの参加、行政サービスの利用などをポイント化し管理することで、公民一体化となったキャッシュレス化の推進、地域の活性化を支援する。
マイナポイントとの連携
資金決済法に対応した集計機能を標準実装しており、2020年9月から開始されるマイナポイントへも対応。加盟店でのキャッシュレス決済によるマイナポイント付与機能もオプションで提供する。
同社は今後も「地域Pay」をはじめとしたキャッシュレス決済関連サービスを提供し、2025年度までに市町村を中心とした自治体や商店街など100ヵ所での導入を目指す。また、今後も地域の観光振興・インフラ整備による業務支援・防災力向上などに関連するさまざまな自治体向けソリューションを拡販し、地方創生に向けた地域活性化を支援していく考え。