カインズは、P&Gジャパン(以下、P&G)との共同事業計画に基づき、包括的なサプライチェーン協働を強化した。
今回、カインズにおけるP&G製品の取り扱いについて、同社独自のAI需要予測システムの導入を拡大するとともに、トラックの帰り便を活用した共同輸送の本格展開を開始した。
2社は、サプライチェーン全体での物流の効率化、在庫の最適化、そして店頭での売上最大化を実現するべく、長期にわたり包括的なサプライチェーン協働を推進してきた。今回発表された協働の強化により、物流2024年問題で不足するといわれている約30%の輸送能力を補うため、物流全体のさらなる最適化を目指す。
AI需要予測システムの導入
カインズは、2020年からP&G独自のAI需要予測システムを活用している。同システムにより、各店舗の売上、在庫、将来の販促プランなど、様々なデータを連携させ、AIによる高精度な需要予測が可能となった。これにより、トラック単位・パレット単位の早期発注が実現し、運送効率の向上を実現している。加えて、サプライチェーン全体での供給計画と店舗在庫が最適化され、店頭での欠品を防ぎ、店舗オペレーションの効率化も期待できるという。
トラックの帰り便を活用した共同輸送
2023年10月から、物流の効率化を目的とした共同輸送の試験運用が開始された。北関東エリアのカインズ流通センターから店舗へ輸送するカインズの配送トラックが、帰り便でP&G製品を積載して流通センターに戻る。
9ヵ月の試験運用を受け、2024年7月には全国9拠点の共同輸送を本格的に展開した。これにより、低コストで効率的な物流ネットワークが構築された。