勉強会ではまず林氏が登場し、「WOVN.io」 のサービスの概要を説明。最近の傾向については、「アパレルの越境ECや、海外とやり取りを行う契約書周りのシステムなど、BtoBの案件が増えている」と補足した。案件が多い翻訳の言語について聞かれると、以下のように回答した。
「英語での翻訳を行わないケースはほとんどないですね。それ以外は、中国語の簡体字と繁体字がおよそ4割から5割くらいで、あとはタイ語、インドネシア語などのニーズも増えてきています。これはインバウンドのニーズとほぼ一致しています」
続いて登場した上森氏は、業界ごとにみる多言語化ニーズと、アドウェイズチャイナとの業務提携について発表。同氏は冒頭、日本が観光立国を掲げたことに触れた。
「日本が観光立国を掲げた理由は、日本の観光は人気があることがわかってきたから、多くの市場が成長しきってしまったため新たな産業が必要だから、の2点です。日本は国全体として、2030年を目処に旅行者数の目標を6000万人、外国人消費額の目標を、現在の2倍となるおよそ8兆円としました。このことからも、国がこれから観光産業に力を入れていくことがわかります。
もうひとつ、最近クライアントの皆さんが口を合わせておっしゃるのが、東京で開催される2019年のラグビーワールドカップと2020年の東京オリンピックのこと。これに合わせて予算を取らなければいけない、という企業が増えてきているようです」
先日同社は、自社ECサイトでの海外展開を支援するサービス「WOVN.io ECパッケージ」の提供開始と、広告によるECサイトへの海外ユーザー集客を強化すべく、アドウェイズの100%子会社である愛徳威広告有限公司(以下、アドウェイズチャイナ)との連携を発表した。
「物流、決済、サポートなどはwovnやパートナーシップ企業との協力により今までも対応ができていましたが、それ以外にも、中国からのアクセスを増やしたい、つまり集客をしたいというご相談が多かった。アドウェイズチャイナと連携することで、wovnのクライアントに集客の部分までカバーできるソリューションを提供したいと思ったのが、提携に至った経緯です」(上森氏)
WOVN.io ECパッケージでは、既存の自社ECサイトをWOVN.ioで多言語化し、さらに物流・購入・顧客対応などの側面をパートナー企業とともに提供。
さらに多言語化した自社ECサイトへ海外ユーザーを誘導するため、アドウェイズチャイナと提携し、多言語化から広告施策実施、分析までを一連で行うことで効果の最大化を目指す。これによりEC事業者は、海外向けECサイトを別に用意することなく、海外への販路拡大を実施することが可能となる。