NTTデータは、三井不動産の協力のもと、デジタルデバイスやAI技術を活用して消費者に商品を提案・訴求・販売するデジタルストアの実証実験を開始した。
同実証実験では、オペレーターの動きと連携したアバターを介して販売員が遠隔地から店舗内の消費者に対して接客を行うとともに、接客データをAI技術を活用して解析し、アパレル商品に対する購買促進の有用性について検証する。この技術が実用化することにより、サイネージを設置するだけの一坪程度の狭小スペースで、AIアバターが呼び込みから接客販売まで一貫したプロセス行い、消費者のニーズを満たすデジタルストアを運営することが期待できる。
本実証実験の主な概要は下記のとおり。
顔認識AIを使ったレコメンド効果の検証
デジタルデバイス(インタラクティブサイネージとデジタルカメラ)と AI技術を活用し、販売員が不在の店舗においても消費者に商品を提案・訴求・販売ができるかを検証する。同店舗では、デジタルカメラにより来店した消費者の性別および年齢層を推定し、その相手に応じた商品を提案する。このAIを使うことで、初めて来店した消費者に対しても効果的な商品の提案ができる。
アバターによる遠隔接客の検証
アバターを介して販売員が遠隔地から店舗への呼び込みや店舗内の消費者に対して接客を行い、対話を通じた商品説明に対応できる仕組みを提供する。AIによってオペレーターの顔の動きや仕種を認識し、アバターと自然な動きで連動する。これによって、遠隔からの声かけでも購入の後押しとなるかを検証するとともに、アバター遠隔接客を活用した店舗運用課題を確認する。
EC サイトへの誘導におけるユーザーエクスペリエンスの検証
デジタルサイネージ上の各商品ページに2次元コードを掲載することで、スマートフォンを通じて消費者を三井不動産のEC サイト「&mall(アンドモール)」に誘導し、商品の購入につなげる。これによって、リアル店舗にある2次元コードからの EC サイトへの誘導が決済手段として有効か、購入が完了するかを検証する。
来場フロアの行動導線、および商品接触・サイネージ接触数の分析
来場フロアに設置されたデジタルカメラにより来店した消費者の行動導線を可視化し、来場、商品接触、サイネージ接触、アバター対話接触、デジタルコンテンツ接触の度合を可視化し、店舗・販売員の販売活動におけるデジタル化への改善要因を分析する。
実施概要
- 期間:2019年3月8日~31日(遠隔接客は2019年3月20日~31日)
- 場所:三井ショッピングパークららぽーと海老名 4F EBICEN flatto