三井不動産は、「三井ショッピングパーク ららぽーと」(以下、ららぽーと)をはじめとする自社商業施設とECを連携させたオムニチャネル戦略の推進に向けて、独自のオムニサービス・プラットフォームを開発し、運用を開始した。この基盤を活用し、購買体験の向上と新サービスの創出を目指す。
同社は2017年に公式通販サイト「Mitsui Shopping Park &mall」(以下、&mall)を立ち上げ、ららぽーと館内で&mall注文商品の受け取りや返品を可能にする「&mall DESK」、骨格診断やコーディネート提案の各種サービスが受けられる体験型ショールーミング店舗「LaLaport CLOSET」などを展開してきた。今回、新たに開発したプラットフォームにより、サービス拡充と多様化する顧客ニーズへの対応を加速する。
また、同プラットフォームを活用して、ショッピング領域とスポーツ・エンターテインメント領域を融合させたサービスの創出にも取り組んでいくとしている。
新プラットフォームの概要
同プラットフォームは、NTTデータ、チームラボ、伊藤忠テクノソリューションズ、システムエグゼの受託・協力のもと独自開発された。主な特徴は次のとおり。
新サービス開発に向けた拡張性の向上
- マイクロサービスアーキテクチャを採用し、同時並行的なシステム開発が可能に
- 各種APIを実装し、生成AIを活用したサードパーティサービスとの連携を容易化
基本的なEC性能の強化
- ECフロント画面のUI/UXや商品レコメンド機能を刷新し、利便性を向上
- 商品・在庫情報の登録・更新方法を改善し、ショップ運営を効率化
アウトレット専用EC機能実装(2025年春予定)
- 「三井アウトレットパーク」の出店ブランド取扱商品を販売
- B品やシークレットセールなど、アウトレット特有の購買体験を提供
企画・開発中のオムニサービス
現在、SUPER STUDIOとのパートナーシップのもと、同プラットフォームの拡張性を活かして、次のようなオムニサービスの進化・創出に取り組んでいるという。
LaLaport CLOSETのDX推進
ショールーミング店舗・LaLaport CLOSETの顧客データを会員情報と紐付け、データ管理・分析。骨格診断やカラー診断の結果をデータ化し、パーソナライズされた商品提案を強化する。
館内まとめて試着・購入サービス
同社の商業施設内で複数店舗の商品をまとめて試着・購入できる新サービスを検討している。また、施設来館後においても、顧客の商品持ち出し・購入・返却履歴を分析し、館内やEC上で商品情報を個別に提案する仕組みも整備する予定。