Yahoo! JAPANのディープラーニングは、2015年5月、自社で開発した音声認識エンジン「YJVOICE(ワイジェイボイス)」へのサービスとして初めて実装された。それ以降、ニュースなどのコンテンツ配信の個別最適化(パーソナライズ)の精度向上のためにも導入されている。
これまでは、ディープラーニングの処理に膨大な電力消費が求められ、かつ諸外国に比べて国内は電気料金が高いこともあり、ランニングコストの負担が大きいなどの理由で、一部での利用に限られていた。しかし、ディープラーニングによるパーソナライズ精度向上の有効性が明らかになってきたことを受け、ディープラーニング活用に特化した省エネ性能の高いkukaiを開発する運びとなったという。
kukaiは、GPUを使用した従来の社内環境と比較して、演算処理性能が理論上約225倍となる。消費電力あたりの処理性能も世界トップクラスの値を記録しており、より大規模なディープラーニング処理を、短時間かつ低コストで行うことができる。また、同規模の最新GPUサーバーを使用した場合と比較しても、15%程度の電力コスト削減につながる見込みだという。
なおkukaiは、Yahoo! JAPANグループであるIDCフロンティアと共同で運営する「白河データセンター」にて運用される。
Yahoo! JAPANは、今後もより多くのサービス・機能においてディープラーニング活用を進め、広告やニュース、インターネット通販などコンテンツ配信のパーソナライズ精度向上を通じて、「日本で暮らす人のことを一番知っていて、最上級のおもてなし・課題解決を提供できるサービス」を目指していくと発表した。