セールスフォース・ドットコムは2017年5月29日(月)、同社が提供する「Commerce Cloud Einstein」の新機能を発表した。今回追加された機能により、小売企業はWeb、モバイル、SNS、実店舗などにわたり、AIを活用して顧客ごとに最適化されたショッピング体験を消費者に提供することができるようになる。また、モバイルサイト用リファレンスアーキテクチャのブループリント、Google Android Payとの統合など、消費者からニーズのある統一されたショッピング体験を実現する。
Commerce Cloud Einsteinは、セールスフォース・ドットコムが提供するWeb、モバイル、ソーシャル、店舗など、さまざまなチャネルで買い物をする一人ひとりの顧客に最適化されたショッピング体験を提供できるようになるツール。53カ国で2,000を超える小売サイトですでに利用され、2016年だけを見ても、Black Diamond、Ethan Allen、Icebreakerをはじめとするさまざまな企業で160億ドル以上の売上を生み出しているという。
セールスフォース・ドットコムでは、人工知能(AI)の発達によって消費者の買い物のあり方に変化が起き始めていることに注目。カスタマージャーニーをすべて網羅し、すべてのチャネルまたはデバイスでよりパーソナライズされた体験を消費者に提供できるプラットフォームの提供が求められていることから、今回の新機能に至ったという。Commerce Cloud Einsteinでは今回の新機能により、企業は現代の消費者が求める一人ひとりに最適化されたショッピング体験の予測分析を行うことで提供することを目指している。
新機能の詳細は下記の通り。
Einstein Predictive Sort
機械学習のテクノロジーを活用することでEコマースサイトの検索ページやカテゴリー一覧ページの商品の並び順をパーソナライズし、商品選択時の体験を最適化する。これまでの注文履歴やWebでの行動で顧客ごとに予測モデルが作成される。顧客ごとにもっとも関連のある商品が検索結果のトップに表示されるため、顧客は欲しいものがすぐに見つけられるようになり、コンバージョン率の向上が期待できる。この機能はわずか数クリックでサイトに組み込むことができ、またブランドが重点的に販売したい商品を、Einsteinのレコメンデーションに組み合わせて表示することも数クリックで利用することが可能になる。運用には、コーディングもデータサイエンティストも必要ない。
Mobile Site Reference Architecture
すぐに利用できるモバイルWebサイト用のブループリントで、モバイルのショッピング体験を最適化する。Commerce Cloudでは、モバイルデバイスからのトラフィックが大多数となっている。Mobile Site Reference Architectureは、モバイルサイトのデザイン、販促活動、テクニカルアーキテクチャのベストプラクティスにもとづく明確なガイダンスで、これを利用すれば、最先端のモバイルショッピングエクスペリエンスをスピーディに確立できる。
Android Payとの新たな統合
消費者はスピーディに、そしてスムーズで簡単に支払いを処理することができる。一方、小売企業には、Android Payと手軽に統合できるというメリットのほか、モバイルでのコンバージョン率を向上する、取引がセキュリティ保護されるといった利点もある。
Commerce Cloud Einsteinの新機能は2017年5月29日から、Commerce Cloud EinsteinのPredictive Sortは追加費用なしで2017年7月から提供を開始する予定。Mobile Site Reference ArchitectureはDeveloper Previewでのみ利用可能で、2017年8月から国内で提供を開始する予定とした。